【男主のエイリア編】(涼野音無贔屓/inzm/BLD)

夢主設定

MF 風 中3 イメージCV:野/島/健/児
黒縁眼鏡にサンバイザーの優男
サッカーと料理は随一に上手い

元エイリアのマスターランクチーム所属
当時のエイリアネームは「ナマエ」
春奈たちと同じ施設で育ったが彼女たちが引き取られる数年前にお日さま園へ
お日さま園の中でも随一にサッカーが上手いのだがエイリア石の実験によりお日さま園にくる以前の記憶を失う
父さんの間違いを正すために瞳子と共にイナズマキャラバンへ乗り込む
春奈たちと触れ合うことにより徐々に記憶を取り戻していく

必殺技・スキル
スキル:イケメンUP
シュート:レインドロップ(オリジナル)
ドリブル:ウォーターベール
ブロック:クラウドカット(オリジナル)


男主のエイリア編01「終わりのはじまり」

 ことの始まりは至ってシンプルだった、それに加えて驚くほど唐突であった

「男主、ちょっといいですか」


 お日さま園と呼ばれる孤児たちが生活を共にしている施設の庭と呼ぶにはいささか広すぎるスペースで数人の子供たちがサッカーボールを追いかけていた
 黒塗りの高級感溢れる車から降りたのはお日さま園の創設者である責任者の吉良星二郎その人だった、この園に住む子供たちは彼を父と呼び慕っている
 横に立つ男が腕いっぱいのお土産を子供たちに渡す中、彼は嬉々とした表情で飛びついてくる子供たちを抱き留め話に相づちを打つ、それを数人の子供と交わすと本来の目的へと行動を移す

 父を他の子供にとられた子たちが庭で再びサッカーに興じている所へと足を運び冒頭のセリフを投げかけた
 黒く短い髪にサンバイザーを装着し藍色がかった黒縁眼鏡の少年、それが名字男主だった
 男主はこの施設に来る以前は別の施設にいたのだが吉良星二郎たっての希望によりお日さま園へと来たのだ、前の施設の友人たちと離れてしまうのは心細いものがあったが彼の人当たりの良さや親しみやすさにより他の子供たちともすぐに打ち解けられ、今では皆の兄的存在にまでなっていた
 彼もまた他の子供たち同様吉良のことを父同然に慕っていたのでサッカーボールを一緒に遊んでいた子供へと渡し、すぐさま吉良の元へと駆け寄る

「何? 父さん」
「ちょっと手伝ってほしいことがあるのです」
「俺にできることなら」

 吉良を信頼している彼は快く返事をし、一緒にサッカーをしていた子供たちに断りを入れ吉良の後をついて行く
 男主を連れた吉良は車へと戻り彼に入るように言う、促されるままに車へ乗り込んだ男主はそのままどこかへと連れて行かれることになる
 これから彼とその家族の運命が変わっていくことなどつゆ知らず、彼は急激に襲ってきた眠気に身を委ねるのだった


男主のエイリア編02

「男主、着きましたよ」
「ん……、ごめん寝てた」
「構いません、行きますよ」

 男主が起こされたときにはすでに目的地に着いていた、車から降り立った場所はどこかの建物内の様でハイテクという言葉が似合う内装であった
 見慣れない風景に目を白黒させつつ吉良の後ろを着いていくと一つの大きな扉の前で立ち止まった

「?」
「男主いいですか、この扉の向こうは他言無用です」
「あ、うん、わかったよ」

 男主は物分かりが良くて助かります、そう誉められ気持ちを高揚させた男主は吉良に続いて部屋に入った
 中は紫色の淡い光で満たされていた、大きな扉に似合う広さを有する部屋の中央にその光源が存在した、彼の身の丈以上の大きさの石だった
 石は見栄えよい形に整えられ紫色の淡い光を放っている、その光を目にとらえた刹那男主はその場から動くことを忘れたように石を見つめていた
 これは何かを秘めている、本能的にそれを悟ったはいいが巨大な存在を前にただ見つめることしかできなかった

「我々はそれをエイリア石と呼んでいます」
「エイリア、石……」
「そうです、そして我々はハイソルジャー計画を実行するのです」

 隣で彼同様に石を見つめた吉良の口から石の名前を知る、そしてハイソルジャー計画という未知なる企ての内容を聞くこととなった
 この石、もとい隕石の効力、そしてその効力を利用したサッカーによる日本の支配、全てが子供の話す空想のようで始めは信じがたかったが吉良星二郎の真剣な眼差しを目の当たりにしてみればそんな考えもどこかへ吹き飛んだ
 父が成し遂げたいことを手伝う、それは子供にとっては幸せの所行であり育ててくれた恩返しでもある、男主はハイソルジャー計画を成功させたいと、そう強く思った
 たとえ頭の隅ではやってはいけないことだと理解していても、全ては父のため、父さんの幸せのため
 男主がそう決意した時、部屋の扉が開き一人の男が入ってきた、今まで見たことのない男に男主は首を傾げる

「旦那様、準備は整いましてございます」
「わかりました、男主、彼はこの計画を手伝ってくれる剣崎くんです」
「初めまして、剣崎竜一です」
「初めまして、名字男主です」
「それでは早速、始めましょう」

 二人が言うにはこのエイリア石の人体実験を手伝ってほしいとのこと、園の中でも身体能力が高く発育の一番良い男主が選ばれたのだ


男主のエイリア編03「見えない記憶」

 剣崎に一任された人体実験は別室で行われた
 まず男主の基礎体力を測ることから始まったのだが、彼の身体能力は中学生の一般平均を遙かに凌駕しておりその場にいた研究員を唸らせた

 実験台に座らされた男主はされるがままに様々な端子を体に装着された、アニメのワンシーンのようで良くないことが起こりそうな予感を強くするが無理矢理振り払う
 消えない不安を瞳に宿す男主に剣崎が近づく、そのこけた頬が不気味さを増し男主の不安を煽るだけだった

「まずは神のアクアの試作品から」

 差し出されたグラスには無色透明の液体が入っており、それを飲むように指示される、得体の知れない液体を体に取り込むのは気が引けるが剣崎の言うことは吉良の言葉同然、指示通りに液体をのどに通す
 刹那、体が熱く火照り筋肉が大きく隆起するのがわかる、心拍数や血圧など様々な計測を行い体力を測定する
 神のアクアとエイリア石の実験が行われたのだがそれは激しい痛みと苦しみが伴うものだった

 その日の実験が終わる頃には肩で息をし疲労も溜まっていた、額に浮かぶ汗をタオルで拭えば結果の書かれているであろう紙を持った剣崎が声をかける

「本日はありがとうございました、お陰で良いデータが録れました」

 この調子なら神のアクアもエイリア石も完成は近い、そう口にした剣崎は口角を上げ男主を一瞥した


 疲労感からか帰りの車内でも熟睡していた男主が園に着いた頃にはすでに黄昏時だった、園を出たときは昼を過ぎた頃だったので随分と研究所に居たのだと理解できた
 剣崎に次の手伝いの日程を聞き別れた男主は庭を通り過ぎ園の中へと入る、その途中サッカーで遊ぶ子や花壇の手入れを手伝う子が男主に気付き寄ってきた
 どこへ行ってたの、何してたの、遊ぼうよ、などと攻め寄られたが研究所や計画のことは極秘、適当にはぐらかして玄関へと足を運んだ

「ただいまー、あれ、風介?」
「男主!」

 玄関を開ければ体育座りでうずくまる少年が目に入り、色素の薄い特徴的な髪型でその正体の名前を呟く
 風介と呼ばれた少年は彼の声を聞いた刹那、涙で濡れた顔を上げ彼に飛び付いた、一歳しか変わらぬ少年の体をバランスを崩しつつもしっかりと抱き留めてやりその頭を優しく撫でる

「どこ行ってたの?」
「父さんの手伝いでちょっとね」
「私にも言えないようなこと?」
「父さんとの約束だから」

 父さんの名を出せば風介も仕方ないといったように折れた、しかし表情は不満そうだ
 眉間によったしわをとるように男主の指が数回往復し、額に唇を落とせばすっかり眉間のしわも取れ、頬をほんのりと朱色に染める
 きっと男主が吉良に連れられてから一日中玄関にいたのだろう、泣いていたのか目元は赤く腫れており痛々しい
 自分も実験で汗を掻いていて体が気持ち悪い、へばり付いて離れない愛おしい子の目元の腫れを引かせるためにもと足を脱衣所へと動かした

「風介、風呂入ろう」
「うん、男主と一緒に入る」


男主のエイリア編04

 手伝いという名の実験は想像を絶するものであり、完成させるための代償は重かった
 神のアクアが完成した頃にはお日さま園に来る前の施設での記憶の殆どが失われた、その現象は実験の最中徐々に現れたのだが剣崎も他の研究員たちもそれをデータとしてしか扱わず男主の記憶は完全に消えていった
 そのおかげか神のアクアは副作用の無い完璧な作品として出来上がった、しかしそれをどうしようと誰が使おうと男主は知ろうとは思えなかった
 自分はただ父さんの為に、完成品をいずれ使うことになるであろうお日さま園の子供たちのために、エイリア石を完成させるためだけに研究所へ通っているのだと言い聞かせ体を動かした
 事前にエイリア石はお日さま園の子供たちが使用するのだと聞かされていたため、大切な家族のために彼は体を張った、たとえ記憶が失われようとも


 そして有に半年、エイリア石が副作用無しにその力を発揮できる状態に成るまでにかかった時間
 その時にはすでに男主の記憶はひどい結果となっていた、実の両親との記憶を失いお日さま園に来て間もない頃の思い出すらあやふやとなっている
 園の子供たち、とくに涼野風介にはそのことを悟られぬよう振る舞っていたが気づかれるのも時間の問題、否、男主のことに関しては敏感な彼のことだ、すでに気付かれているやもしれない

 エイリア石の完成から七日と経たぬ内にハイソルジャー計画は本格的に始動した、全ての子供たちに宇宙人としての名前が与えられチームに分け、その上チームごとにランクを付けられる
 年端もいかない子供にはいきなり宇宙人だのサッカーで地球を征服だの学校を破壊だの戸惑うことばかりだが、父さんのため、その言葉の前に疑いや戸惑いは意味をなさなかった
 園内で随一にサッカーが強くエイリア石完成の手伝いをした男主には自動的にジェネシスの地位が与えられ、ダイヤモンドダスト、ガイア、プロミネンスの3チームが彼を奪い合うような形となってしまった
 だが男主にとってそのようなことはどうでも良かった、皆が無事にエイリア石を使えていることに対する安堵だけが彼を支配している
 その傍らで自分のしていたことが本当に父さんの為であったのだろうか疑問を抱き始めていた
 ジェネシス計画を知った吉良の娘である瞳子が吉良に掛け合っている所を目撃してしまい、自分のやっていることの善悪がわからない状態に陥っていた
 大切な記憶を失ってまで父さんの間違いに気づかない振りをしているべきなのか、今の状態の彼では答えなど見つかりはしなかった


男主のエイリア編05

「ナマエ、こんな所にいたのかい、行こう」
「ああ……、ガゼル」

 ジェミニストームが破壊活動を開始して数日が経ったが男主は宇宙人になれずにいた、心に空いた何かを埋めたくても埋めることができないジレンマから抜け出せずにいた
 風介をガゼルと呼ぶことに抵抗を覚え、マスターランクチームのキャプテン三人との接し方にすら戸惑う始末、あんなに近くにいたはずなのにみんなが遠くに感じてしまう
 自分のチームを持たない男主はただぼんやりと会議室で過ごす日々を送っていた、思い出せない記憶を思いだそうと時折必死に頭を唸らせる
 そしてガゼルが会議室に現れ彼の手を取るのだ、行き先は決まって男主の部屋
 ベッドに男主を寝かせ上から多い被さるよう抱き付いて言うのだ

「過去の記憶が無くたって私たちと過ごした記憶があるじゃないか」
「ガゼル、」
「私はガゼルじゃない、男主がナマエじゃないように私はガゼルじゃない、風介だよ」

 呟く声は痛々しく、男主だけを見詰める双眼からは涙が零れ落ちる、男主はそれに唇を寄せ吸い取る

「ありがとう風介、でも思い出したいんだ」
「思い出してどうするんだっ、過去の記憶なんて思い出したところでもう過ぎたことなんだ、だったら……っ!」

 その先に続くはずだった言葉は男主によって奪われる、半ば無理矢理口付けられ舌を絡め取られる、酸素が足りなく頭がくらくらとぼやける
 しかしガゼルはそのキスが嫌いではなかった、彼が唯一頼ってくれているのが自分だからこそ、その口付けは世界で一番愛おしいキスだった


・以下、書きたいとこだけ書き留めただけ

「君は話してくれたよ、両親のこと、前の施設で出会った女の子のことを……」


「お前は私を裏切った、あんなに愛し、尽くしてきたというのに」


「おいお前、本気出せよ、それともこいつらの前では出せないのか?」
「おい男主、どういう……」
「教えてやるよ」
「っ、やめろ!」
「こいつはな、俺たちと同じエイリア学園の宇宙人なんだぜ」
「バーン!」

 沈黙が痛い、それ以上にみんなの視線が痛く突き刺さる、異物を拒む眼差しに男主の表情は曇る

「そんなの嘘です!」
「春奈……」
「男主くんは短い間だったけど確かに私やお兄ちゃんと一緒に育ったし、あの時だって苛められてた私を助けてくれたもの!」
「……俺も男主を信じる、男主とは短い間だったが一緒に過ごした、男主に記憶が無くとも俺たちが覚えている」
「春奈、有人……」
「はっ、そんなこと言ってられるのも今だけだぜ、そのうち嫌でも分かるときがくるさ、じゃあな、ナマエ」


 本来ならばジェネシスという名のチームができる予定だった、そのチームのキャプテンはエイリア学園でも随一に強い人だったがいなくなってしまった
 それ以来ジェネシスはエイリア学園の中で最も強いチームに与えられる称号となったのだ

「お前がいたらジェネシスの称号も……」


「プロミネンスとダイヤモンドダストが手を組んだ……?」
「つまりガイアがジェネシスに一番近いってことだよ、瞳子さん」
「……男主、」


「男主、あなたはベンチスタートよ」
「何故です監督! 男主の力は必要不可欠です」
「異論は認めないわ、これは監督命令よ」
「っ!」

 監督命令、その言葉に鬼道は押し黙るしかなかった、鬼道の言ったとおり男主の実力は明らかに上でありそれは他のメンバーも痛いほどにわかっている、だからこと彼をベンチスタートにすることに疑問が


「おいおいまじかよ、男主を出さねえとか勝つ気ねーだろ」


 皆の不安を的中させるがごとくカオスに一点を先制されアフロディのヘブンズタイムが破られ、すでに十点を入れられてしまった雷門、十一点目を円堂のメガトンヘッドが防いで見せた
 それにより雷門の士気が上がるが上手くリズムが掴めず未だにカオスが押している状態だった


 今までの様子をただベンチで見ていただけだった男主が不意に立ち上がる、それはベンチにいた他のメンバーもフィールドで息を整える選手たちも注目した
 小さく延びをした彼はトレードマークのサンバイザーを装着し直す、それを確認した瞳子が高らかに言葉を発する

「男主、後半から出てちょうだい」
「はい、みんな後半は俺にボールを集めて、点を取り戻す」

 男主の自信に満ちた言葉はメンバーを安堵させ更に士気を高めた、視線を横にずらしカオスを一瞥した彼の口元には笑みが浮かんでいた

 後半が始まりフィールドに立った男主はFWの位置にいた、それを見つめるガゼルは唇を噛み締め拳を強く握る
 何故雷門なんかにいるんだ、小さく呟いたその言葉は誰にも拾われることなく空気に溶け込んだ

 後半が開始されカオスがリードしていくがやはりダイヤモンドダストにパスを回そうとしないネッパー、そこを突いた鬼道がカットした
 男主の実力はエイリア学園の者ならば嫌というほど知っている、それに加えガゼルの指示もあってか彼には数人のマークが付いておりパスを回すことができない状態だった
 鬼道がゴール近くにいる彼にパスを回そうと見やるが彼は取り囲まれており不可能、仕方なく別の人へとパスを回そうした刹那、彼の声が響く

「俺の頭上にパスだ!」
「! わかった!」

 男主を信じ指示通りに彼の頭上目掛けボールを蹴る、地面を強く蹴った男主は空高く飛び上がりそのままオーバーヘッドでボールをゴール目掛け蹴りつけた

「レインドロップ!」

 残像により複数に分かれたボールは名前通り雨の如くゴールへと向かう

「ガゼル、バーン……俺はこの試合本気を出す」


「みんな楽しそうだね」
「グラン……」
「久しぶり男主」



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