こんな展開、今どきコンビニの雑誌棚の隅に置かれた成人向け雑誌でも見かけたことがないぐらい使い古されているものだ。誰も望まないし、まさか本当にそうなるだなんて、考えてもいなかった。
「こーら、集中して」
「んぁっ、あ!」
真っ赤に腫れた乳首をきゅっと摘まれ、ナマエは思わず声を上げてしまう。途端に楽しげな声が頭上から聞こえ、ナマエは目の前の男を恨めしげに睨みつけた。しかし男、神永は気にする様子もなく、楽しげにそこを弄り続けている。
「やだっ、あ、神永さ、っ、そこやだぁっ、」
「んー、どうして?こんなにぷっくりしてるのに」
「ひゃっ!だめ、っそんな、んぁあっ!」
尖り硬くなった乳首をぴんっと弾かれ、ナマエの肩はびくりと跳ねる。神永は先端に軽く爪を立てそこを転がしながら、中に埋めていた二本の指をバラバラに動かし、熱く滑った粘膜を擦り上げる。
「あ、はぁっ、あっや、ぁ、あ!」
「んー、ナマエのいいところは…あ、あった」
「ひあ、あ!や、らっぁ、あ!も、らめ、そこ、いっちゃ、あっあ、あ、あぁあ…っ!」
指をまとめ一本に見立てるとそのまま奥を抉るように神永は出し入れをし、さらには所謂いいところを突き始める。強くなった刺激に抵抗虚しく、ナマエはあっさりと達してしまった。
「今日は早いな。やっぱえっちな気分になってた?」
引き抜いた指に絡む愛液を満足そうに見つめながら神永は問いかける。飛びそうな意識の中、ふざけるなと再び睨みつけようとも、今はそれが逆効果となることにナマエはまだ気付けていなかった。
「まさかナマエが、アレを見てるだなんてな〜」
神永が嬉しそうに語る『アレ』とは、いわゆるアダルトビデオのことだった。男なら誰もが持っているであろうそれをどうしてナマエが見る事態になってしまったのかというと、なんてことはない、掃除の最中に見つけてしまったという、よくある事がきっかけだった。
抜かずの中出し10連発!なんて馬鹿げた煽り文句に呆れつつも、ナマエ自身興味がないといえば嘘になる。そんなちょっとした好奇心から神永がいない隙にと再生したまさにその時、まるで狙っていたかのようなタイミングで神永は帰宅をしたのだ。
そうして、コンビニの雑誌棚の隅に置かれた成人向け雑誌でも見かけたことがないぐらい使い古されているような、とてつもなくベタな展開に陥ってしまったというわけである。
「ねえ、どうだった?」
「ど、うだった、って…」
「ああいう事。されたいって思った?」
「な、っお、思うわけ、っひ、!」
物欲しげにひくつくそこに神永はぴたりと熱を押し付け、ゆるゆると腰を動かす。先端を敏感な突起に擦り付ければ、身体はまるで達した時のように跳ね上がる。
「あ、やっ、だめっだめぇ、」
「んー…」
口では駄目だと言いつつも、すっかり調教された身体は快楽に従順で。掴まれた腰は強請るようにいやらしく動いていた。
それに気づかないはずもなく。神永はその細腰を掴み、ナマエの真っ赤になった耳元へと唇を寄せ吐息交じりに囁いた。
「本当に十連発、やっちゃおっか?」
「っ!」
ごつん、と、比喩ではなく本当に音がしたとナマエに勘違いさせるほどの衝撃で、神永は最奥を突き上げた。本来なら痛みを伴うはずのその行為も、すっかりとろけた身体は快感へと変えてしまう。
突かれた瞬間、自身でも気づかぬうちに再び達してしまったことにナマエは驚きを隠せず、ただただ全身を支配する甘い痺れに呼吸を荒くするしかできなかった。
そんな姿にむしろ好都合と言わんばかりに、神永は力の抜け震える身体をがつがつと突き上げ最奥を刺激していく。
「や、かみながさ、むり、むりっ、しんじゃう、んあぁっ!」
「はは、っとセックスしながら死ねるなんて、本望だな、っあ、」
「な、にいって、ひぅ、ん!ふあ、ぁ、あ、はあっん!あ、やっぁん!」
その時一瞬見えた瞳に、この男は本気だ。十連発やって、それで死んだとしてもいいと本気で思っているのだと、ナマエは神永の信じたくもない考えを瞬時に悟ってしまう。
恐怖にも似た感覚が背中を駆け巡り、思わず逃げるように顔をそらす。すると許さないとでも言いたげに、神永が無理やり自身と顔を合わせ、逃げられないように口づける。
送り込まれる粘ついた唾液が妙に甘く感じられて。これは冗談抜きで本当に死ぬかもしれないと、ナマエはぼやける頭の片隅で思った。
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