『京治先輩面白そうな心理テストありますよ!』
「急だね」

スマホでネットサーフィンをしていると、面白そうな心理テストを見つけた。そのことを京治先輩に伝えると、少し興味を示したように返事をしてくれた。

『えーっと、とても長いパスタがあります。あなたはどれくらいの時間をかけて食べますか?』
「なに、それ」
『いいから答えてください〜』

ちなみに私も答えを知らない。心理テストで選択肢から選ぶ系のものはたくさんあるが、自分で答えを考える系のものは少ないように感じる。だからこそ、この心理テストが目に留まったのだ。

「10秒くらいかな」
『私は、そうだなぁ長いから1分とか!』
「随分長いパスタだね」
『食べるんだったらとびっきり長いパスタがいいですよ〜。じゃあ結果見てみますね』

そうして、答えのページにリンクを飛ばすととんでもない答えが出てきた。

『それは、あなたが一回のキスで満足する時間、です?え、何この心理テスト、思ってたのと違う…!』

もっとほのぼのとした答えだと思っていたのに、これはちょっと濃厚すぎる。まるで私が望んでいるみたいじゃないか。

「へぇ、名前は一分で満足するんだ」
『これ、心理テストですし!も、もうやだなぁ。違うのやりましょう』
「満足するの?」

なんだか猛禽類に狙われているみたいな、ギラリとした目で見つめられる。体の拘束はないのに、体が動けなくなるのを感じた。

『…そういう京治先輩は10秒で満足するんですよね?』
「するかどうか試してみる?」

じわじわと攻められている感覚。もう後戻りできない。でも、私は最後まで小さな反撃をすることを諦めたくなった。

『わ、私、10秒でも精一杯なんです!それを1分なんて言ったら…溶けちゃいます…』

弱弱しくつぶやくと、京治先輩の動きが止まった。

『だから、…ダメです』

耐えられなくなって視線を逸らしても、京治先輩は再び私の元へ近づいてくる。そして、赤ちゃんに触れるように優しく頬を撫でた。体がしびれるような感覚に陥る。触れられただけで、好きだという感情があふれ出してしまいそうだった。

『ダメですってば…』
「こっち見て」
『それは、恥ずかしいです』
「名前」

名前を呼ばれ、体がわずかに震える。その声におもわず反応し、目線を合わせると、熱情のこもった目で私を見つめていた。

『ズルいなぁ』
「それはこっちのセリフ」

今度は両頬をその大きな手に包まれ、しばらく見つめあうと、唇が重なった。
どれくらいしていたのか正確に数えることができないほどに、夢中になった。そもそも京治先輩とのキスで余裕があるはずがなかった。

そして、空気を欲して胸板を叩くと、目を合わせながら唇が離れた。

「限界?」
『もう、溶けました…』

京治先輩の支えなしでは立っていることさえできなかった。

「これで分かったんだけど、俺、1分じゃ満足できなそう」
『も、もっと上があるんですか…!』
「いつか試させて」
『…もっと鍛えます!』

これからもっともっと鍛えなければ、京治先輩に追い付くことができない。もっと、もっと頑張らなきゃ。

2019.08.31- by ぷんぷん