家族にとゆう存在
「銀時、私はこの子を
引き取る責任があります。
この子を1人にさせてはならない。」
そうですねー、
お父さんはちょっと
おじさんぽくて嫌なので、
兄と呼ばせるのはいかがなものか
と笑顔で彼に尋ねる。
万が一、君がお嫁さんにしたい!
てなっても大丈夫な様に
と付け加えて。
突然の言葉に私も
銀時とゆう男の子も
目を丸くする。
「はああぁ!?話飛びすぎだろ?!
しかも何で結婚する前提だよ?!」
「そうですね、彼女にも
選ぶ権利がありました。」
「俺の意見は無視かよ!」
鼻を膨らまして怒る彼に
オロオロしていたら、
松陽と呼ばれる男は
怖くないですよと
ニコリと笑いかけられる。
「彼の名前は銀時。
これからあなたと
共に過ごす仲間です。」
彼に目線を向けると
再び目を逸らされて、
それが嫌われている訳ではなくて、
照れ隠しなのだというのは
なんとなく気がついた。
そんな彼に「お前、名前は?」
と聞かれて、答えないんじゃなく、
答えられない私は首を横に振った。
その当時、私に名などなかった。
「…名前が無いのですね。」
名のない自分が恥ずかしくて俯く。
親がいたかどうかもわからず、
名前なんかあったか
どうかもわからない。
今まで文字が読めない、
書けないまま過ごし、
言葉を知らなすぎていた。
「…吉田#葉菜#。」
顔を上げると、彼は
「うん、あなたにピッタリだ。」
と納得した顔で私の両肩を持って
私の顔を見た。
気に入りましたか?と聞かれ、
名前を貰った私は嬉しくて
こくこくと彼の言葉に頷いた。
「ゆっくりでいい。
焦らなくていいから、
私と共に学んで行きましょう。」
『あ…に…うえ…?』
ゆっくり言葉を発すると、
彼はそうです!私がお兄ちゃんです
とよく出来ましたーと
褒めて喜んで抱きしめてくれた。
「早速シスコン通り越して
親バカ発揮じゃねーかよ…」
『…銀ちゃ…ん?』
「銀時、貴方も顔が赤いですよ?」
兄となった吉田松陽は、
私を妹としてひきとった頃に
松下村塾とゆう小さな寺子屋を開いた。
彼は生きて行く為に
必要な事を私に沢山教えてくれた。
自由に学ばせてくれていた。
それはモノとして扱ってきた
大人達とは全く違うもで、
掃除、洗濯、食事はもちろん、
文字の読み方の学業は
他の子供達と一緒に学んでいた。
夜になると再び悪夢を見る日もあったが、
兄上が同じ布団で寄り添って
背中を撫でてくれると
その夢も自然と見ることがなくなった。
血を分けただけの兄妹だとわかっていても、
何処か本当の兄妹の様な
繋がりを感じるものがあった。
笑ったり泣いたり怒ったり、
気が付けば彼らには
素直に感情を出せるようになっていた。
「#葉菜#、すみませんが
ちょっとお使いをお願いしても大丈夫ですか?」
『はーい!』
私は兄上に台所まで呼ばれ
大根とお豆腐を買ってきてください。
と言われ、わかりましたと
お金を受け取る。
初めてのおつかいに、
少し大人になれた気がして、
胸を弾ませて勝手口から飛び出した。
「銀時、銀時っ…!」
「何だよ、おつかいなら
#葉菜#が行ったじゃん。」
「ちょっと危ない目に合わないか
心配なので、ひっそり一緒に
ついて行ってくれませんか?」
「はー?!それなら、
松陽が行けば良かっただろ!?」
「せっかくの彼女の成長を
私が止めるわけにはいかない!」
私が初めておつかいに出かければ、
私に見つからないように
後ろから銀ちゃんが見守って、
その後ろを兄上が見守っていたらしい。
その時は2人が付いてきてることを
知らずに買い物を済ませ、
誇らしい気持ちで家路へ向かった。
「お前珍しく一人でなにしてんだよ。」
道中に身分の高い武家にいる
いじめっ子達に運悪く遭遇してしまい、
道を塞がれてしまう。