※やらしい話




ついこの間まで「何にも知りません」って顔してたくせに。

数時間前だって、ぬくぬく育てられた飼い犬みたいなツラで風呂上がりのアイスを食ってたってのに。

なのにコイツは、ひとたび服を脱げば別人のようにベッドで色っぽい鳴き声をあげ、艶やかな表情でオレを見上げる。

他の誰ひとり知らない。惚れた女のこんな姿を知っているのは世界中で自分だけ。その事実がたまらなく心を疼かせる。この先もオレ以外の指なんか知らなくていい。知る必要もない。

染まっていく柔らかな肌に指を這わせながら、今日もそう思った。



何度も何度も、組み伏せた身体を飽きることなく揺さぶり続ける。

仰向けに寝転がったなまえはふいに枕を掴んでいた手を解き、ベッドについていたオレの左腕をそっと撫でた。さっきより緩やかに、でも動きは止めずに身体をより密着させ、半開きの小さな唇を塞ぐ。体重をかけすぎては重いだろうと横向きに体勢を変えると、なまえは背中に回した腕に力を込め、オレを挟み込むように片足を腰へ絡めてきた。



「なぁに?」

となまえが聞いたのは、オレが急に笑い出したことに対する問いだろう。

なまえの目は色気を孕んだ伏し目から、いつもの様子をうっすら取り戻していた。それはそれで、官能的な雰囲気に昼間のリアルが入り込んでなんかエロい気がする。

「いや、いつからこんなことする子になったんだか、ってな」

「んっ」

なまえの尻をぐいっと持ち上げ、さらに隙間を埋めると、甘い息を吐き出したなまえが身体を震わせた。

「だれのせいよ」

決まってる。

「……オレ、しかいねえか」

「そーだよ。なにその顔、反省しなさい」

そう言ってなまえは、ナイトライトの薄ぼんやりした明かりでもはっきり分かるくらいムッとして、にやけ面したオレの肩を甘噛んだ。



(全て愛と呼ばせて)





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