決勝戦、相手は強豪薬師高校。
試合は緊迫したまま最終回へ。
ゾノの鋭い打球がショートの頭上を越え、鮮やかなヒットに。
春市は迷わずホームを狙い、御幸も必死に追いかける。
クロスプレーの瞬間、全員息を飲んだ——。
「セーフ!」
歓声が沸き上がり、勝利への期待が一気に膨らむ。
そして最後はエースの降谷が力強く試合を締めくくった。
歓喜に包まれたグラウンドを後にしながら、御幸はどこか遠くを見つめていた。
痛みを感じながらも、強がりで笑みを浮かべる。
「俺は大丈夫だから……でも、ちゃんと診てもらう」
その言葉に、なまえは少しだけ強引に彼の腕を掴んだ。
「強がらないで。無理しちゃダメだよ、一也くん」
御幸はふと顔を見上げて、照れたように微笑む。
「お前にはいつも甘えてばかりだな」
「これからはもっと甘えさせてね」
二人の手が重なり合い、暖かさが心まで届く。
不安を隠そうとする御幸のそばで、なまえは全力で支える覚悟を固めていた。
「私がそばにいるから。何があっても、一緒に乗り越えよう」
御幸はその言葉に、目に小さな光を灯した。
勝利の余韻と、これからの困難を共に歩む約束。
二人の絆は、さらに強く結ばれていくのだった。