遠征が落ち着き、いつもの晩ご飯の時間。
御幸はスーツ姿のまま、軽く疲れた表情を浮かべながら帰宅した。

「おかえりなさい、かずやくん」
なまえの笑顔と小さな声が、まるで魔法のように御幸の疲れを溶かす。

 晩ご飯を一緒に囲みながら、自然と将来の話になった。
「ねぇ、結婚とか考えたりする?」
なまえの問いに、御幸は一瞬言葉を止め、少し困ったように笑った。

「……結婚? 正直不器用だから、どう言えばいいか分かんねぇけど……」
少し沈黙した後、真剣な目でなまえを見つめる。
「お前としか無理だろ。ずっと一緒にいたい」

 不器用ながらも真っ直ぐな言葉に、なまえの胸はドキドキと高鳴る。
「……かずやくん……」
思わず小さく呟くと、御幸はそっと手を伸ばし、なまえの手を握った。

「お前が笑ってくれるなら、俺はなんだって頑張れる」
その手の温もりと優しい瞳に、なまえは心から安心し、自然と涙が滲む。

「私も……かずやくんとなら、ずっと一緒にいたい」
甘く頷き合った瞬間、御幸はなまえの額にそっとキス。

 不器用だけど真剣なプロポーズ――二人だけの夜は、甘く穏やかに包まれていった。



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