※ちょっと百合っぽい


「あんたなんか嫌い」
 彼女の柔らかい唇から出た言葉は、あまりにも鋭くて私は驚いてしまった。
そんな私の反応を見て、彼女は不満そうに可愛らしい顔を歪める。

「またあの部屋に閉じ込めてやる」

 私に背を向けた彼女は、私の手を掴み引っ張ってずんずんと早足で歩く。私が抵抗せずに、彼女のなすがままになっていることを、彼女は快く思わないのだろう。彼女の爪が私の手の甲に深く食い込んだ。

「なんであたしはあんたを白い部屋に閉じ込めると思う? 普通閉じ込めるなら、絶望するくらい暗い黒い部屋に閉じ込めると思わない?」

 私が彼女の問いかけに、そうだねと答えると、その返事を待っていたかのように、私の方を振り向いた彼女は私の顔を見てニヤリと笑った。

「黒い部屋はね、どんな異物でも黒く染めて受け入れるでしょう? でも白は違う。
白はどんなものも拒絶して、拒絶したものに孤独を与える。だからあたしはあんたを白い部屋に閉じ込めてやるの」

 意地の悪い笑みを浮かべた彼女に、私は出来る限り柔らかく微笑みかける。
私の笑みにまた機嫌を悪くした彼女は、私の手を取りまた歩き出す。そして私はまた彼女によって白い部屋へと閉じ込められるのだ。

「あんたなんか嫌い」



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