I、アイ、愛、逢い



わたしは人が好き。
他の人もわたしが好きになる。

もちろん、憎いとかマイナスの感情からはプラスにならないけど。

何で、とか聞かないでほしい。

誰も頼んでなんかないのに、わたしたちは生まれたときからそう設定されてる。

まるで二次元の世界みたいにね。

――そう、二次元といえば、今のわたしは二次元の世界が大好き。

二次元と三次元の区別が付いてないわけじゃなくって、敢えて二次元を選んだの。

だって、二次元の人たちにはわたしたちの能力は効かないから、
わたしだけが一方的に愛することができる、唯一のものだもん。

まぁ、少し前のわたしはちゃんと現実の人に恋をしていたし、付き合ってもいた。
でもある男がその場所を壊しちゃった。

それはこちら側の自業自得であり、仕方の無いことだった。

そして今回の件。

自称、『素敵で無敵な情報屋』から、その男のことを知らされた。

「会ってみたくないか」

って。

わたしは復讐するためじゃなく、好奇心から化け物じみた強さと評判の男に会うことにした。
その人になら、わたしたちの呪縛を受けないで済むかもって思ったから。

もう、わたしは自分で自分をどうしたいのか分からなくなっているのかも――


わたしは

愛されたくて

愛されたくて


仕様がないのかも。


そして、わたしは前の居心地のいい場所から二次元に、今回はその場所を壊した人に、只逃げようとしているだけ。
まぁ、誰も「逃げたらいけない」なんて言ってないから、いいよね?

それにわたしは、――歪んでいても、なんでもいい…ホントの『愛』が知りたいだけだから。

これはわたしの只の欲望だけど、標準的な愛とかじゃなくていいから、誰かのホントの『愛』を知りたいだけなの――


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