「コナンくん、デート行こうか」
「…へ?」
「「え、えええ!?」」

私の突然の言葉に新一はキョトンとした顔。蘭ちゃん、園子ちゃん、梓ちゃんは絶叫。安室さんは目を見開いていた。案の定、良いリアクションを貰えたことに内心ほくそ笑みながら「ね?行こうよ」と新一に追い打ちをかける。突然何言い出すんだ、と言わんばかりの目をする新一に口角が上がる。そんな私の表情を見て安室さんが小さく肩を竦めてふっ、と笑う。あ、この人私が楽しんでることに気づいたな。

「ぼ、僕用事思い出したから行くね!」
「あら。振られちゃった」
「ちょ、ちょっとなまえさん!コナンくんとデートって…」
「まさかなまえさん…ショタコンなの!?」
「まっさか〜。ちょっと揶揄っただけ」
「な、なんだ…びっくりした…」

ピョンと椅子から飛び降りてポアロを飛び出した新一にクスクス笑えば女性陣の驚く声。新一を揶揄ってるのもあるけど、この子達のこの反応見たさにいたずら仕掛けてるってのも一理あるのよね。なんて口には出さないけど、心の中で思いながら笑う。ま、カウンター越しに立つ安室さん、というか降谷さんは気づいてるんだろうけど。

「じゃあ…安室さん。私とデートしましょうか」
「「…へ?」」
「おや、嬉しいお誘いですね。ぜひ、お願いします」
「やった。じゃ、今夜夕食でもどうですか?」
「わかりました。後でお迎えに行きますね」
「わーい。待ってまーす」
「「え、えええ!?」」

私が女性陣を揶揄って楽しんでいる事に気づいてる安室さんに言葉のボールを投げる。きちんと手元に帰ってきたボールにさすが、と思いながら言葉のキャッチボールを繰り返す。何度かラリーが続いて、私が手元に戻ってきた言葉を飲み込んだ瞬間、二度目の絶叫が響く。


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