新婚生活が始まって数日。
夜、二人きりのリビングは柔らかな灯りに包まれていた。
ソファに腰を下ろした御幸の膝の上に、なまえが自然と抱き寄せられる。
まるでそれが当然のように、当たり前のように。
「……なぁ」
低い声が、すぐ耳元で囁いた。
「結婚したのにさ、全然足りねぇんだけど。俺、どんだけお前のこと好きなんだよ」
呆れたように吐き出した言葉は、けれど熱っぽく、真っ直ぐで。
すぐに触れる唇、離れないキス。
ひとつじゃ足りないとばかりに重ねられて、なまえの胸が熱くなる。
「かずやくん……もう十分すぎるよ」
照れながらもそう返せば、御幸は子どもみたいに眉を寄せて、さらに抱きしめを強める。
「足りねぇ。永遠に足りねぇ」
「……そんなに?」
「そんなに、じゃねぇよ。もう俺、お前以外見えねぇんだから。ずっと、ずっとお前だけ」
息苦しいほどの愛情をぶつけられて、胸がいっぱいになる。
重すぎるくらいなのに、なぜか心地よくて、幸せで、笑みがこぼれる。
「わかった。じゃあ、ずっと一緒にいてあげる」
軽くそう返したなまえに、御幸はふっと笑って、また長いキスを落とした。
「……当たり前だろ。お前はもう、俺の奥さんなんだから」
二人で笑い合うリビング。
重なったぬくもりの中で、甘い時間は永遠に続いていく。
――これからもずっと、離れない。
そう誓うように、互いの腕の中で夜は更けていった。
捕手の恋心、ストレートで。
永遠に足りない
永遠に足りない