プロ野球のキャンプ地。
練習場では御幸が汗を飛ばしながらキャッチャーとしての動きを繰り返している。

 一方、なまえは密かに手作りのお弁当を抱え、スタンドの端からこっそり様子をうかがっていた。

「今日も頑張ってるな……」
小さな笑みを浮かべながら、そっと御幸に近づく。

 その時、沢村も同じスタンドにいた。
「お、みょうじ! そんなところで何やってんの?」
気付かれてしまったが、なまえは小声で「内緒」と答え、御幸に向かう道を進む。

 御幸の近くまで来ると、なまえはそっとお弁当を差し出した。
「……はい、今日のお昼、食べてください」

 御幸は驚いた表情を見せた後、恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべる。
「お、俺のために……? ありがとう、なまえ」

 沢村が横でニヤニヤ見守る中、御幸は嬉しそうに弁当を受け取り、ひと口食べる。

「うん、美味しい……! なまえの弁当はやっぱ最高だな」
目を細めて笑う御幸に、なまえは自然と頬が赤くなる。

 その後、御幸は差し入れのなまえをそっと手招きし、少しだけ近くで二人きりの時間を楽しむ。
沢村は少し離れた場所から「みょうじと御幸一也……相変わらずだな」と呟くが、2人の世界を邪魔することはない。

 甘くてあたたかい時間――なまえの愛情と御幸のデレが、キャンプ地の空気をふんわり包み込んでいた。



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