ねえねえ弔くん


※敵連合夢主※なんか皆アホ


〜〜〜


「いーなー!私も行きたいー!ねえ弔くん私も行きたい!」
「お前はダメ」
「なんで!ねえなんでー」
「お前行ったら殺すだろ」
「殺さないよ!」


死柄木弔率いる敵連合のアジトでは、明後日に控えた雄英高校林間合宿襲撃に向けて、開闢行動隊の計画が練られていた。そんな中、名前は死柄木に縋り付いていた。理由は至極単純、自分も明後日の襲撃に参加したいというものだ。

林間合宿の襲撃が決まったその日にメンバー候補から外された名前はその日からずっと文句を言っていた。そしてそれは今日も変わらず、死柄木の背中に張り付いて文句を言っている。


「むぅ…ひぃちゃんも何とか言ってよー」
「弔くん!私も名前ちゃんと一緒に行きたいです!」
「ほら!ひぃちゃんも私と一緒がいいって!」

「うるせえ…おい黒霧、このアホ2人何とかしろ」
「…何とか、と言われましても」

「ねえねえ弔くん聞いてる?」
「全然聞いてくれません!意地悪です!」
「ほんっと、うるせえな…」


トガと二人で騒ぐ名前に死柄木は首筋をガリと掻く。目の前でグラスを拭く黒霧に視線を送れば、黒霧は一度名前達に目を向けてから言葉を濁した。

表情は分からないが確実に面倒だと思っているであろう口調に死柄木が苛立つ。それを気にもせずに名前は死柄木の背後から腕を回して抱きつくようにして文句を言う。


「じぃくんもだぁくんも行くのに私だけお留守番はやだー!」
「…黒霧、あいつら迎えに行く時こいつ連れてけ」
「良いのですか?」
「連れてくまで文句言うだろ。このアホ」
「行っていいの!?」
「ただし、絶対攻撃はするな。ただ黒霧の隣立ってろ。それができるなら、だ」
「できる!できるよ!やったー!黒くんよろしくね!」


やだやだと騒ぐ名前に死柄木は大きなため息をついて妥協案を口にする。戦いは一切禁止。ただ黒霧の隣に立っているだけ。それでも作戦に加えてもらえることになった名前は両手をあげて喜んだ。

弔くん好き!と抱きついてくる名前を容赦なく引き剥がして死柄木は再度ため息をついた。面倒だ面倒だとは思いながらも名前を強く突き放すことが出来ない自分に死柄木は頭を悩ませていた。


「ばくごーくん、仲間になってくれるかなあ。仲間になったらなんて呼ぼうかなあ」
「可愛い呼び方がいいです!ばくごーくんじゃ可愛くないです!」

「呼び方なんてどうでもいいだろ」
「よくないよ!弔くんだけだよ!あだ名で呼ばせてくれないの!」
「いいんだよ、俺は名前で」
「むぅ…なんで!」
「お前は俺の名前だけ呼んでろ」


トガと楽しそうにこれから勧誘する爆豪の話をする名前に死柄木が不機嫌そうな顔を向ける。話題が一変し呼び方の話をしていた名前は思いついたように死柄木を指差した。

ぶうぶうと文句を言う名前の頬を片手で掴み力を込めれば唇を突き出すような形で名前は動きを止める。その顔にふっ、と小さく笑った死柄木は言葉を続けた。


「今のきゅんってしました!」
「私もきゅんってした!恋かなあ!」
「恋です!恋ですよ!名前ちゃん!」
「きゃー!ひぃちゃんどうしよう!」

「…と、仰ってますが」
「うるせえ」
「顔が赤いですよ、死柄木弔」
「うるせえ…!」
「恋、ですか」
「うるっせえ…!」


〜〜〜


ひぃちゃん→トガちゃん
じぃくん→トゥワイス
だぁくん→荼毘

です(笑)。あだ名考えるのとか苦手なのでちょっと大変でした。

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