ある時は、



「あ!槍バカ発見!」



またある時は、



「あ、米屋!」



そしてまた、



「弾バカ槍バカコンビだー」





先日、米屋の告白が成功し、付き合うことになった梓と米屋。


最近まで『湊川』と呼んでいたそれを『梓』と呼ぶようになった米屋に対していつまでたっても『槍バカ』『米屋』と名前を呼ばない梓。


出水にもからかわれ限界に達した米屋はある日、すれ違った梓を空き部屋に引っ張りこみ壁に押し付けた。



「なぁ、梓」
「っ、なに?」
「お前さ、いつになったら俺の名前呼んでくれんの?」
「い、つだっていいじゃん」



すっと細められた米屋の目に見つめられどもる梓。




「そろそろ限界なんだけど?」
「〜っ!そ、れやだっ」



狙っているのか耳元で話す米屋。何かが背中を這うようなぞわぞわっとした感覚に目を瞑る。



「梓…」
「っ!」



最早楽しみ始めた米屋はわざと梓の耳元で名前を呼ぶ。



「ほら、言ってみろよ。陽介って」
「ひゃっ…!」



そう言って耳にキスをした米屋。


潤んだ目と頬だけでなく顔全体を真っ赤にする梓が米屋のスイッチを入れた。



「梓、ほら」
「〜っ、よう…すけ」
「聞こえない」
「っ!よ、陽介!」
「よく出来ました」
「ちょ、ま、んっ…」


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