どきどきうら!(井浦/inzm×堀宮)

 夏休みにとある用事で秀と二人で学校へ行っていた日のこと。午前中で用事が済んだので秀が私の家に来たいと言い出した。今同じく夏休み中だった従弟が家にいるのでそれでも良いならと言えば二つ返事で了承した。
 何だかんだで夏休みは合う回数が減ってしまうため秀とどっちかの部屋で一緒にのんびり出来るならそれだけで嬉しい。夏休みの宿題はやったかとか今度一緒にやろうとか、他愛のない話をしながら家までの道のりを歩く。

「ただいまー」
「お邪魔しまーす」

 家に着いたが鍵が開いていないので従弟は家にいるらしいことはわかった。秀に飲み物とおやつを持って行くから先に部屋に行っててと伝えて私は台所へ、従弟は居間にいない。
 二人分のコップに氷を入れて麦茶ポットとおかしをお盆に載せていざ部屋へ、階段を上がって行けば部屋の入り口で突っ立ている秀がいた。

「入らないの? 秀」
「……名前、あれ誰?」

 少し怒っているように見える秀が私のベッドを指差している。そこを見れば私のベッドで堂々と寝ている男の子がいる。従弟の光くんだった。
 私が従弟の光くんだよと彼を紹介すればそこじゃないと溜め息を吐かれる、どういうことかいまいちよく分からないので首を傾げればやっぱなんでもないと再び溜め息、一体何なんだ
 光くんは見た目に反しまだ中学生で私に懐いていてよく私の部屋に入り浸るのだと説明すれば口をへの字に曲げながら座った、拗ねてる秀可愛いかも。

「俺は名前と二人っきりになりたいんだけど」
「あ、そうだよね」

 光くんには出て行ってもらおうと光くんの身体を揺らえば眠たそうに眼をこすって私の手を引いた、これはやばい展開。
 嫌な予感的中というやつで私は光くんの腕の中に閉じ込められてしまい、反射的に秀が私を助けに来てくれた。

「ちょ、名前を離せよ!」
「ん……あんた誰? 名前姉ちゃんと寝るんは俺や」
「いや名前は俺の彼女だし!」

 無理やり光くんの腕をはがした秀に引っ張られ今度は秀の腕の中に納まる。あからさまに不機嫌な光くんが起きあがって秀を睨み付けた。

「名前姉ちゃんは俺んやし」
「俺ってば家族公認彼氏なんで」
「……うっざ」
「俺さ、君より年上なんだよね。敬語使えよ」
「年上だからって調子のんなや」
「ケツの青いガキが。童貞捨ててから出直してこい」

 うーん、二人の口喧嘩は収集が着かなくなりそうなので私は秀の腕から抜け出して三人分の昼食を作るため台所へ向かう。冷蔵庫に海産物があったので海鮮チャーハンにしよう。
 海鮮と米の炒めていると二人の口喧嘩が一階まで聞こえてきたので溜め息を漏らした。私にとって光くんはただの従弟であって良いとこ弟止まりなので勝ち目はないと思う。

 今日は秀泊まっていくかな、明日も夏休みだし泊まっていくかもなんて呑気に考えていたらチャーハンが完成した。皿に盛り付けて食卓テーブルにセットして昼食の準備が完成した。よし二人を呼ぼう。

「二人ともー、お昼ご飯できたよー」

 私の呼びかけが聞こえたのかどたどたと騒がしく階段から降りてくる、もうちょっと静かに降りれないものかな。先に降りてきたのは秀で口元に笑みを浮かべている。次に光くんが悔しそうに降りてきたので口喧嘩では秀が勝ったのだろう。

「わーい。海鮮チャーハンだ!」
「俺、名前姉ちゃんのチャーハン好きや」
「はいはい。それでは、いただきまーす」
「いただきまーす!」
「いただきます」

 美味い美味いと三人でご飯を食べている時秀に今日泊まっていくか聞けば泊まると即答され、光くんは断固反対と言い出してそこからまた二人の口喧嘩が勃発したのはいうまでもない。



  
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