ゲームと拗ねる彼と策士(?)な私

「無理…しんどい…すき…」

画面に映る私の推しキャラは今日もかっこいい。思わず携帯片手にうっとりする。隣では至がゲームをしていて、いつもの様に暴言を吐いてる。

「ほんとすき…抱いて…」

「渚ー」

「なにー?」

「お前さあ…彼氏目の前にしてそーゆーこと言う?」

「はい?」

いつの間にかコントローラーを置いてこっちを見ている至は何だか機嫌が悪そうで。至の口ぶりから察するに私が原因何だろうけど心当たりが全くない。

「なんで怒ってるの?」

「自覚なしかよ」

「なんか言った?」

「はあ…」

「私なんかした?」

「した」

「ええ…全然わかんない…」

「ほんとムカつく」

「えっ…ごめん」

「俺よりソイツの方がいいの?」

「………はい?」

「俺には抱いてとか言ったことないくせにソイツには言うんだ」

「…ヤキモチですか。至さん」

「…………だったら何?」

「ふふっ、至可愛い」

「ムカつく」

「至が一番だよ?」

「知ってる」

「でしょ?」

「でもソイツに抱いてって言ってるのはほんとにムカつく」

「じゃあ言わないようにする」

「ん、そうして」

「だから代わりに至に言うね」

「ん、………ん?」

「至、だいすき」

「俺も、だいすき」

2017/08/02 執筆

ALICE+