晴れた青空、乾いた空気を泳ぐ風。炭酸飲料のCMみたいな背景が広がる夏の日。
空にすら届きそうなかけ声と、ボールが風を切る音。日本では有り得ないはずの銃声。

「よーいちいー」

半袖のカッターシャツをさらに捲って、切ったスカートを折って短くして。素足にビーサンで日陰を陣取る。
この着こなしにはまもちゃんにも妖一にも嫌な顔をされるけど夏だから仕方ない。

「まだあるー?」

日陰に置いたパイプ椅子に持参したクッションを敷いて胡座の体勢で、弾薬帯を振り回せば明らかに眉間の皺が増えた。

「振り回すんじゃねえ!」

そう言いながらも、もうひとつの銃弾もない弾薬帯が近くに飛んでくる。
残念ながら、私がこれをぶっ飛ばしてもグラウンドにすら届かない。
脱ぎ捨てられていたビーサンに足を通して、グラウンドへ駆け足。

「あっつーい!」
「日陰から出てこねえくせに何ヌかしてんだ」

スカートの裾をパタパタさせながら渡せば、舌打ちが返ってくる。
なに?と視線で問えば、短すぎと頭を小突かれた。

「いたっ、手加減してよ」
「してるっつーの」

銃声の止んだグラウンドはいかにも夏休み中の部活動らしい。
青空と背の高い緑のフェンス、飴色のグラウンド。
赤いユニフォーム、一生懸命な表情のみんな。
ああ、なんか、すごくいいなって。
視線を妖一に戻せば、同じように夏色の景色を見ているようだった。

「よーいち」
「ぁんだよ」
「夏だねえ」
「夏だな」
「うん、ちょー夏だ」

訳分からん、と笑った妖一の横顔、輪郭を縁取る太陽。
やっぱり夏だ。
そして、なんだか、すごくいい。
きっとそれは、隣にいるヤツのせいなんだけど。