「うああああああああああ!!!」



呼吸が乱れている。
冷や汗が震え止まらない。


私に何があった?
何で寝ていたんだ?
前後の記憶が全く思い出せない。




そして



「どうして私はベッドの中に...」





――――あれは、夢……?







「起きたか?」



突然隣から声の低い男の声聞こえ、無意識に体がビクっと反応した。
声のする方を振り返ると見た事の無い男が、横になっていたベッドの近くにあった椅子に腰を掛けこちらを見ていた。


「貴方は…?」
「…覚えていないのか。まあ無理も無い…」



男は立ち上がると此方へと歩みを寄った。


「俺の名はアイゼン。この海賊船の副長をしている」
「海賊船……?」



そうか…、あの時無我夢中で
町の人と親友と一緒に船で逃げて来たんだ…。



「……町の人は…ッ!?私と一緒に居たマリベルを知りませんか!?」

「残念だが、お前を助けた時、周りには誰も居なかった。目にしたのは漂流していた木材だけだな」

「そうですか……」



さっきの夢で頭が混乱し男の名前を思い出せなかった。
しかし何処かで見た事のある。

後ろに上げた艶のある黒髪、不健康そうな肌に不釣合いな蒼い眼。
自分の考えてる事を読まれていそうな、その眼で私を笑うその男。


―――この男があの出来事と関係している?





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