▽MHA系夢小ネタまとめ

▽個性「吸血鬼」(MHA)

 真っ白い肌を持つ勝気な美少女。少々古風な喋り方をする。常闇と同じ中学で個性の関係で仲が良い。
 好きなものは血液、牛乳(成分が血液に似ているため)、日陰。ヒーロー名は「ヴァンパイアガール」。
 日の光に弱いため出席番号とは関係なく廊下側から二列目の一番後ろが彼女の席。
 性格に反してヒーローという職業については真面目に考えている模様。

 お相手は常闇君あたりがいいな。

 個性:吸血鬼
 世間一般でいう吸血鬼のようなもの。吸血鬼もどき。吸血鬼っぽいことは大体出来る。但し個性を使い過ぎると貧血を起こすため、いつでも血を摂取出来るよう輸血パックを処方されている。
 血液を摂らずにいると言動が随分と幼くなる。

 誰かを眷属にすることは出来ないが体から直接血を吸った相手を一定時間操ることが出来、操る時間は吸った血液量に比例する。
 高い再生力・不死性を持つため日の光を浴びても消滅しないが、日中は普通に弱体化する(それでも人並み以上の身体能力を有する)ため日傘は必需品。当然夜には吸血鬼の能力が最大限に活発化される。
 変身能力によって全身もしくは体の一部を武器や翼、霧などに変化させられる。また、体液(血液や唾液など)を患部に垂らすことで他者の回復を促すことも。
 弱点はニンニク、銀の十字架、聖水、毒なのだが、耐性はそこそこある。また、初めて訪問した家ではその家人に招かれなければ侵入できない。川などの流れる水を越える事ができない(空を飛ぶ動物に変身していたり、橋やボート等があれば別)。
 基本的に鏡に映らないが本人の気合次第で映ることも出来るらしい。

 ヒーローコスチュームは背中が大きく開いた黒いドレスのようなデザインで、救急用品と飲む用の輸血パックを入れておくポーチ付き。


 父親は現役プロヒーロー「ヴァンパイアキング」。その個性故に他のヒーローたちが出動できない夜間の活動が主。活動時間の関係で知名度は低い。個人事務所を持っており夜間特化等の個性を持つサイドキックを数名雇っている。
 母親は専業主婦。凄く大らかでマイペース。昼夜逆転一家。“暗視”の個性持ち。




 個性の関係で自宅学習を余儀なくされていた儂が、日中に外に出るなんて。

 そりゃあ儂だって受験の日くらいは日中だろうと外出する。

 吸血鬼は本来、日の光を浴びると消滅してしまうが儂は個性の吸血鬼だから消滅することはない。
 だからといって日光に強いわけではないから、日傘は欠かせない。

「(暑い……)」

 何故体力を奪われる日中に入試をせねばならないのか。
 ヒーロー科に受験した自分を恨むしかない。

 体の一部を霧にして仮想都市内を漂わせることにより仮想敵の居場所を探査する。

 丼勘定で60ポイントは稼いだはずだから十分だろう。


 ギミックだからといってあいつを避けて通って良いのか?

『名前。パパは“個性”の関係上夜にしか活躍できない』

『でもそれで良いんだ、例え夜警だ何だと世間に揶揄されようと。人々に持て囃されたくてヒーローになった訳じゃないからな』

『この個性でしか出来ないことを、みんながぐっすり眠れる夜を守れるのなら、これが天職だと胸を張って言える』

『だからこそ夜の平和は何人にも冒させないと決めてるのだ』

『もし名前がパパのようなヒーローに成りたいと言ってくれるのなら、それだけは覚えておいて欲しい』

 もしこれが試験や演習じゃなく“現実”だったとしたら。

 ここが夜の町中で、巨大な敵(ヴィラン)が暴れているのだとしたら。

「儂は、逃げん……!」




 緑谷がギミックを倒している隙に麗日を押しつぶしている瓦礫を退けていく。
 
「あ、ありがとう!」
「気にするでない」

 名前は手を差し伸べ彼女を立たせてやるが顔色はすこぶる悪い。

「そこの。口を出せ」
「へ、私!?」
「そうじゃ。早くせい」
「は、はいっ!」

 大人しく言うことを聞き儂に向けて大きく開かれた口の中に、指先から滴る血液を数滴垂らす。
 その様子を見ていた周りの受験生は顔を顰めて嫌悪を顕にするがそんなのを一々気にしてやるほど優しくはない。

「飲め」
「は、はいっ!」

「……あっ、気持ち悪いの楽になった!」




「すまんの。いつもなら寝ている時間じゃてな」

 なるたけ日光に当たらぬよう日傘を差して邪魔にならない位置にしゃがみ込む。
こうして日陰を作っても地面に反射した日光が肌に痛い。

 個性が発現してからは自宅学習が主で余り学校に行っていないから勝手がよく分からない。

「お主も眩いか」

 日差しから避難するようにダークシャドウが日傘の中へ入ってくる。


・握力測定

「……」

 がしゃ。非常に地味な音と共に握力計は見るも無残な姿になってしまった。
 日中でも身体能力の高さは人並み以上ということじゃな。

 気だるさを露わにしながら立ち上がり、日傘を持っていない方の手でソフトボールを受け取る。
 地面に石灰で描かれた円の中に入り適当にソフトボールを放り投げ、結果を確認することなく元の位置にしゃがみ込む。

「ご、538メートル!?」
「あんなテキトーに投げたのが538メートルだなんて嘘だろ!?」
「あんなに具合悪そうなのに……」

 日中ならばその程度だろう。夜に行えば結果は倍程違うのだが。

 日中の体力テストなんて、たかが知れた結果に落ち着いた。




 やはり先ほど輸血パックを切られたのは拙かった。

「ほら、飲め」
「でもぉ……」

 晒されている肌がとても魅力的で堪らない。
 今すぐそこに歯を突き立てて新鮮な血液を吸い上げたい衝動に駆られるが何とか理性を保つ。

 眷属にする心配はないとはいえ、クラスメイトを噛むのは気が引ける。

「ごめん、ごめんなさい」

 がぶりとその魅惑的な肌に犬歯を差し込み血を吸う。
 最後にぺろりと舐めれば私の唾液によって噛み跡は綺麗に治る。


▽個性「艦娘」(knkr→MHA)

そうこう言っていますが(作品タイトル)

 前世が艦娘だった娘が今世でも艦娘(個性)として生きるお話。

・艦これ要素多め
・実在した装甲巡洋艦の八雲(艦これ未実装)がモデル
・細かいことは気にすんな精神で




名字名前
 7月8日生まれ。身長は高め。金髪灰眼。好きなものはお風呂とコーヒー。
 ドイツと日本のハーフの父親と日本人の母親を持つクォーターで、前世は艦娘であった。
 艦娘の時はダジャレとビールも嗜んでおり、現在でもダジャレ好きのビール好き(未成年のためノンアルコールビールのみ)。

 個性はそのまま“艦娘”。発動すると艤装一式が身に纏った状態で現れる。足用の偽装を装備していれば水以外の場所でも水のように進むことが出来る。
 弾薬や燃料は体内の糖質を変換させ生成するため普段からよく食べる。

 個性発動時の初期装備は任意で決めることが可能で、発動時に頭の中で欲しい装備を念じるだけで良い。装着可能装備は重巡洋艦に準ずる。
 換装する際も頭の中で念じることで個性を再発動させずに換装可能だが数秒から数分のラグが生じる(個性再発動にもそれくらいの時間がかかるので普通に換装した方が楽)。
 何も考えずに発動した際の初期装備は「20.3cm(2号)連装砲」「12.7cm連装高角砲」「61cm四連装(酸素)魚雷」の三つとなる(八雲改二の初期装備)。

 ※装備の種類については完全なる自己満足なので本編で記載されていても気にしなくて大丈夫です。
 ※前世の名前がいた鎮守府の提督がランカーではないのでイベント甲報酬及びランキング報酬で入手できる装備は登場しません。

 父親はどこの言葉でも瞬時に理解出来る“翻訳”の個性を活かし通訳として活躍していたが日本が恋しくなり日本に定住することに。現在は翻訳家。前世提督。
 母親は触れた物質を水に変換する“水変換”。ただし一度に変換出来る物質の最大質量は決まっておりそれを少しでも超えたら変換は不可。前世艦娘。

▼艦についてのサイト内設定(史実含む)
 ドイツで建造され日本が購入した装甲巡洋艦。ダジャレとコーヒーとビールが好き。
 1899年7月8日進水の年上艦だが、ババアと呼ぶと怒る。
 艦種や性能はほぼ重巡と変わらない。装備スロットは四つ(未改造時は三つ)。
 対空戦に従事したため対空値は高め。戦闘で轟沈することなく最期は解体処分されたため運も高め。
 日露戦争前に建造されたからか最大速20.5ノットと艦娘の中では低速に分類。
 改造チャートは、八雲→八雲改(Lv25)→八雲改二(Lv75)


▽セリフ等

 イメージCV茅/野愛/衣、イメージ絵師フミ/カネ

図鑑説明:ドイツで建造され、日本にやって来ました装甲巡洋艦の名前です。
日露戦争から太平洋戦争後までお仕事をしていて、海防艦として海上護衛や哨戒任務に就いた後、一時的に特別輸送艦として輸送任務にも従事していました。
そうこう言っていますがよろしくお願いしますね。

入手/ログイン:ドイツからやって来ました装甲巡洋艦の名前です。どいつもこいつもよろしくお願いしますね。
母港/詳細閲覧:提督、どうしたんですか? 私で良ければ喜んでお相手しますよ。/耳を触っちゃイヤー、なんて。ふふっ。(改:耳を触っちゃイヤー、なんて…あ、あの、本当に耳は弱いので、ダメです…。)/提督と徹底トークもしてみたいですね。
母港/詳細閲覧(春):春はあけぼの…曙ちゃんを呼んでくれば完璧ね、ふふっ。
母港/詳細閲覧(夏):夏は私が日本に来た季節なので好きなんです。ふふっ、懐かしい。
母港/詳細閲覧(秋):秋ですね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋……提督はどんな秋が好きですか? 私は、そうですね、独唱の秋、なんてどうですか? るるる〜♪
母港/詳細閲覧(クリスマス):Frohe Weihnachten!(フローエバイナハテン/メリークリスマス)メリークリスマウス、なんて。どうぞ、はっちゃんと作ったシュトーレンです。提督の口に合うと良いのですが…。
母港/詳細閲覧(年末):大掃除は総じて早めに終わらせたいものですね。
母港/詳細閲覧(新春):お節料理は良いですね。「マメな人間になるように」とか、「喜ぶ」で昆布巻きとか…私好みの洒落が沢山…。
母港/詳細閲覧(バレンタイン):提督、チョコレートです。ちょこっとどうぞ。…ふふっ、嘘です、全部差し上げます。
母港/詳細閲覧(ホワイトデー):え、バレンタインのお返しですか? そんな、私には勿体無いです…Danke schön.(ダンケシェーン/どうもありがとう)
母港/詳細閲覧(三周年):提督、三周年です。艦娘たち全員の執念でここまで来られました。これからもよろしく願いしますね。では、祝杯でも…。
ケッコンカッコカリ:結婚ですか…結構良いですね、なんて…あんまり上手くないですね。えっと、その…だ、Danke schön.(ダンケシェーン/どうもありがとう)
ケッコン後母港:提督、無理はなさらないで下さいね。
編成:装甲巡洋艦名前、出撃してきます。
出撃:装甲巡洋艦名前、出撃してきます。/装巡名前、抜錨しますね。
遠征選択時:素敵ですね。
アイテム発見:素敵ですね。
開戦:そうこう言っているうちに倒しちゃいますね。
航空戦開始時:(なし)
夜戦開始:追撃戦もついつい激戦になりそうです、なんて。
攻撃:そうこう言っているうちに倒しちゃいますね。/ふふっ、逃さないわよ。
小破:くっ。まだまだいけるわ。/この程度、勝敗には関係しないわ。
中破/大破:大破して大半がやられてしまいました…。
勝利MVP:私が一番ですか? Danke!(ダンケ/ありがとう)ふふっ、勝利のビールが飲みたいですね。
帰投:艦隊が帰投したみたいです。きっと上手くいったでしょう。
補給:Danke.(ダンケ/ありがとう)
改装/改修/改造:改修して怪獣みたいに強くなりますね。/ありがとうございマウス。/Danke schön.(ダンケシェーン/どうもありがとう)
入渠(小破以下):ちょっとお着替えしてきます。
入渠(中破以上):入渠妖精の要請を…。
建造完了:新しい娘が来たみたいですよ?
戦績表示:提督、お手紙が届いてますよ。
轟沈:そう…沈むのが私で良かった…。提督…お先に失礼しマウスね…。
放置:うーうー。放置報知器が鳴ってます。提督、構ってください。

深夜0時です。提督、日付が変わりましたよ。
午前1時。提督は夜更かしさんですか? 程々にして下さいね。
午前2時です。日本では丑三つ時って言うんですよね。モー。
午前3時ですよ。寝不足で大惨事にならないよう気をつけてくださいね。
午前4時です。外が明るくなってきましたね。
午前5時ですね。今のうちにデイリー任務を終わらせちゃいましょうか。
Guten Morgen.(グーテンモーグン/おはようございます)午前6時です。モーニングコーヒーでも淹れましょうか。
午前7時です。提督、朝ごはんを食べに行きましょう?
午前8時。提督、食後のコーヒーはいかがですか? とびきり美味しいのを淹れますよ。
午前9時です。あら、プリンツちゃん。え、ビスマルクちゃん? 見てないわね。戦艦だけに洗顔でもしてるのかも…なんて。あら、行っちゃった…。
午前10時です。仕事に従事するのは良いですけどたまには休憩してくださいね。
午前11時です。お腹が空きましたね。今日のお昼ごはんは何でしょう…。
正午です。やっとお昼ごはんですね。
午後1時です。一時的に暇ですね。隼鷹ちゃんの所に飲みに…げふげふ。遊びに行ってきます。
午後2時です。空を見上げたら虹がかかって…ないですね。
午後3時。間宮さんのデザートが食べたいで時間帯です。
午後4時です。用事があればいつでもどうぞ。
夕方5時です。駆逐艦ちゃんたちは元気があって良いわね。
Guten Abent.(グーテンアーベント/こんばんは)午後6時ですよ。
午後7時。晩ご飯のお供にビール、なんて素敵じゃないですか。え、だめ? ならワインにします…。
午後8時でーす。うふふ、ビールを浴びーるほど飲めていい気分です、なんて。ふっ、ふふっ、あはははっ。
午後9時です。ふぅ、お風呂って本当に素晴らしいですね。これだけでも日本に来て良かったわ。
午後10時です。そろそろ寝る準備をしましょうか。そうだ、提督も一緒に寝ますか? ふふっ、冗談です。
午後11時です。Gute Nacht.(グーテナハト/おやすみなさい)提督、良い夢を。




01.どいつもこいつもドイツ人


 ヒーローの卵たちが国立雄英高校に入学して二日目、朝のショートホームルームにて、出席簿を持った相澤が淡々と告げた言葉に教室内は湧き上がった。

「唐突だとは思うがドイツからの留学生がいる」

「うおおおおおっ!! 超学校っぽい!!」

 高校生活二日目にして海外からの留学生だなんて、始まったばかりの青春の序章を彩るには十二分すぎる。
 昨日の時点で窓際の一番後ろの席がぽっかりと空いていたのを全員が知っていたから、その席に座るべき人物がまさかの外国人という。
 これでその留学生とやらが女子ならばもっと素晴らしいと、一部の男子は扉の向こうに期待せざるを得なかった。他の生徒たちも少なからず期待していたのは確かだ。
 興奮冷めやまぬ生徒を余所に相澤が入ってこい、と教室の扉に向かって言うとそれは静かに開かれた。

 教室に入ってきたのは期待通りの女子だった。

「!」

 誰もが目を奪われてしまう。あの爆豪でさえ一瞬目を見張った。

 すらりと伸びた手足に、出るところは出てへこむべきところはきっちりへこんでいる身体。スタイルの良さは八百万以上かもしれない。
 何より外人特有の高い鼻に涼やかなグレーの瞳を備えた顔立ちは同い年とは思えぬほど大人びている。
 胸にかかるくらいの綺麗なブロンドを揺らして、教卓の横まで来るとクラスメイトを一瞥し、優しく微笑んだ。
 この超人社会で外国人が珍しいなどと、ありえない話だ。しかしその時の彼女の一挙手一投足には言い知れぬ魅力があったのだ。

「本来なら昨日の時点でここに居るはずだったんだが、一日勘違いして昨日の夜に日本に到着した。挨拶しろ」

 合理性を重んじる相澤に促され彼女が口を開く。

「Hallo. Freut mich. Ich heiße 名前・名字. Bitte mir 名前 rufen. 」

「え、英語だ……」
「これはドイツ語ですわ」

 上鳴の的外れな呟きに八百万がツッコミを入れるが、彼女の柔らかな笑みの前にはそんなのは些細なことであった。
 クラス内でも聞き取れ、理解できたのは八百万くらいだろう。
 挨拶を終えた名前はそのまま一つだけ空いた席に座ってショートホームルームを受けた。


 ショートホームルームが終わると、半数以上が新たに加わったクラスメイトの下に集まった。自分がドイツ語を喋れるかなどは一切気にしていないようだ。

「俺上鳴電気よろしくな!」
「オイラ峰田実!!」
「私麗日お茶子!……って日本語分かんないんやったっけ」

 ただにこにこと笑みを浮かべる名前に、日本語が分からないのだと判断し揃って肩を竦める。

「そだ、ヤオモモ通訳出来ないの?」
「ヒアリングなら多少出来ますけど話すのはあまり……」
「む、ならば英語ならばどうだ? マイネームイズ、テンヤ、イイダ」

 一か八か、日本人特有の片言な英語で自己紹介する飯田に、名前が初めて反応を示した。

「テンヤ?」

 軽く首を傾け頬に人差し指を当てて飯田の名前を復唱したのだ。
 これを一同は盛り上がり、気を良くして各々英語で自己紹介をしていけば、彼女も英語で返してくれる。

「テンヤ、オチャコ、モモ、デンキ、リキドー、キョーカ、エージロー、ミナ、ツユ、ハンタ、トール、ミノル、ユーガ」

 一人ひとり指を指しながら確認するように落ち着く声色で名前を呼んでゆく。赤ちゃんが初めて喋った時にも似た感動だ。

「パーフェクトですわ!」
「この調子でクラス全員分の名前と顔覚えてもらおうぜ」
「うむ、それに名字君にはこれから日本語を教えていかねばならんな!」
「オイラたちが手とり足取り……!」
「良からぬ日本語教えんなよ峰田」
「ぎゃ、逆にドイツ語教えてもらうのもええんちゃうかな!」
「おっ、それいいな!」
「ドイツ語を喋るボク。なんてかっこい……」
「ねぇ放課後名前誘ってどっか行こうよ!」
「良いわねそれ」
「ハッ。クラスの親睦を深めるための懇親会か、素晴らしいアイデアだ!」
「懇親会かぁ……いつかクラス全員で遊びに行きたいね!」

 名前を置いて会話を弾ませる彼らを、先程のように微笑んで見ている名前。別に解らないからとりあえず笑っとけという精神ではないのだ。

 目の前で交されている彼らの会話も、何なら彼女がこの教室に入って来る前に扉の向こう側から聞こえてきていた言葉も、実は全て理解しているのだ。

 そもそも日本語が話せないなどと一言も言っていない。
 皆が勝手にそう解釈して話を進めてしまったので名前もそれに乗り、日本語が喋れない振りをして内心楽しんでいる確信犯だ。
 笑みを浮かべているのも失笑してボロが出ないようにしているためである。

 名前が日本語を話せることを知って驚愕するまであと数時間。


 ※補足
 Hallo.(ハロー)=こんにちは。
 Freut mich.(フロイトミヒ)=初めまして。
 Ich heiße ○○.(イヒ ハイセ ○○)=私の名前は○○です。
 Bitte mir Taro rufen. (ビッテ ミア ○○ ルーフェン)=○○と呼んで下さい。

 訳すと「こんにちは、初めまして。私の名前は名前・名字です。名前って呼んで下さいね」って感じです。





02.戦闘訓練の後は銭湯にでも


 結局午後の授業が始まるまで名前は日本語が解らないドイツ人のままであった。
 そして午後のヒーロー基礎学の時間がやってきた。

「わーたーしーがー!……普通にドアから来た!!」

 アメリカンな笑い方で教室のドアから入ってきた銀世代(シルバーエイジ)のコスチュームのオールマイトにA組の生徒たちは興奮気味だが、つい昨日まで海外暮らしだった名前はネットニュースくらいでしか彼を見たことがなく、特にリアクションはない。

 ヒーロー科の午後に行われるヒーロー基礎学ではヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う旨をオールマイトが説明する。

「早速だが今日はコレ! 戦闘訓練!!」

 そう言ってオールマイトは“BATTLE”と書かれた札を掲げる。
 ヒーロー科らしい授業内容に奮起する生徒をさらに興奮させるものがオールマイトが持つリモコンにより現れる。
 教室の壁からせり出てきた棚の中には番号が印字されたケースが収納されており、各々の出席番号と同じ番号のケースを受け取る。
 国立というだけあって雄英高校には被服控除として入学前に提出した個性届けと要望に沿ったコスチュームをサポート会社が用意してくれるシステムがある。

 中を開けてみれば各々が思い浮かべていたコスチュームが入っていて、俄然やる気が湧く一同。

 名前のヒーローコスチュームはかつて自分が艦娘として生きていた時のそれだ。艤装は“個性”で出るため本当に衣装だけだが。



「ちなみに名字は放課後残って体力テストな」
「……」




・家庭訪問の課程(寮制に当たっての家庭訪問)

「我が家の提督とそのお嫁さんの鳳翔ちゃんです。徹底トークして下さい、なんて」


「名前さんが良ければ私は賛成です」
「俺も名前さんが良いのなら」
「……ご理解、ありがとうございます」

「あの、相澤さん」
「何でしょう……?」
「名前さんはマイペースすぎるところがあるのでご苦労をおかけすると思いますが、いざというときは頼りになる方です。是非よろしくお願いします」
「私からもお願いします」

「……名前さん、たまには電話して下さいね。待ってますから」
「ふふっ。jawohl.」

 相澤の心証は、とてもちぐはぐな家族だ。父親なのに娘に敬語を使い、母親は娘を友人のように扱い、娘は両親を年下のように扱う。


 ※補足 jawohl.(ヤヴォール)=了解




・お部屋公開

 コーヒーミルからサイフォンまで、コーヒーに対するこだわりが伺える良質な器具が揃っている。

「そうだ、本格ドイツコーヒーでも淹れましょうか?」




「必殺技、というほどではありませんが、“弾着観測射撃”が出来ます」

「ほぼ正確に相手に当て、かつクリティカルを叩き出すので色々と便利ですよ」


▽個性「御針子」の女の子(MHA)

デフォ名:針目紀糸(はりめ‐きいと)
 A組。好きなものはスイーツ、可愛い物。
 普段はキャピキャピ系で頭の軽い娘を演じているが本性はリアリストでかなり冷めている。

 腰下まである薄桃色の髪をお団子サイドテールにしている。ネクタイをリボン結びにしたりパニエを着用していたりと制服に独自のアレンジを加えている。
 デザイナー以外の可能性を見つけたくて親に内緒でヒーロー科に受験した。

 母親は業界最大手デザイン事務所の女社長であり世界屈指のデザイナー。娘である名前を自分の後継者にすべく厳しく育てており、雄英サポート科に進学させようとしていたがそれに反発した名前はこっそりヒーロー科を受験し見事合格。
 父親は名前が中学生の頃に他界している。


個性「御針子」
 自分の髪の毛を糸にした時だけ何でもどこにでも縫い付けることが出来る。(例:人を岩に縫い付ける)縫われた方に痛みはない。
 縫い方によって拘束強度が変わり、この“髪の毛の糸”は鋭利な刃物や個性で燃やしたり切ったりしない限りほぼ千切れぬほど強固。


※盛大なネタバレ
 実は両親は個性婚で、名前は二つの個性を併せ持つ。個性“御針子”は父親から受け継いだもの。
 父親の死の原因が母親であると思い込んでいるのと、“娘”ではなく“後継者”としか自分を見ていない母親が嫌いで母から受け継いだ方の個性は頑なに使おうとしない。
 母親は仕事一筋で家庭を顧みず家にもほとんど帰らなかったため子育てと家事は父親が負担していた。

 母親の個性は「軟化」。触れた物質を柔らかくする。ただし性質と強度は変わらない。この個性で特殊なヒーロースーツを手掛けている。




 母はとても尊大な人。


「親はサポート科に入れたがってたけど」
「もうあのギャルみたいなのはやらないのか?」
「一度崩れたイメージは違和感にしかならないからね。轟くんの前だけは、いつもの私」


「名前、」
「貴女が気にしていたのは“己の名声”と“世間体”だけ」


「その拘束から抜け出したかったらもう一つの個性使いなよ。そしたらすぐに抜け出せるし、私も簡単に倒せちゃうよ」
「……だったら名字も使えよ。じゃないとフェアじゃねぇだろ」
「っ! な、何を言ってるのかなぁ?」

「お前ももう一つ“個性”あるだろ」
「!」

「何で知ってるの……?」
「親父が話してるの聞いた」


 モデルはキルラの針目縫。



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