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政府から許可をもらった私は大学病院を出てふらふらと歩いた。宛もなく歩いていたため全く知らない場所にたどり着き、そのあげくよくわからない人に絡まれた。こういう時はデータ化して逃げればいいんだろうけど、あまりそういうのを一般人に見られちゃダメだって永夢が言ってたからどうすればいいのか困る。

「おい、何やってる」

どうしようか、と囲まれてる中考えていると見知らぬ男性の声が聞こえた。ざわつく周囲の人の隙間からその男性が見えた。
というか、一人じゃなかった。5人もいた。誰の声だろうと思ってるとそのうちの一人、金髪で赤いマフラーを首からかけてる男性が口を開いた。

「そいつから離れろ」
「ちっ、コブラの手つきかよ」
「おい、いくぞ」

コブラ、それがあの人の名前か。舌打ちしながら去っていく男達を見送り助けてくれた5人に目を向けた。

「大丈夫か」
「はい、助けてくれてありがとうございました」
「そうか」

お礼を言うと、少しコブラさんは笑った。うん、イケメンだな。大我と飛彩を足して割った感じがする。あ、グラファイト要素もあるかな。

「ねえねえこんな所で何やってたのー?」
「ふらふら歩いてました」
「ふらふら?」
「ふらふら」
「へー」
「…女一人は危ないだろ」
「確かにな、お前どこのやつだ」
「???」

どこ?どこといえば病院?とりあえず病院と答えると彼らの眉間に皺が寄った。

「病院となるとラスカルズ、か?」
「いやうちの女ではない」
「入院患者覚えてるのか、すごいな」
「当たり前だろうが」
「「うわ」」
「おい何だその顔は」

赤い服の肌白なお兄さんと黒い服の男の子が白いサングラスのお兄さんを引いた目で見てた。私知ってる、あの目は貴利矢とか永夢がときたま黎斗を見る目だ。一方の緑っぽい顔色の悪いお兄さんは白いお兄さんを尊敬するような目で見てた。

「病院って、どこの病院だ?」
「聖都大学付属病院。」
「……そんなとこから来たのか」
「知ってんのかロッキー」
「ああ、優秀な外科医がいるって有名でな。」

さすが飛彩、見知らぬ土地でも有名だった。あとで教えてあげるとしよう。

「かなり遠いだろ、そんなとこから歩いてきたのか?」
「うん」
「どのくらい遠いの?」
「ここからだいたい3,40キロぐらいだな」
「めちゃくちゃ遠いじゃん!え、すご!」
「何時から歩いてたんだ」
「たしか………朝の8時かな」
「今はもう4時だぞ」

緑のお兄さんに言われて慌てて携帯を見るとたしかに時刻は4時。しかも着信履歴がとんでもないことになっていた。全く気づかなかった…。

「やば、怒られる…」
「どしたの?うわあ履歴すげぇことになってる」
「連絡入れた方がいいんじゃないか?」
「んー、連絡入れるより帰った方が早いかな」
「はあ?何言ってんだてめぇ」

訝しげな顔をするお兄さん達にひみつ、と笑うと詳しくは聞いてこなかった。こういう時にしつこく聞いてこない人はわりと信用できるって貴利矢が言ってたなあ。

「あのね私はなまえ!お兄さん達は?」
「お兄さんだって!俺お兄さん!」
「お前がお兄さんさんってガラかぁ?」
「日向ちゃんは絶対おっさん枠なんだから黙っててよー」
「んだとてめぇ」
「よせ、日向。事実だ。」
「よしまずはてめぇからだ貧弱野郎。」
「やめろお前ら」
「はあ…俺はコブラだ。こっちの白いのはロッキー、あっちの学ランが村山、顔色悪いのがスモーキーで赤い法被を来てるのが日向だ。」
「勝手に紹介すんな蛇野郎」
「…俺はそんなに顔色が悪いのか」

コブラさん、ロッキーさん、村山くん、スモーキーさん、日向さん…よし覚えた。

「それからここってどこ?」
「知らなかったのか…?」
「宛もなく歩いてたから」
「ここはSWORD地区。五つのチームが統括してるから頭文字をとってSWORD地区だ。」
「とはいえ、さっきみたいな奴もいるからな。女一人で出歩くのは危険だぞ」
「心配してくれてありがとう!たしかにそろそろ危ないかもね。もう帰ることにするよ」
「そうした方がいい」

ありがとうと最後にお礼を言ってから来た道を戻った。さすがに人に見られるところじゃ移動使えないし。するりと路地裏に入り込んでから体をデータ化し、CRまでにひとっ飛び。帰ってから連絡してなかったことに怒られたのさ言うまでもなく、やっぱり連絡しておけばよかったと後悔した。




「…そういや、あの女帰り道わかってんのか」
「宛もなく歩いていた、といっていたな」
「…探すか」



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