おねだり


 リィンの膝の上でぐったりと身を預けて余韻に震えるメリルの柔らかな灰色の髪に頬を寄せる。労わるように背中を撫でるとメリルの肩が跳ねたので、小さく笑って背中を撫でた手を頭に移動させた。
 思考も息も落ち着いたメリルが動こうとしたので腕の戒めを解くと、メリルはゆっくりと体を起こしてリィンを見上げ、そして離れようとして初めていまの状態を理解したのか、己の下肢を見やってすぐに目を逸らした。

「あの、まだされるおつもりですか……?」
「メリルが落ち着いたら決めようかなと思っていたんだが」

 いまも繋がっている部分をそっと揺すり上げると、メリルがぎゅっと目を瞑る。
 抜かなかった自分が全面的に悪いのだが。頭を撫でている間やんわりと食まれていたとか、気持ちよさそうに細められた目がとても近くにあったとか。言葉がなくともそういう可愛い反応をされると、否が応にもそういう気分になってしまうもので――リィンが勝手になっているだけで、メリルに非はこれっぽっちもないのだが。そう、なってしまったものだがら。
 その細い腰に腕を回して、再び開かれたふたつの色を見つめる。

「もう一回だけ、だめか?」
「……リィンさんはもう少し、わたくしがお断りしやすい言葉を選んでいただけるとありがたいのですけど」

 困ったように笑ったメリルがリィンの胸の古傷をなぞったあと首に腕を回して抱き付く。「善処する」と返してから、リィンもメリルの体を抱え直した。彼女が自分を甘やかすのも、改善されない原因ではないかなと思いながら、その白い肌に口付けた。
 残念ながら、ベッドから出るのはもう少し先の話になりそうだ。



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