あれから何時間経ったのか。この部屋に飛び込み、あれこれ押し問答をして、そうして二人ベッドに倒れ込んだときは、少なくともまだ夕陽が差し込んでいる頃だったはずだ。
けれど今窓から見える空は闇に染まり、そしてさらにその奥の方は薄く白んでいるのが見える。もしかしなくてもあと少しで夜明けを迎えてしまうのだということは、すっかり機能しなくなったナマエの脳内でもなんとか認識することはできた。
もはや指の一本も動かせなかった。ほとんど休憩を挟まず行われた行為にナマエの身体は限界寸前で。けれど身に過ぎるほどの快楽を与えられたせいか、そのまま意識を落とすことも叶わず。動かぬ身体をベッドに突っ伏したまま、ただひたすらに白む空を横目に見ることしかできなかった。まるで意識だけが身体から分離したかのようだ。
「ナマエ」
名を呼ばれる同時に腰が持ち上げられる感覚に、ナマエは驚いたように後ろを振り向く。自身の肩越しに見えるライムの顔は涙でぼやけた視界ではっきり見ることは叶わなかったが、こちらの声を聞く気が一切ないのだということだけは理解できた。
「ま、っら、いむ…ッ」
動かないと思っていた身体は、やはり窮地に陥ると最後の力とやらを振り絞るらしい。投げ出されていた四肢を奮い立たせ、自身の腰を掴むライムの手を慌てて掴んだ。
「も、無理、だってぇ……」
「……あと一回」
「っそれ、さっきも言って、た、ぁ、あ、ああぁ……ッ!♡」
秘部に熱くぬめる屹立が押し当てられ、制止の言葉も虚しく中へと入り込んでくる。何時間も続けられた行為でその形に慣れた中は一切拒否する様子を見せず。むしろ馴染むように包み込んでいく。
「ひ、…っ、む、りって、…も、つらい…ッ」
「っは…んな冷てェこと言うなよ…」
「んぁ、あ…ッ♡っ、う、んぅう…♡」
もはや精神はとっくに限界を超え、身体の節々も鈍い気怠さと痛みを訴えているというのに。それでも軽く腰を打ち付けられるだけで悦びに震え、ねだるように背を仰け反らせてしまう己の身体を、ナマエは頭の片隅で恨むことしかできなかった。
「ん゙、い…っ!」
仰け反る背中を追うように上体を倒したライムは、腰を掴んでいた手を前へと回しナマエの身体を抱き寄せ。汗ばんだ肌へ柔く噛みつきながら、もういくつ目かも分からぬ痕を残していく。
「あ゙ー…ナマエ、こっち向け」
「ん、んん…っ!」
返事を聞く前にライムはナマエの顎を後ろから掴むと、そのまま乱暴に唇を重ねた。ゆるりと入り込む舌はあっという間に口内を蹂躙し、ナマエの身体を追い詰めていく。
「は、ああ、ぁ、いむ…♡」
「っん、ぁ…?」
「あ、も、い、いっちゃ、あ、んあぁ…っ!」
送り込まれる唾液を嚥下しながら、呼吸の合間に必死に限界を伝える。涙混じりの訴えをする唇をようやく解放すると、ライムは腰の動きを早くしていく。
「ん、俺も限界…ッ」
「っひ、あ゙ぁっ♡あ、あ、──ッ!」
先端が抜ける寸前まで引き抜き、すぐに奥へと突き入れる。散々突かれた子宮口は穿つ先端を簡単に飲み込み、ナマエの身体を幾度目かの電流が駆け抜けた。
「っ、──ひゅ、…♡、ッ♡♡」
上手く息が吸えていないのか、ナマエの喉は掠れた音を出すことしかできず。ぐっと引き攣る音に合わせ、秘部からは、ぴしゃっと小さく潮が噴き出す。けれどもう何度目かも分からないそれに勢いはなく。ナマエの内ももを、まるで漏らしてしまったかのように伝っていくだけだった。
「…おい、ナマエ?」
「……」
問い掛けに返事はない。まさかと思い突っ伏す肩を掴み向きを変えてやれば、案の定ナマエは気を失っているようだった。それでも中は相変わらず痙攣し屹立を締め付けている。
名残惜しさを感じつつ引き抜けば、奥から溢れた蜜と潮が屹立に絡み、秘部との間を糸で繋いでる。その光景にライムの中に一瞬熱がぶり返しそうになるも、萎えたものが再び勃ち上がることはなく。避妊具の先端に吐き出された精液にも粘度と色味がほとんど無いことから、文字通り限界まで出し切ったのだと、我がことながらライムは苦笑せざるを得なかった。ここまで付き合ったナマエは相当しんどい思いをしただろう。
「はぁ…もうちっと気張るか…」
めったに感じない身体の重たさに、いますぐナマエの隣で眠りたくなる衝動に駆られるが、声に出すことでなんとか自身を鼓舞し。体液に塗れた身体を拭くためライムは洗面所へと向かった。
暗闇の中から呼び起こされる感覚に抗うことなく、ナマエはゆっくりと瞳を開く。柔らかな温もりと目の前に広がる肌色に寝ぼけた頭は一瞬状況の理解が遅れるも、すぐに少し頭上で聞こえた唸るような寝息で、すべての記憶が呼び起こされた。
ゆるりと視線を上げる。普段寄っていることの多い眉間のしわを今ばかりは無くしどこか穏やかな様子で寝息を立てるライムは、おおよそ昨晩ナマエの身体を好き勝手に貪っていたとは思えないほど静かなものだった。
そこはかとなく気怠い身体をなんとか動かす。ライムの向こう側に見える窓の外はすっかり明るくなり、太陽の光がレースカーテン越しに部屋の中へと薄く降り注いでいる。けれどその光がどこか柔らかいことから、記憶の最後にある白んだ空からはまだわずかな時間しか経っていないことが何となくだが分かった。ライムが起きる様子もないことも踏まえると、時間的にはおそらくまだ早朝なのだろう。
もはや寝たといっていいのか分からない時間ではあるが、すっかり早起きに慣れた身体が、朝日を浴びた以上もう一度眠ることを許してくれそうにはなく。ナマエは仕方なく太い腕を退かしベッドから抜け出した。
「…水…と、お腹減った……」
きょろりと部屋を見回し、とりあえず棚に置かれた水のボトルを手に取る。乾燥した喉から吐き出した声はわずかに掠れ、小さな咳が共に飛び出す。合間に水は飲んでいたとはいえ、やはりあれだけ声を出せば掠れてしまうらしい。
はじめの頃はそれなりに我慢していたものの、それに気が付いたライムが声を出せと手を押さえ。それでも唇を噛み締めれば、お仕置きだと言わんばかりに暴力的な快楽を与えられ。最後には閉じることも叶わず、こぼれる唾液と共に声を漏らすことしかできなかった。意地を張った自分も少し悪いとはいえ、あれは少々辛かった。
けれどそんなぎりぎりの声に反して、身体はそこまでのダメージを負っていないらしく。多少の怠さを抱えながらもこうして起き上がり、ゆっくりとはいえ歩くことができた。これも普段の船仕事の賜物だろうか。本来こういうことのために使われるべき体力ではないのだろうが、とりあえず今だけは感謝したいと思う。
とはいえ今は無事なだけで、今後少なからず身体に影響が出る可能性はあるだろう。そしてそうだとすれば、それは明日以降のはずだ。無理した結果が身体に影響を及ぼすのに時間がかかるのは歳を取った証拠だろう。船にいると忘れがちだが、ナマエも四捨五入すれば三十に近い。世間的には決して年寄りではないが、それでも若いというには難しい年齢だ。
ボトルの水を半分ほど飲み終えたとき、ナマエはふと壁に掛けられた鏡を見た。水の置かれた棚とセットの調度品らしく、身支度を整えられるよう壁掛けの割にはそれなりに大きい。少し後ろに下がれば、ナマエの臍の少し下程度まで見えるサイズのものだった。
「う、わ…」
気怠さも相まって気にしていなかったが、今の彼女は下着はおろか衣服を何一つ身に着けていない。そのため生まれたままの姿が鏡には映し出されているのだが、見慣れているはずの己の身体に、ナマエは頬を引きつらせた。
首、肩口、二の腕や、鎖骨に胸。その下にもおびただしい数散りばめられた、鬱血痕に噛み痕。腰と内ももにはそれに加え手形までも付いていた。背中側もおそらく同じ状況だろう。そのいくつかは、小さいとはいえ傷になっているものまである。
これでは普段のようにシャツの胸元を大きく開けることはできないだろう。なら閉じればいいと言われそうなものだが、あからさまに隠してしまえば、何をしていたのかなど一目瞭然で。生温かい視線にさらされるのは避けたかった。二人で宴に参加していない時点で何をしていたのかなど既に全員察してはいそうだが。
少しは加減しろ馬鹿、と未だ気持ち良さそうに眠りこけるライムを睨みつつ。とりあえずこの光景から目を逸らしたいナマエは、昨晩取り払われたシャツを探す。
「……無い」
けれど乱れたベッドの上、クローゼットの中、床に落ちているかとも部屋を見回したが、どこにもその姿はなく。代わりとばかりに先ほどから視界の端にちらついていたのは、昨晩散々ナマエを悩ませた、あの赤いシャツだった。
結局ナマエが最後まで脱がせられなかったそれは、ライム本人が雑に脱ぎ捨て。今は眠る彼の足元、ベッドの隅に無残にも追いやられている。
見当たらないのなら仕方ないと、ナマエはその赤いシャツに手を伸ばす。が、寸前のところで手を止めた。
全裸で佇みシャツを見つめる。なんとも間抜けな光景ではあるが、素直に着られない理由のような、葛藤のようなものがナマエの中にはあった。セックスの後に男の服を着ている、なんて。そんなの"いかにも"感がすごいじゃないか。
けれどこのまま全裸で自身のシャツを探していては、いつライムが起きてくるかも分からない。見られるのはもはや今さらで無駄な足掻きなのかもしれないが、それでもこんな明るい場所で、意識がはっきりした状態ですべてをさらけ出すのは避けたかった。
全裸よりはマシ、全裸よりは。そう自身に言い聞かせながら、結局ナマエは赤いシャツに袖を通し、胸の下辺りまでボタンをとめた。着てみれば、大きいおかげで太ももの半分くらいまでは隠してくれるのがありがたい。
とりあえずこのまま軽くお腹を満たし、ライムが起きてくる前にシャワーをさっさと浴びて、タオルでも巻きながら改めて自分のシャツを捜索すればいいだろう。
余る袖を雑に捲り上げながら、ナマエは昨日から床に放置したままの荷物の元へと向かい、乱雑に置かれた中からひとつ、小さな袋を手に取った。それはここ最近大通りにできたという有名な菓子店のもので。その中でも一番人気のフィナンシェの詰め合わせだ。せっかくだからルウへのお土産にしつつ、船でゆっくりするときのお供にでもしようかと買っておいたものだった。
それをここで食べてしまうのは少し勿体ない気もするが、先日カフェで食べて以降なにも口にしていない今の状態では、勿体ないだとか、もうそんなこと気にしているのも馬鹿らしく思えた。
ナマエは可愛らしくラッピングされた箱を棚に置き、それでもせめてとばかりに丁寧に開けていく。蓋を開け、数種類のうちアールグレイの茶葉が乗ったひとつを食べれば、口内には一気に甘い香りが広がり。空腹と疲れでくたくたの身体に染みわたっていった。
ほう、とようやく一息ついたナマエはもうひとつと、今度はレモンピールが乗るものへと手を伸ばす。
その時だった。
「なにしてんだ」
肩に重みを感じると同時に、低い声が耳元で響く。大袈裟に跳ねる身体の前へゆるりと二本の腕が回され、背中に温かさを感じた。
「ら、ライム…」
「腹減ったのか?いいもん食ってんじゃねぇか」
思わず落としそうになったフィナンシェをナマエの手ごと掴んだライムは、そのまま自身の口元まで持っていき、躊躇することなく一口で食べてしまった。同じ味無いんだけどという文句は、最後にぺろりと指先を舐めていった舌の熱さに、すっかり喉の奥へと引っ込んでしまう。
「ん…美味ェなこれ。レモンか?」
「う、うん…そう……」
「へー」
動揺するナマエをよそに、ライムは「俺にも水くれ」と置いていた飲みかけのボトルにも手を伸ばす。耳の近くで響く喉がごくごくと上下する音に呼応するように、緊張からかナマエの心臓もどくどくと跳ねている。
「お前昨日嬉しそうに選んでたもんな。…でも、船に帰って食うって言ってだろ。ここで食っちまってよかったのかよ」
「そう、だけど…お腹減ったし……」
「あー、そういや昨日からなんも食ってねぇしな。…あとで買いに行くか」
「う、んぇ…あ、ちょ、ちょっと…!」
まるで普段のような会話をしていたことに少し気が緩んでいたのだろうか。ライムの手が怪しく動いていたことに気付くのに、ナマエはほんの一瞬遅れてしまった。
「ライムっ!なにしてっ、んあッ!」
いつの間にか胸元からするりと差し込まれていた手が、迷うことなくナマエの胸へと触れる。下着も付けていなかったそこはすぐに捉えられ、ぐにゅりと揉まれてしまう。
抗議の言葉を紡ごうとするも、それを遮るようにライムの指先がゆるく勃ち上がり始めた突起を摘まみ上げる。途端に変わる甘い声にライムは口角を上げた。
「それで?ナマエちゃんはなんで俺の服着てんだ?」
柔い胸を好き勝手に揉む手はそのままに、空いた手がぷちぷちとボタンを外していく。胸の下までしか止めていなかったせいであっさりすべて外されてしまい。弄ばれる胸元が再び明かりの元へとさらされた。しかも目の前には、さきほど自身の身体の惨状を見せつけてきた鏡がある。大きな手で形を変える胸を見せつけられ、卑猥なその光景にナマエの頬には一気に熱が集まっていく。
きちんとボタンをとめておけばよかったとナマエは今さらになって後悔する。結局こうしてすべて外されてしまうだろうからそれも意味はないのだろうけれど。気持ちの問題だ。
「なァ、なんで着てんだって」
「っや、ぁ…!」
指先が突起の先端をくすぐり、硬くなったそこをほぐすように根元からくにくにと揉まれる。直接的な刺激に反応する身体は簡単に押さえ付けられ逃げることも叶わない。
返答を促すように、ライムはこうべを垂れたナマエのうなじへと舌を這わせる。焦りからかほんのり汗をかいているようで。舌先にわずかなしょっぱさが滲んだ。
「だ、だって、私の、見つからなくて…、っ」
「あ?俺昨日椅子に掛けといたぞ」
「ん、ぁ、うそぉ…っ!」
言われて、ナマエは視線をわずかにそちらへと向ける。けれど椅子の背もたれにはライムの上着が二枚掛けられている、というより乱雑に置かれているだけである。
けれどこんなところで嘘を言っても仕方ないから、それは本当なのだろう。ならばあの上着の下に隠れていると考えるのが妥当か。知った所でもう意味はないのだが。
舐められるだけだったうなじに柔く歯が立てられる。身体中に残る歯形を思い出し、ナマエの背筋にぞわりと鳥肌が立つ。それが噛まれる痛みへの恐怖なのか、それとも昨晩散々与えられた快感を思い出してなのか。どちらなのかは分からなかった。
「っ、ひ…!」
勃ち上がった屹立がナマエの尻たぶへと擦り付けられる。肌に触れたその生々しい温度と質感に驚き思わずそちらを見れば、何故かライムは何も身に着けていなかった。
そういえば、見慣れた灰黄色のパンツは寝ていたベッドの端にこの赤いシャツと共に追いやられていた気がする。そんなことにも気付けないほど動揺していたらしい。
少しでも逃げようとナマエは目の前の棚に縋るように倒れ込み、赤くなった顔を腕でうずめ隠す。けれどそうしたことでより腰を押し付けるような体勢になってしまい。これ幸いとばかりにライムはそこへ覆い被さると、尻たぶへゆるゆると屹立を擦り付けながら、今度は両手で胸を揉み始める。
左手は胸全体を揉みしだきながら、突起を根元から摘まみ上げ軽く押し潰し。右手は先端を爪で柔く引っかいている。ぐにぐにと形を変えながら質の違う快感を与えられ、ナマエはいよいよ抵抗も、嬌声を抑えることもできなくなっていた。
「あ、ま、まって、あ、ぁ…!♡」
「男の服着てるのとか、正直あんま興味なかったんだけどよォ…」
「っんあ、ぁ♡あ、ぅ、んうう、っ♡」
「実際お前が着てンの見ると、やべェな。……俺の、って感じして、すげェ興奮する」
「あ゙ッ…!♡」
言いながら、ライムはそれぞれ違う動きをしていた両手で、突起をぎゅうっと摘まみ上げた。痛みをわずかに感じるような強さにもかかわらず、ナマエは大きな声を上げ。びくびくと腰を跳ねさせながら軽く達してしまう。
「っ、ぅ…、♡」
小さく震え脱力する身体を支えながら、ライムはするりと右手をナマエの下半身に滑らせる。もどかしそうに寄せられていた柔らかな太ももを割り開くと、蜜を垂らす秘部へ中指と薬指を二本、躊躇なく差し入れた。
「ひ、ぁッ!♡」
昨夜は逐一気を遣うような手付きだったというのに、今は勝手知ったるとばかりに中へと入り込み。ぬかるむそこを広げんと動き始める。
二本の指は中を確かめるように動いた後、太い一本の棒のように姿を揃え、壁を抉るように擦り上げていく。
「あ、ああぁっ!らいむっ、や、ん゙あぁッ!♡」
びくびく跳ね、淫靡にくねる腰。その身が厭らしく動く様は散々見たというのに、自らの大きなシャツに隠されたというだけでこうも欲を煽られるのか。痛いほどに張り詰めた屹立の先端からは、早くこの身体を蹂躙しろとばかりに透明の粘液が溢れ出している。
手を挟み込む柔い肉の心地良さを密かに堪能しながら、ライムは指の動きを速めていく。散々虐めた腹側のざらつく場所を撫でてやりながら、親指と人差し指でひっそりと勃ち上がる突起を強く圧し潰した。
「っあぁ!♡あ、あ゙ぁ、…ッ♡」
ぐぅっと背を丸め、額を腕に擦り付けながらナマエは達する。力いっぱい握りしめられた赤いシャツにはしわが寄り。閉じることのできなくなったナマエの口からこぼれた唾液が、じんわりと染みを作っていた。
あれほどまでに「無理」だの「恥ずかしい」だのと言っていたナマエが、たった一晩でここまで快楽を享受し、淫猥にその身を震えさせている。そうしているのが他でもない自分自身だということが、ライムをどうしようもなく堪らない気持ちにさせた。
興奮で震える吐息を細く長く吐き出したライムは、細い腰をわし掴み引き寄せると、蜜をこぼす秘部へ先端をあてがい。すぐに中へと押し込んでいった。
「あ゙、っ、ああ、ぁ♡、〜〜っ♡♡」
自らの腹の中に無遠慮に侵入する熱にあられもない声を上げながら、ナマエは身体を震わせる。握った拳には力が入り、再び快楽の波に飲まれまいと必死に抵抗しているようだった。
それでも生理的な涙ばかりは止められないようで。海のような瞳を涙で揺らめかせながら、ナマエは背後のライムを睨みつけた。
「き、昨日散々したのにっ、どうしてそんな元気なのよぉ…ッ!」
「あ゙?寝たら回復すんだろ」
「ふつ、う、しないからっあ、ああぁ…ッ!♡」
昨晩の余韻をわずかに残し、さらには指で一度達したおかげか、中は思わず息を漏らしてしまいそうなほど気持ちよく。ライムは奥歯を噛み締め耐えながら、奥へ奥へと腰を押し進めていく。
「い゙、ぁ、あ…っ♡あぁっ、は、あ、っ♡」
「はっ…やっぱお前ン中気持ちいいわ…ッ」
「っ、ぅ、んぅうッ!♡」
服をずらし、現れた華奢な肩口に顔をうずめ、汗と、それを覆う甘い香りに誘われるように噛みつき、柔い肌に痕を残す。
「ら、いむっ、噛まないで…ッ」
「やだ」
「あぅ、ふ、うぅ…ッ♡」
体躯差に加えそもそも足の長さが合わないせいで、立ったままの挿入は高さが合わず。ライムは腰をゆるゆると動かすことしかできないらしい。
けれど身体にぐるりと回された二本の手が、代わりとばかりに胸を揉み、繋がる場所の突起を弄るせいで、もどかしい快楽がナマエの身体に溜まっていき。呼吸の度きゅうきゅうと屹立を締め付けてしまう。そうして硬いそれに浮かぶ血管を柔い肉壁でまざまざと感じ、また悩ましげな声が漏れていく。
「ん゙…っあー、やべぇ…めっちゃうねってる…ッ」
「っ、い゙、言わなくて、いい、からぁ…っ、♡」
「いいだろ別に、本当のことだし…、あと、言ったら中、余計に締まって気持ちいしなァ…っ、!」
「い゙っ!あ──ッ、!?♡♡」
ライムはゆるゆると動くだけだった腰を最奥へ押し付けるように、強く一突きし。わずかに開き始めた子宮口へ先端を押し込んだ。
その瞬間、ナマエはぶわりと全身が粟立つ感覚に襲われ。あっさりと上り詰めてしまう。
「あ…っ、な、か…でて、…ッ♡♡」
腹の中に広がる熱い感覚と、耳元で聞こえた唸るような低い声にライムも達したのだと気付く。そして同時に、昨晩は始終着けていたはずの避妊具を、今は一切着けていないのだということにも気付いてしまった。
比喩などではなく、もはやセックスでこれ以上できることはないのでは、と本気で思えるほど身体を重ねたというのに。そういえば中に出されるのは初めてだったなと、ナマエはお腹にゆるりと手を添える。
皮膚を超えて掌にまで伝わると思うほど、満たすそれはひどく熱く。けれどもっと欲しいと疼くように蠢いていて。ナマエは思わず、くんっと喉を鳴らす。その瞬間、耳元でライムが小さく舌を打つ音が響いた。
「お前ほんとっ、煽るのもいい加減にしろよ…ッ」
「んぅ、あ゙…っ♡」
ライムは上体を起こし、同時に粘着質な音を立てながら屹立を引き抜いていく。ちゅぽっ、と栓が抜けるような音と共にすべて抜き切ると、秘部からは受け止めきれなかった精液が、蜜と絡まりながらナマエの太ももを伝い落ちていった。その感覚も快感として拾ってしまうのか、開いた秘部はすぐに塞いでくれとばかりにぱくぱくと開閉している。
興奮でほんのり赤く染まる白い肌に、質の違う白はよく映える。あまりに淫靡なその光景に、ライムのこめかみには小さく青筋が立つ。興奮で頭がどうかなりそうだった。
今すぐそこに指を突き差し、粘液を纏いながら広げ、アーモンドピンクのひだが男を欲して蠢く様を見たいと、心の底から思いつつ。まだ理性の残っているナマエにそれをやれば、確実に蹴りが飛んでくるだろうという未来が予想でき。それは寸前のところでなんとか止めた。
「…おいナマエ、こっち向け」
「ん…んぅ、っ♡」
代わりに、今にも崩れ落ちそうなナマエの身体を起こしくるりと向きを変えさせると、半開きの唇に噛みつくように自身のものを重ねた。
ゆるりと入り込んだ舌にも抵抗することは無く。それどころかようやく触れ合えた唇を喜びねだるように、ナマエはライムの首に腕を回す。
「は、ぅ、ん……ッ」
「ん、っう♡ん゙、ぁ、いむ…ぅん、ッ♡♡」
興奮で粘ついた唾液と共に舌を絡め、吸い上げ、ときおり柔く噛みつき、そうしてまた根元から絡ませ。鼻から抜ける甘い声に誘われるように、角度を変え何度も付いては離れを繰り返す。ようやく離れたのは首に回されたナマエの腕が、ライムの肩を叩いたときだった。
ちぅ、と小さな音を立て離れた唇は、それでも名残惜しいとばかりにほんの数センチ距離を取っただけで。少しでも動けば触れ合いそうな近さで見つめ合う。とろりと蕩けた青が熱とともにライムを見つめる。
「…ほんと可愛いな、お前」
もはや言い尽くしたと思える言葉を再び紡ぐ。それは意図したものではなく、思わず漏れてしまったような、そんな音だった。
ナマエは一瞬息を詰める。けれどすぐに眦を細めると、「ん…」と、どこか嬉しそうに口端を上げた。その顔には、もう戸惑いは残っていなかった。
互いに引き寄せられるように再び唇を重ねる。必死に縋りつくナマエの身体を背後の棚に座らせるように押し付け、膝裏に手を回しながら、細い脚を片方だけ持ち上げる。角度の変わった秘部に先端をあてがうと、息する間もなく屹立を埋め込んでいく。
「ふ、ぅっ、んうぅ…ッ!♡」
先端が子宮口を、こつんっと軽く叩いたのを感じると同時に、ライムは腰を引きナマエの身体を突き上げ始める。先ほどまでの緩慢な動きとは違い最初から激しく突き上げるその動きに、ナマエはたまらず唇を離し声を上げる。
「んあ゙ぁっ!♡ぁ、まっ、ライムっ、ライム…ッ!」
あまりの激しさに、揺さぶられる度残された片脚が床からわずかに浮き上がる。片方は持ち上げられ宙を舞い、残された片方はつま先を辛うじて床につけるのみ。もはやライムの首に回した腕が唯一縋れるものだった。
「ぁ、いむ…ッ!あ、あし、っ」
「あ゙…?」
「あし、ついてな、い♡」
「知ってる…ッ、」
「ん゙、い、ぁっ、!?……ッ!♡」
必死に訴えるけれど動くが止まることはなく。それどころかライムはそれを聞くや否や、辛うじてついていた片脚の膝裏にも手を掛けると、そのまま躊躇することなく、ナマエの身体を軽々と持ち上げてしまった。
「!?──ッ♡…〜〜ッ!♡♡」
ふわりと浮かび上がった身体はすぐに重力で引き戻され。次の瞬間には今までで一番強く、腹の奥底を突き上げられた。ライムの肩口に額を擦り付け、声にならない声を上げナマエは達する。あまりに強い刺激を乱暴に与えられた腹の奥底では、ぐぷっ、と何かがはまる音が響いていた。
行き場をなくし宙を掻いているつま先を、ナマエが耐えるようにライムの腰に回したのは、ほとんど無意識だった。ただこの暴力的な快感を少しでも逃がしたいと縋ったそれは、淫猥な音と共に互いの下半身をより密着させることとなり。腹の中の存在が脈打つ様子を、その形を、生々しく感じ取ってしまう。
じゅわ、と腹が濡れる感覚をライムが覚えたのはその時だった。汗でも、粘度を感じる蜜でもない。水のようなさらさらとしたそれは、既に互いの体液で濡れていたライムの下生えをさらに濡らしていき。ついには太ももにまで伝っていた。
「はは…ナマエお前、奥はめただけで潮噴いちまったのか」
返答はない。けれどライムの声はきちんと届いていたようで。荒い呼吸と共に、首に回された腕にはこれでもかというほど力が込められていた。互いの間で柔らかな胸が潰れ、ぐにゅりと歪む。
ライムは必死に縋るナマエの身体を抱え直すと、何故かそのままくるりと向きを変え、ゆっくりと歩き始める。一歩一歩進む度、とんっとんっと軽く突き上げられ。押し出されるようなナマエの声と共に、繋がる場所からは熟れた果実を落としたような音が響いていた。
「あ゙、あっぁ、いむ、やっ、な、でっ、ッ♡」
「ベッド行くんだよ。このままじゃお前辛いだろ……落とさねェから心配すんな」
「そういうんじゃな、っあ゙♡おく、おく、ぅっ♡♡」
「ん、奥、気持ちいいな」
「あぅう♡や゙、ぁ、ああっ♡」
自重のせいもあってか、軽い突き上げだけでも堪らないようで。歩む度ナマエは秘部から潮を噴き、飛び散った飛沫が床に点々と跡を残していた。
そうしてようやくベッドに辿り着き、この圧迫感からも解放されるとナマエはわずかに安堵する。けれどライムはナマエを寝かせることはなく。自身がベッドに腰掛けると、そのまま後ろへと倒れ込んでしまった。
抱えられていたナマエも共に倒れ込むかと思いきや、ライムの手が腰を支えそれを制し。ナマエは上半身を起こしたまま、ライムの上へと乗せられる状態となってしまう。
「っな!や、やだ…っあ゙あぁ!♡」
「おい逃げんな」
「ひ…ッ、」
いわゆる騎乗位と呼ばれる体勢にされたのだと、一瞬遅れて自身の状況を理解したナマエは、慌ててライムから距離を取ろうとする。けれど中には屹立が挿れられたままなうえ、腰も掴まれたままで。逃がさないとばかりに引き寄せられた身体の奥底で、再び先端が奥へとはまる音が響いた。
「あ゙っ…、ぅ……ッ、?♡」
どうしようもない圧迫感と、それを上回る暴力的なほどの快楽に、ナマエは内太ももをぎくぎくと痙攣させ。脚を開き、ライムの身体に跨りながら座り込むことしかできなかった。そうして自重のせいでまた屹立が奥へと入り込み、さらに快楽の波に飲まれる。どうしようもない悪循環だった。
ライムはナマエの腰から手を離すと、今度は自身の腹の上で握られた小さな手を取った。爪が食い込みわずかに血が滲むほど強張っていた手をゆっくり解きながら、その間に自らの指を差し入れていく。
絡み合う指と、すべてを包み込む大きな掌。昨日片時も離れることのなかった温かさを再び感じ、ナマエの心はほんのわずかではあるが和らいだ。
「…動けるか?」
ナマエの身体から力が抜けたことに気が付いたのだろう。ライムは努めて柔らかな声音で問いかける。
「や…も、動けないよぉ…ッ」
「大丈夫だって、支えててやっから」
聞いていおいてそれを聞き入れる気は一切無いらしく。ナマエの泣き言を一蹴したライムは、絡ませた手をいっそう強く握り締める。早くしろ、と促しているのだ。有無を言わせぬ言葉に反抗できるほどの気力など、今のナマエは残っていなかった。
眉根を寄せながら、ナマエは震える脚を鼓舞し腰を持ち上げていく。はまっていた先端がずるりと抜け、雁首がざらつく場所を掠め、浮き出た血管がうねる内壁をなぞり上げる。ゆったりとした動きでも信じられないほど気持ちが良いようで。二度の絶頂で敏感になったナマエの身体の奥底からは、重たく濁った蜜がどろりと溢れ、互いの下半身を汚していく。
「あ…っ♡ひ、ぅ…っ♡は…あ゙、〜〜ッ♡♡」
「………」
赤いシャツに覆われた柔らかな胸は上下する度に揺れ、細い腰は悩まし気にくねり、薄い腹が締め付けと共に震えている。淡く色付く狭い中を、赤黒くグロテスクなものが割り開き出入りする度、ひどく重たさ含んだ蜜が、精液と混ざり白濁としながら泡立ち、下半身へと飛び散っていく。太ももに打ち付けられる尻たぶの柔らかささえ心地よかった。
恥ずかしいと言いながらも自らの上で腰を振り、ひたすらに快楽を追うナマエの姿は、「俺、鼻血出たりしてないよな」と馬鹿げたことを本気で心配させるぐらいには、ライムにとって刺激的なものだった。喉が上下し粘ついた唾液が身体の奥に流れていく。
「お前えっろいな…」
「あ゙、っ?や、ああぁ…ッ♡も、らぇ♡い、いっちゃ、ぅ、ッ♡」
思わず呟いた言葉はもうナマエには聞こえていないらしい。必死の訴えにライムは「ん、」と一言返すと、拙い動きを助けるように軽く腰を持ち上げ、とんっとんっと数回突き上げてやった。
見開かれた瞳からぼろりと涙がこぼれ落ち、喉奥から、あ、あ、とうめきのような声を漏らしながら、ナマエは背中をぐうっと丸める。
「らいむ、らいむ…っぅ、あ゙ぁ、〜〜ッ♡」
「あ゙、やべ…、ッ」
軽い突き上げだけで、身体を大きく痙攣させながらナマエは再び絶頂を迎えた。痛いぐらい無遠慮に締め付ける中に、油断していたライムも引きずられるように中へと吐き出してしまう。
再び腹の中を満たしていく熱にナマエの身体はついに耐えることができなくなり、ふっと力を抜いた後、崩れるようにライムの上へと倒れ込む。
「あっぶね…ナマエ、大丈夫か?」
その身体を難なく抱き留めると、ライムは背中を擦ってやりながら尋ねる。けれど返事をする気力もないようで、ナマエはふるふるとわずかに首を振るだけだった。
ライムは身体を起こし向きを変えると、自身が寝転んでいた場所へ、今度こそナマエを寝かせてやった。重たげに投げ出された脚の間からようやく屹立を引き抜けば、栓をなくした秘部から精液が溢れ出す。
立ったまま吐き出したときのそれとは違いひどく粘つき重たさが増しているのは、ナマエの腹奥から溢れたものも混ざっているのだろう。まるで出たくないと言ってるかのようなそれは、下敷きになった赤いシャツにじわりと染みを作っていった。
「…ナマエ、こっち向け」
「っぁ、ん、む……、」
息を整えようと大きく深く呼吸するナマエの頬を掴むと、ライムは唇を重ねる。ゆるりと差し込んだ舌をナマエのそれと絡めれば、苦しいはずなのに、それでも触れ合うことは嬉しいとばかりにその青い瞳をうっそりと細めていた。
すっかりぐしょぐしょに濡れ乱れた自らの赤いシャツも、そろそろその役目を終えてもいい頃だろう。もう帰りに何を着ていこうかなどという考えはとっくの昔に捨て去った。この姿が見られただけで満足だ。
名残惜しさを感じつつも唇を離し、「脱がせるぞ」と声をかけたライムはナマエの身体を軽く持ち上げ、そのまま服を脱がせようとする。
「あ、や、やだ…っ」
けれどそれを制するようにナマエの手が服の裾を掴んだ。その行動に、ライムはぴたりと動きを止め。「は…、」と間抜けな声と共に目を見開く。
「おいおい、なんだよ…もしかして脱ぎたくねぇのか?」
「………」
ナマエはなにも返さない。ぶかぶかに余った袖で、逃げるように背けた顔を覆い隠し。「なァ、」という呼びかけにも変わらず無言を貫いている。けれど乱れた髪の間から見える耳や、わずかに覗く首筋までもが真っ赤に染まっていて。それがライムの言葉を肯定するなによりの証拠だった。
散々からかわれ好き勝手にされたというのに、それでもなおまだ着ていたいなど。そんなことをナマエが言うとは思ってもいなかった。ライムは心臓を握り潰されるような思いに抗うことなく、がばっ、と勢いをつけてナマエに覆い被さる。まるで大型犬がじゃれているかのようなそれにも、ナマエは口を噤んだままである。
ほんのり汗ばむつむじや、こめかみ、赤い耳にも。ライムは何度も唇を落としていく。
「お前、ほんっと可愛いなァ」
「分かったから…」
もう止めてくれ、とナマエはライムの顔を軽く押し返す。ぺちっ、と力ないそれすらも照れ隠しだと分かっているだけに、ライムの機嫌は変わらず。むしろそのご機嫌度は増している自覚さえあった。
「なァ、顔見せてくんね?」
「…やだ」
「いいから」
やはり聞く気はないらしい。ライムは押し付けられたナマエの手を掴むと、袖の先からわずかに出ている指先に待ちきれないとばかりに唇を落とす。ちゅっ、と響くなんとも可愛らしい音にナマエは小さく肩を跳ねさせながら、顔を覆う指の隙間からおずおずと横目でライムを見上げた。朝日に照らされたプラチナブロンドが、彼女の顔の横で静かに揺れている。
「………」
「………」
「……なによ…」
「…いや?」
瞳が交わり数秒。じっと見つめ合ったと思ったら、眉間のしわはそのままに、ライムは眉尻をふにゃりと下げ。淡いヘーゼルカラーの瞳を細めながら、結ばれたナマエの唇へ自身のそれを重ねた。
今度は舌を絡めることもなく。ただゆるりと重ね、擦り合わせ、時々形をなぞるように舐め。戯れのようなそんな口付けのくすぐったさに二人からはくつくつと笑みがこぼれる。ナマエの身体からは強張りが解け、とろりと溶けた脳内が甘い感覚で満たされていく。
その時だった。ナマエの下腹部に、なにかが押し付けられたのは。その感触に驚き唇を離したナマエが慌てて視線をそちらへ向ければ、案の定とは言いたくなかったが、思っていた通りのものが自らの腹の上にあった。
「…なんで、また勃ってんの」
「あんなんされたら勃つだろ」
「あ、あんなって、っあ、」
「俺の服脱ぎたくねェ、とか?いきなり言われたもんだから、あやうくイくかと思ったわ」
「なに言って、あ、あ…っ♡」
冗談めかして言いながら、ライムは身体を少し後ろに下げ。ナマエの脚を抱え直すと、勃ち上がる屹立を今度は秘部へと擦り付け始める。
「や、ぁ、ら、らいむ…っ!♡」
「なァ、今度はちゃんと顔見ながらしようぜ」
頬を上気させ抑えきれぬ興奮を滲ませながら、ライムはナマエを見下ろす。きっとまたこちらの答えなど聞く気はないのだろうということは考えなくとも分かった。彼の中でもう一度は既に確定事項で。きっと今日もこの部屋からは一歩も出ることができない、もとい出してもらことはできないのだろう。
ばか、という悪態と共に再び顔を隠したナマエに、ライムは嬉しそうに笑い。ぐしゃぐしゃになった赤いシャツごとナマエを抱きしめると、「やっぱすげェ可愛いな、お前」と、覆い隠す手の上へと、優しく口付けた。
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