その花は手折られてしまった。その蜜は吸い尽くされてしまった。風が吹く度痛みに晒される傷を恥とも思わなくなってしまった。いまは早急な死に焦がれている。
 汚れてしまえばいい。その中でも息はできる。心ごと汚れてしまえばいい。美しさなど忘れてしまえばいい。
 その方が君を忘れやすい。
 眩しい太陽などもう要らぬ。灼けるような熱などもう要らぬ。地上から発せられる冷気は優しく、心地よい。私の足は此処から動かぬ。空へは飛べぬ。
 日々頭を垂れる私は、その美しさのせいで死に急ぐ。美しければ美しいほど、人目を引けば引くほど、手折られた重みに耐えかねて落ちる。
 ああ、愛し君よ。
 できるならその手で手折られたかった。
 汚されるなら君の手が良かった。
 今は見てくれるな。