そのひとは、
刃の様な形をしていた。


強く、美しく、鋭く。

けれど鞘を持たない彼女は、
何時も其の刃先で傷だらけ。
けれど直ぐ裂ける鞘ばかり。

(嗚呼、アレに、切られてみたい)

此処は地獄、業火に灼かれる鉄。
此処は花園、毒と棘を持つ花。
此処は夜空、凍てついた曲線の月。

其の刃で壊せないものを探して。
独りぼっちで海底を歩きながら。

それでも、
強く、美しく、鋭く。



(嗚呼、アレに、)

(壊せぬことを、証明したい)


(嗚呼、アレを、壊して、みたい)


(…なんて)



・・・SHELTER



独りで生きてゆけると思っていた。
誰かに傷つけられるくらいなら、
すべてを遠ざけたかった。

其れでもついた傷を
見て見ぬ振りをした。

誰も傷つけないでと叫びながら、
此の爪で、私の肌膚を抉って。

痛い、と泣いた。其れでも。


もし、此れを、恋と呼ぶなら。
もし、其れを、愛と呼ぶなら。

ずっと足りないと思っていた何かを、
埋めてくれるかな?