▽T&B系夢小ネタまとめ
▽バーナビーと作家主(T&B)
兎みたいなバーナビーと猫みたいな夢主話。長編にしようと思って書いていたもの。飽きたので没。
タイトル:うさぎとねこの正しい飼い方
視点は夢主とバーナビーで交互に変わる。
自室でパソコンに向かって原稿を書いていると急に頭が重くなった。頭痛だとか病的な物ではなく、物理的に重くなったのだ。
キーボードを打つ手を止め、首だけを動かし斜め後ろを見やれば私の頭に顎を乗せているバーナビー。椅子の背もたれに手を置いて私の頭に顎を擦り付けている。
「どうしたの、バーナビー」
「……」
くるりと椅子を回転させバーナビーと向き合う。目は合っているのに声をかけても返事はこない。
代わりに、私の手を取って自分の頭に乗せた。これはバーナビーなりの「撫でて」のアピール。私に甘えたい時によくやる。
膝を着いて私が撫でやすい体勢をとるあたり本気だ。いつもならセットが乱れるとか何とか言うくせに、今日ばかりは私にされるがままに撫でられる。
段々と気持ちよさそうに細められる目に、私も自然と笑みがこぼれる。
「今日もお仕事お疲れさま」
「……名前は、」
「私はまだ残ってるから、切りの良いところまでやっておきたいな」
「わかりました」
そう言って素直に引き下がれるほど今日のバーナビーは潔くない。
その証拠に分かったと言いつつも離れるつもりはなく、膝を着いたまま私に抱きついた。
ぎゅうぎゅうと胸に顔を押し付けているバーナビーの頭を、もう一回撫でてやる。
けれども私が仕事を切り上げる訳もなく、バーナビーに抱きつかれながら椅子を回転させる。バーナビーも慣れたもんで私に合わせて膝を動かす。
ようやく再びパソコンと再会出来た私は、抱きつかれているため少し動きづらいが仕事を再開させた。
会社でデスクワークをこなしトレーニングセンターで資本である体を鍛える。全てを終え、帰路に着いたのは夕方のこと。
カードキーを通しドアノブを捻る、中は暗く人の気配はない。名前は仕事部屋だろう。
すぐにでも名前を抱き締めたいが、集中して仕事をしている時にちょっかいを出しても冷たくあしらわれるだけ。だからちょっかいを出しても大丈夫な状態か確認してからちょっかいを出すことにしている。
思い立ったら吉日という日本の諺の通り部屋を出る。名前の仕事部屋は同じ階のすぐ隣、この階には僕と名前の部屋しかない。
素早くもう一枚のカードキーを出してドアに通す。小さな認証音と共にがちゃりと鍵の開く音、ドアノブを捻れば先ほどと同じ暗い空間が僕を迎えた。
間取りは僕の部屋と左右対称となっているためこの部屋の電気を点けるのはお手の物。
明るくなった部屋を進んでリビングへ進むも、名前はいない。当然だ、仕事部屋はその奥、僕の部屋では寝室となっている場所。
僕の部屋と同じデザインの扉を開ければそこには、電気の着いた仕事部屋で眼鏡を掛けパソコンと向き合っている名前の姿。
「……ただいま帰りました」
「んー」
恋人が帰ってきたというのに返事がおざなり、やはりと言うべきか、かなり集中している。
眼鏡を掛けているときは特に、何を言っても無駄だ。構ってもらえないのは非常に寂しいが大人しく待つことに。
資料を整頓するための本棚に囲まれた仕事部屋には僕の為に用意されたチェアーがある。僕の部屋にあるのと同じデザインの色違い。
座りなれたそれに腰掛け、名前の横顔を見つめる。頭の中に混在する無数の言葉を文章として打ち出していく姿は凛々しくも美しい。
名前を見詰めるること時間にして四十と八分。ようやく僕は孤独から解放された。
名前は僕の膝の上に乗り、すりすりと頭や顔を擦り付けてきた。今日は随分と甘えただ。
「仕事は終わったんですか?」
「うん、今日はもうしない」
一日中キーボードを叩いていた白魚のような手を取り、ゆっくり念入りにマッサージをする。
気持ちよさそうに目を瞑り、お礼とばかりに僕の頬に自分の頬を擦り付ける。滑らかで柔らかい頬が気持ち良い。
「晩御飯は何がいい?」
「何でも良いですよ、名前が作ってくれるものなら」
「じゃあ簡単なものになるけど、何か作るね」
自分も仕事で疲れているのにキッチンに立ちエプロンを付ける名前。いつもそうだ。
夕飯を作る時間を考慮して仕事をこなし、デリバリーに頼ることなく料理をするのは僕のため。
残念なことに料理が出来ない僕は名前を手伝うことは出来ない。その代わりにテーブルにグラスを置いたり、僕の部屋からワインを持って来たりといったことくらいならば出来る。
僕のことを考えてすぐに作れるけれど美味しくて、尚且つ栄養もしっかりと考えられている夕飯が出てくるのを、僕は知っている。
名前は作家を生業としている。アポロンメディアから作家としてデビューし、今では根強い人気を誇る看板作家だ。
物書きなんて就職できない奴の最終手段だと言う人も少なくない。けれども、名前の才能を十二分に生かせられる天職だと考えている。
それに僕としても、いつでも愛しい人が家にいてくれるのは幸せなこと。
「そう言えば今度朝の番組に出演が決まったよ」
「じゃあ録画しないと」
最近ではメディアにも出演していて、そこからファンになった人間も少なくない。
現在執筆中の小説はヒーローの男性と猫の様な女性のラブストーリー。まるでどこぞの僕らみたいじゃないかと思ったが口には出さない。
どうやらアポロンメディア出版部から出した企画らしい。
名前は最初、僕らの関係が漏れてるんじゃないかとも思ったようだが、杞憂に終わったとのこと。偶然とは恐ろしい。
大体僕らのことを知っているのは虎徹さんくらいだ。世間にバレたら真っ先に虎徹さんを疑おう。
「僕は別にバレても構わないんですけどね」
名前には咬み癖がある。それも無意識に咬んでいる。
名前の小説が有名な文学賞を取ったというニュースは耳に新しい話題で、勿論ヒーローの男性と付き合っている女性が主人公の小説だ。
それを祝してパーティーを行うようだ。
それを聞いたのはアポロンメディアのヒーロー事業部でいつもの様にデスクワークをしていた時。僕らを訪ねてきたロイズさんが開口一番に知らせてくれた。
僕としては名前の口から直接聞きたかったのだけれど、その日の夜に彼女の口からも教えてもらえた。
アポロンメディアの出版部と関係各所、挙げ句の果てに記者やテレビ局まで参加するのだからそれは大々的なパーティーになるだろう。
僕と虎徹さんも、取材に協力したという事でパーティーに参加してくれないかと頼まれる。
名前を祝う為ならば何にだって参加するし、何だったらヒーロー業を休んでもいい。さすがに公言は出来なかったが、そういう心持ちである。
▽メンヘラヒーロー(T&B)
Dr.名字/ナマエ
シュテルンビルト医師会所属のヒーロー。ヒーロー活動とメンタルケアの関係性の研究のためヒーロー事業に参入。表向きは健常の医師という設定のためヒーロー名はDr.名字。
スカイハイと同期。「血液に関する」NEXTだが、能力の詳細は未だ不明。キャッチコピーは「ヤンデレドクター」。
中の人が患っているためヒーロー業(犯人確保)以外のメディア露出は一切ない上にその日の精神状態でヒーロー業を行わない事も多く素性は不明。ランキングにも参加しておらずポイントも入らないためスポンサーを付けていない。代わりに医師会に登録されている病院のロゴが記載されている。
中の人は二十歳前半くらいのエロ可愛い子、だがメンヘラ。複数の疾患を患っており明確な病名は診断されていない。自傷行為は日常茶飯事。週一で精神科に通院中だが回復の見込みなし。
・オリジナルキャラクター
Dr.ライヒワイン:シュテルンビルト総合病院の精神科医。ナマエの主治医。
Dr.クラウス:シュテルンビルト総合病院の院長。医師会の最高責任者でもある。Dr.ライヒワインが気に入らない。
スカイハイがいなくなった。
正確には、公衆の面前で追いかけていた犯人に消された。
「返して」
「スカイハイをか?」
「返して」
「うざってぇ! お前もあいつと同じところに送ってやろうか!」
「返して」
「そればっかりかよ。他に何か言えないのか?」
「返して」
「お、オレは送ることは出来ても戻すことは出来ねぇんだよ!」
「返して」
「おい! こいつおかしいぞ!」
「返して」
「その子はそれで通常運転なのよ」
ファイヤーエンブレムが背後から犯人の肩を掴む。彼……彼女に犯人確保のポイントが入った。
「これで通常って、こいつドクターじゃないのかよっ。これじゃあまるで……!」
「そうよ。その子はドクターじゃなくて患者なの」
瞳孔の開ききった無機質な眼が男を見ている。
見ている。
「返して」
そこで犯人の意識は飛んだ。
「そういえばナマエさんのリストバンド、ウエイトでも仕込んであるんですか」
「違うよ。あれは隠してるんだ」
彼女のノルマは、トレーニングなどのノルマではなく、メンタルヘルスのノルマだ。
他のヒーローたちが『腹筋を百回する』ところを彼女は『三人の人と会話をする』といった様に病気を回復させるためのノルマが用意されている。
「ナマエは何でヒーローやってるのかしらね。ランキングに参加してないからポイントも入らないじゃない」
「……私は人体実験の生贄にされたの」
「い、生贄って……」
「ジェイク・マルチネスが死亡したとは……残念でならない。彼に聞きたかったよ、彼女があの時何を考えていたのか……」
「生きた状態で解剖したかったが死体でも仕方ない、彼の検体は我々が責任を持って預からせてもらう。医療の進歩とNEXTの明日の為、有意義に使わせて貰うよ」
「彼の能力が解明されればより多くのクランケを救うことが出来る」
・シスの話の後
「今日も名前君は来ていない……」
「おはようございまーす!」
「!?」
トレーニングルームの扉を開けて入ってきたのは満面の笑みを浮かべた名前だった。
普段のナマエを知る者ならば、目の前で明るく振る舞う彼女に違和感しかない。
いつもの服装とはうって変わった可愛らしいガーリーファッションに身を包み、髪型もゆるいパーマがかかっておりメイクもしっかりと違和感なく施されている。
極めつけとして、彼女はこんなに明るくない。挨拶することはあってもこれほど大きな、テンションの高い挨拶は初めて聞いた。
彼らの知っているナマエとは百八十度違う姿にヒーローたちは目を丸くしていた。
「えっ、お前ナマエか……?」
「もうっ、失礼な! 正真正銘ナマエですよ〜!」
「全然キャラ違うから一瞬わからなかったぜ」
「見違えたわよ〜」
「ここしばらく姿を見せないから心配してたのよ」
「うふふ、恋人が出来たんです。だからちょっと色々とあってここには来れなかったんです」
「恋人……」
「」
「最後のカウンセリングも終わって順風満帆です!」
「病気はもう良くなったの?」
「はい、見た通り治りました! それで、もうヒーローは引退するので挨拶に来たんです!」
「えぇ!?」
「さようなら」
「……?」
今まで見たことのない柔らかい笑みを浮かべてナマエはトレーニングルームを後にした。
皆一様に彼女の変化を喜び、ヒーロー引退のニュースを惜しむ。そしてここで縁が切れてしまったわけではないと笑い合う。
しかし、キースだけはナマエの言動に違和感を感じた。それはじわりじわりと足元から這い上がり胸に不安を残してゆく。
彼女自身が治ったと言ったのだから病気は何ともないのだろう。そう言い聞かせ無理やり留飲を下げる。
トレーニングルームの扉が開き眼鏡を掛けた白髪の、小太りの男性が額の汗を拭いながら入ってきた。何やら焦っている様子で室内を見渡す。
ここに入れるのはヒーローとその関係者だけ、ということは彼もそうなのだろう。
ヒーローたちが顔を見合わせるも全員が首を横に振る、ここにいる者の知り合いではないらしい。
「どちら様?」
「失礼、挨拶がまだだったな。私はライヒワイン、シュテルンビルト総合病院で精神科医をやっている。まあ、ナマエの主治医というやつだ」
ライヒワインは親指と薬指で眼鏡を押し上げた。ライヒワインと言えば精神科に興味のない者でも知っている有名な医師だ。
白衣を着ていないから分からなかったがそういえばテレビでも見たことがあった。
「そのドクターがなぜここに?」
「名前を探しているのだ。電話にも出んし家にも居らんかったからてっきりここかと思ってな」
「じゃあ丁度入れ違いになったんですね。先ほどまでここにいたんですが」
「そうか。ならばもう家に帰っている可能性が高いな」
トレーニングルームを出ようとしたドクターを引き止めたのはキースだった。
「ドクター、ナマエ君に何かあったのですか?」
「どうもこうと今日は通院の予定だと言うのに一向に来やせんから探しているんだ」
「えっ、でも、カウンセリングはもう終わったんじゃ……?」
「何?」
「彼女、最後のカウンセリングが終わったと言っていました」
イワンの言葉にライヒワインは更には顔を渋める。
「最後のカウンセリング? 何のことだ、彼女は少しも回復なんてしておらんよ。寧ろ通院回数を増やそうという相談をしていたところで……」
「えっ、でも治ったからヒーローも辞めるって、それに新しい恋人も出来たって……」
「そんなのが出来たら私が真っ先に気づいておる。……何かあったのか?」
「はい、実は……」
彼らから今日のナマエの様子を聞いたライヒワインは顔色を変え、踵を返す。
「いかん! 手遅れになる前にナマエを捜さねば……!」
ヒーローたちはその意味が分からないほど鈍感ではない。彼女の腕に刻まれた未遂の証拠を思い出せば導き出される未来は最悪なものしかない。
「ドクター! 俺もナマエを捜す」
「あたしも行くわ」
「俺も行くぞ!」
「ボクだって、ナマエを助けたい!」
「……どんな結果が待っていようとお前さん方にはデメリットしかないぞ。それでも良いのか?」
「仲間助けるのにメリットもデメリットもねぇよ!」
「そうよ、ナマエは友達でもあるもの」
「……ナマエは良い友人を持ったな」
ナマエの自宅はブロンズステージにある安アパートの角部屋だった。
(風呂場で腕を切って意識を失っている→救急車で病院へ、一命は取り留める)
「ここまで酷いとは……ショックなことがあったのだろう」
「決してお前らのせいではないから、責任を感じる必要などはない。ミイラ取りがミイラになってしまっては元も子もないからな。……特にお前さん」
ライヒワインが指差したのはキース。
「お前さんのような正義感の強そうな奴ほど責任を感じ気を病んでしまう。頼むから私の仕事を増やさないでくれ」
「このまま一人暮らしさせておけばまたいずれ同じことを繰り返す。」
「もう潮時かもしれんな」
「潮時……」
「これ以上周りの人間に迷惑はかけられん。閉鎖病棟へ入れるしかない」
「彼女にはもう関わるなと言いたいところだがお前さん方には意味ないな」
「あの子の事を思うのならもう関わらないでやってくれんか」
「ワイルドタイガー」
「俺のこと覚えてるのか?」
「覚えてるけど……それが何?」
「何って……記憶いじられてないなんなら他の奴ら」
「私はスカイハイの言うことしか聞かない。あの人のために生きてるの」
既に狂っている人間の脳を、他人が支配出来ると思っているのが間違っているのだ。
「……スカイハイ、彼が死んだら貴方は悲しい?」
▽まどか依存症の女の子がヒーローになる話(まどマギ→T&B)
タイトル「親愛なる貴女へ」
・各話の冒頭に要れる文章
貴女のいない世界はこんなにも色がないなんて初めて知りました。とても悲しいです。
貴女のことを考えると涙が止まりません。枕はもう使い物になりません。
絵を描きました。もちろん貴女の絵です。でも、貴女を描くには色が少なすぎます。
正直に言うと、この世界で生きていく自信はありません。もちろん、貴女がいないからです。
貴女の夢を見ました。大丈夫だよ、そう言ってくれる貴女の笑顔は私に元気を与えてくれます。貴女にしか使えない魔法です。
寂しいと言ったら貴女は笑うでしょうか。私は泣いています。
最悪だ、身体が重い。どうやら力を使い果たしたみたい。
「名前っ! 名前目を開けて!」
ほむらの声が聞こえる。返事をしないとダメなのに、口が動かない。手も、何も動かない。あれ、おかしいな。
「##name1##っ、私を一人にしないで……!」
私だってほむらを一人にしたくないよ、ごめんね、ほむら。でも大丈夫、この世界にはまどかがいるから。私の分までほむらは生きて。言いたいことは沢山あるのに、喋れない。
もう瞼も上がらないや、せめて最期にほむらの顔が見たかったなぁ。それから私はほむらの声を聴きながら意識を落とした。
「……ちゃん、名前ちゃん」
「まど、か……?」
とても愛しい、鈴を転がすような声が聞こえてきて自然と瞼は上がる。綺麗な桃色も髪を揺らして現れたのは私の天使、もとい私の幼馴染のまどかだった。
やっと会えた。そう思うと私の心は溢れだした。ぽろぽろと涙があふれて止まらない、止められない。
「まどか……!」
「##name1##ちゃん、たくさんたくさん頑張ったね」
「まどかっ、まどかぁ」
「お疲れさま」
私はまどかに抱きしめられたまま、円環の理に導かれた。
目が覚めたと思ったら知らない天井が一面に広がる。私は魔獣との戦いで力を使い果たして、まどかに導かれて消滅したはず。
「ここは……地獄?」
「何で地獄? 普通天国でしょ」
「……まどかのいない世界なんて、地獄よ」
「何それ。あー、いや。誰それ、のが合ってるっぽい?」
「あいつの気が済むのなら、僕は殺されても良かったんだ」
その言葉に、ほむらの姿が思い浮かんだ。
私はまどかの為ならばいつでも死ぬ覚悟は出来ていたのに、ほむらは泣くの、私なんかの為に。
『私の親友が、犠牲になって死ぬなんて、私には耐えられない』
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