つぶやきの部屋
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2025/07/01 15:20
元帝光🌸ちゃんの話16
元帝光バスケ部の🌸ちゃん。
「一人増えても大して変わんないわよ」と、相田に言われあれよあれよと言う間に連れてこられたのは温泉。どうしてこうなった、と思いながらも温泉に罪はない。「ふぁ…きもちぃ…」って目を閉じて暖かいお湯に浸かった🌸は、ゆっくりと息を吐いた。
温泉なんて、いつぶりだろうと思いながらぱしゃりとお湯を肩にかける。男湯から聞こえてくるにぎやかな誠凛の皆の声に「元気だなぁ…」って思っていたけれど徐々に様子がおかしくなってくる。「アイツらも、よくあんなくだらないことで盛り上がってたな」って苦笑いをしながら湯船から出る。
脱衣所で出会った相田に「どうやって女湯を覗こうかって、超盛り上がってましたよ」って告げ口をすれば「あんのバカ共…!🌸ちゃんも他のお客さんもいるってのに何考えてんの!?」って般若の顔で男湯に向かっていくから「ご愁傷様です」って静かに手を合わせる🌸がいる。少しして聞こえてきた悲鳴にクスクス笑いながら体を拭く。
濡れた髪の毛をタオルで拭いて、さっとドライヤーをかける。持ってきていた薄手の長袖を着て、外に出れば冷たい風が頬を撫でて火照った体がゆるやかに冷えるのが分かった。「んん…っ、」って背中を伸ばすように腕を上げれば、ぱきっと背中の骨が鳴る音がした。
ベンチに腰掛けて空を見上げれば、満天の星。「すっご…」ってぼうっと空を見ていれば、冷えすぎてしまったのか体が震えてくしゃみが出る。「ふえ、っくし…っ、」ってくしゃみをした🌸の肩にばさりとかけられた真っ黒なジャージ。ふわりと香った匂いと、聞き馴染みのある声にハッと顔を上げた。
「何してんだよ」「あお、みね…」「んな格好してっからだろ」「お風呂上がりで、暑かったの」「くしゃみしてんじゃねーか」「べつに、寒いわけじゃ…っくしゅん、」って話をしながらくしゃみをすれば呆れた顔をした青峰に腕を引かれて建物の中に逆戻り。
「ちょっと…!」って声を上げる🌸に「マネージャー、やってんのな」って青峰が言うから「してないよ」って返せば怪訝な顔をした青峰が「はあ?」って首を傾げる。「…じゃあなんでここにいんだよ」って言う青峰に「いや…成り行き、みたいな…」って🌸が返すから益々分からない。
「…ま、なんでもいーけど」って言いながら自販機で飲み物を買った青峰が🌸に向かって買ったものを投げる。「うわ、」「やる」「へ、なんで…」「間違えたから」「…無理があるでしょ」「うっせーよ」って手の中の暖かいミルクティーの缶を握りしめながらクスクス笑えば、青峰はバツが悪そうにガリガリと頭を掻いた。
「…テツと、同じとこ行ったんだな」「たまたまだよ。皆が、絶対進学しないだろうってとこを選んだつもりだったんだけど」「そんなに嫌なのかよ」「え?」「チッ、なんでもねーよ」「なんで急に機嫌悪くなってんのよ…」「おめーのせいだっつの」「はい?私何もしてないじゃん」って急に機嫌が悪くなった青峰に困惑しながらミルクティーの缶をぎゅっと握りしめる🌸がいる。
「帰る」って背中を向けた青峰に「あ、ちょっと…!」って声をかければ眉間に皺を寄せながら振り返るから「これ、貸してくれて、ありがとう」って肩にかけてたジャージを渡せば、一瞬だけきょとんとしたように目を見開いてから「暑かったから邪魔だったんだよ」って乱暴にそれを持っていくから、今度は🌸がきょとんとしちゃう。
「…素直じゃないな、ほんとに」って不器用な青峰の優しさに笑みを零した🌸だったけど、優しさに胸が痛むのも事実で、唇をきゅっと噛み締める。温かかったはずのミルクティーの缶は冷たくなっていて、頬を伝った涙がぽたりと缶の上に落ちた。
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