ネタ帳


柳桜(ラランテス♂)
甘露(トロピウス♂)
花華夢(キュワワー♀)
 可愛い可愛い姫様。世界は自分を中心に回っていると本気で思っていて、実際に彼女に従うものはどんな命令もお願いとして捉えて叶えるから間違いではなくて。俺も姫様にお願いされたら間髪入れずに受け入れる男の一人で。

「夢路に会いたい。連れてきて」

 さすがにこの願い事だけはどうしようかと思ったけれども。だって姫様を慕って家族さえも捨て妹を道具のように扱って尽くしていたのに、傷物になったらもういらないとあっさり捨てられ男に「姫様がまたお前を望んでいるから戻ってこい」なんて言えるわけない。しかもあの人、捨てられたその日に花畑から去っていたはずだし。

「……確か人間社会に踏み込んだはずですが」
「じゃあ探してきて」
「え……でも姫様、俺たちが花畑を出て人間社会に行くの嫌いじゃ」
「だぁって、帰ってきてくれなかったら寂しいもん。でも私の可愛い可愛い柳桜は違うでしょ? 絶対に帰ってきてくれるって信じてるから行ってきても寂しくないわ! あ、なんなら貴方と親しい甘露も連れていくことも特別に許してあげる!」


「かむ、ねえって」
「だからさあ! ここではpuÅ、本名で呼ばないでって何度も言ってるでしょ!」

 心底迷惑、嫌悪しかありません。といった顔を隠すこともなく睨みつけてくるかむの姿は、昔の泣き虫で弱い彼女からでは想像ができない。「でもこっちで呼んだ方が反応してくれる」と言いながら小さい背中に引っ付いてみれば「ぞっとするからやめて」と腹部に肘鉄を受けた。本当に凶暴になってる。花畑から逃げたしてからどう生活すればこんなにも性格が変わるのだろうか。

「あのさあ、毎度毎度見かける度に鬱陶しいほど絡んでくるけどなんなの? 実は私のこと大好きなの? 甘えたいの?」
「…………」
「いや、あり得ないと分かり切ってるんだから冗談で言っているし、何も真顔で引かなくても」
「そうかも」

 頷いて肯定して見せれば目を真ん丸にする。そうやって百面相するところは昔の面影があるなあとぼんやり思う。あの弱いかむは保身のために仲間である領地の情報を売るような奴で軽蔑してたけどね。まあ、夢路や俺が脅したから泣きながら話すしかなかったんだけど。

「俺、今のかむは結構好き」
「は? 気持ち悪いからやめてください」

 そうやって死んだ魚ポケモンのような目をして本気で嫌がるところを見たらもっと構い倒したくなる。泣き顔が一番好きだし。と、伝えたところ「本当に勘弁して」と泣きそうな顔で言われたので、当分やめれそうになかった。

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