薬研大将、入っていいか。
その声に、二つ返事でどうぞと促す。
「薬研。おかえり」
「ああ、ただいま」
部屋に入って来た薬研に、万屋はどうだった?と尋ねるも、その顔は曇っている。
あれほど厚と買い物に行きたがっていたのに、どうして浮かない顔をしているのだろう。
「…大将に、折り入って頼みがあるんだ」
思い詰めたような声色と表情に、思わず姿勢を正した。
「修行に行きたい」
まっすぐな目で言う薬研。ああ、ついにこの時が来たのか。
「…そう。わかりました」
押入れの中にしまっておいた、うちの本丸にいる短刀分あるそれを取り出す。薬研はきょとんとしていた。
「これ、持って行って」
渡したのは、政府から予め支給されていた修行道具一式。
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