Memo

▼2025/04/03:昔の

忘れんように
2019年?
 人の首に真一文字の傷を施してやったのは、覚えで十一の時だった。初めての殺人に抵抗感は口笛を吹き、恐怖感は喚き散らさなかった。人殺しの達人である自分が産声を上げた瞬間である。
 人を殺す異才があると自覚が芽生えるのは遅かったが、備わってしまった才能を活かす機会に私は恵まれてしまった。本来起きることなく眠り続けるはずだった才能は、時代と機会がそれを腐らせることを容認しなかった。時代は私に機会を与え、与えられた機会によって才能は育てられたのである。

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