つぶやきの部屋
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2025/04/30 00:40
ジャミルと監督生
ジャミルのオーバーブロットの真相を聞いて、監督生が思ったのは『そりゃそうだ』だった。
生まれた時から運命が決まっていて、目立っちゃダメ、勝っちゃダメ、前に出ちゃダメ、と何から何まで全部ダメ。挙句の果てに自分一人にのしかかる家族全員の運命。重たすぎて自分ならとっくに辞めてる、と表情が死んでいくのがハッキリ分かった。
「…というか、今までよく我慢してましたね」ってげんなりする監督生にジャミルが「は?」って首を傾げる。「いやだって、ジャミル先輩のユニーク魔法があれば、もっと早くにカリム先輩を事故死に見せかけて殺せましたよね?」って言う監督生にジャミルが言葉に詰まる。
「そもそも普通に嫌じゃないですか?私はテストで良い点数取って褒められたいし、勝負事に関わるなら負けたくないです。それを我慢しろって言われるだけならまだしも、自分より明らかに劣ってる奴に譲れって言われたらブチ切れます」って嫌そうな顔をする監督生にジャミルがぽかんと口を開ける。
「ジャミル先輩が、変な訳じゃないです。普通です、普通。我慢の限界がいつ来るかってだけの話です。そんなの爆発して当然ですよ。ジャミル先輩は、なんにも悪いことしてないです」ってジャミルの手をぎゅっと握ればビクッと肩が跳ねて驚いたような目でこっちを見てくるからふにゃっと笑う。
「それに、もうこの先我慢しなくていいんですよ。棚からぼたもち、怪我の功名、終わり良ければ全て良しってやつですね。ラッキーって思って喜んでおきましょうよ」ってクスクス悪戯っ子みたいな顔で笑う監督生に釣られるようにジャミルの表情がふっと緩む。
「…ああ、そうだな」って微笑んだジャミルに「ジャミル先輩も、そんな風に笑えるんですね」って楽しそうに監督生が笑うからちょっとだけ心がスっと軽くなったような気がしてるジャミルがいる。
「早速カリム先輩負かしに行きましょう」「どうやって負かすんだ?」「笑顔対決」「俺の負けだろどう考えても」「さっきの笑顔なら儚さ部門で勝てますよ」「なんだその部門。ていうかその部門だとカリムは似合わないだろ」って真面目な顔でふざけた事を話し出す監督生がいるから、一緒に声を上げてからから笑っちゃう。
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