息はまだ整ってないけど。それでも、伝えたいことがあるから。

「く、黒尾くんと…!話せなくなるのは…いや、っ!」

「お、おう?」

「黒尾くんに、か、彼女が、できるのも…いや、きゃっ!」

不意に腕を引かれて、温かい何かに包まれる。

「ほんっと…そういうのって、俺が言うもんじゃね?」

「く、くろおく…」

「美月、好きだよ」

「〜っ!は、はい…」

「返事は?」

「わ、わたしも…す、き…」

突然呼ばれた名前と、抱きしめられていることに何も考えられなくて。それなのに、自分でもびっくりするくらい、自然に口から零れた。

2017/4/15 執筆


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