つぶやきの部屋

閲覧数:8474

2025/06/24 19:10

元帝光🌸ちゃんの話13
元帝光バスケ部の🌸ちゃん。

ウインターカップの予選の日。黒子からのメッセージに🌸の目が見開かれた。『誠凛高校バスケ部のマネージャーとして🌸さんを登録してもらいました。観客席じゃなくて、ベンチで試合を見れるので気が向いたら来てください』ってメッセージに「ほんとに、バカなんじゃないの…?」って頭を抱えちゃう。

絶対に見に行くものかって思っていたはずなのに、決勝リーグまで進出したことや、秀徳高校との再戦のことを黒子が逐一報告してくるせいで、試合の時間が近付くにつれてそわそわしてきて「〜〜ッあぁ、もう!」って我慢できずに立ち上がる。会場について、ボールやバッシュの音を聞いて、全身で熱気を感じて、コートを照らす眩しい光を見ると懐かしさがこみあげてくる。

「バスケ、なんで嫌いになれないんだろ」って小さな声で呟いてコートの中でバスケをする黒子たちを見つめる。チームの先輩たちに背中を叩かれてじゃれ合って、試合の途中で時折笑みを浮かべる緑間の姿に、じわりじわりと言いようの無い感覚に襲われる。

チームプレーができる、誰かのために動ける。それが出来るのに、どうして。きゅっと胸が苦しくなる感覚に思わず胸元を手で押さえる。それから、軽く頭を振って邪念を落とす。誰かのせいに、するな。あれは、私が何ももっていなかったから、ああなってしまっただけだ。誰かの、せいじゃない。そう言い聞かせないと、おかしくなりそうだった。

試合の展開が進んで、黒子にボールが回ってくる。いつものようにパスを回すのかと思ったが、黒子はそのボールをキャッチした。ボールを持った状態で、ミスディレクションは使えない。黒子が、ボールを持ったままできることは、無いと言っても過言ではないはず。

「それなのに、どうして…」って驚く🌸をさらに驚かせたのは、その直後に黒子が披露した消えるドライブ。緑間とて完ぺきではない。1on1で抜かれることはあれども、一歩も動けないなんてことがあるのか。すごい技のはずだった。すごい技のはずなのに、🌸の心はどこかざわついていた。

何が、と言われると分からない。漠然とした不安と、強烈な違和感。それでも、試合は止まらない。どんどん進む試合と、刻々と減っていく試合時間。🌸が覚えたはずの強烈な違和感は、試合の展開と共に頭の片隅に追いやられて、姿を消した。




prev / next

topつぶやきの部屋

ALICE+