Beautiful Night - side.BEAST
「捻くれてるなぁ…。」
誰かが、そう言った。
今回の新曲、Beautiful Nightではみんな派手な髪色に染め上げていて。
ヒョンスンの赤髪なんて、Mysteryの僕の髪色とまるで同じだった。
みんなが派手だと、僕が目立てなくなる。
いつも地味な髪色ばっかりだったから、目立てるように敢えて奇抜にしていたんだけど。
赤髪も居れば金髪緑メッシュも居るし、紫なんだか青なんだか解らない髪色をしている奴だってメンバー内に居た。
ヨソプはなに、あれはオレンジなの?
「なんでなまえ、黒髪なの?似合うけど。」
「みんなが派手だから。」
「…なまえってヒョンスニヒョンとはまた違う意味の四次元だよね。…いや、捻くれ者か。」
「僕はあそこまでおかしくないよ。」
僕個人で撮った映像を確認しているとき、いつの間にか居たドンウンに髪について訊かれた。
黒髪なのは、みんなが派手だから。
それしか理由がなかったからそのままドンウンに言うと、ドンウンは捻くれ者だと言う。
100歩譲って、捻くれ者は認めるよ。
みんなと同じ…なんて、死んでも嫌だからね。
だけど、だからと言ってヒョンスンと同じ四次元人間にはしないでほしい。
あれはまた別次元の話しだ。
「どうせこの黒髪、保たないんでしょ?」
「またすぐ染めるだろうね。」
「黒髪似合ってるけどなー。勿体無い。」
「黒髪だと落ち着かないんだよ。」
ドンウンはどうも、僕の珍しい黒髪をお気に召したようだった。
これは正直BEASTのメンバー全員から好評ではあったけど、僕からしてみたら黒髪なんていう生まれたままの髪色、落ち着かない。
まあ、ドンウンがさっさと金髪を止めたら金髪にでもするつもりでいる。
赤髪とかオレンジみたいなのとか、そんな色が居るうちに変に奇抜にしたところで、一緒くたにされるだけだしね。
僕の黒髪が無くなるのが惜しいのか、見て解るほど落ち込むドンウン。
少し寂しげなオーラを放つドンウンは、さしずめご主人を待っている大型犬だ。
「まあ、Beautiful Nightの活動が終わるまではこの髪型なんだし。」
「ずっと黒でも良いのに。」
「それは嫌だよ。僕、今のドンウナの髪色も髪型もかっこよくて好きだけど、ずっとそのままだと飽きちゃうし。それと同じだよ。」
黒髪を推してくるドンウン。
そんなドンウンに髪色なんかを変える理由を言うが、納得してくれない。
ファンだって、ずっと同じ髪色や髪型を続けていけば、飽きてしまうはずだ。
それはドンウン自身だって解っているはずなのに、まるで子どもみたいだな。
「じゃあ、たまには黒髪にしてね。」
「…約束は出来ないけど、良いよ。」
「約束しようよー!」
どうにかしてでも黒髪にさせたいらしいドンウンと、約束したくない僕。
ふたりで戯れていたら、僕のあとに撮影のあるドゥジュンに怒られてしまった。
ああ、もう。
怒られたのはドンウンのせいだ。
この日はドンウンを丸一日パシリにして、ようやく終わることが出来た。
…まあ、気が向いたら黒髪にしてやろう。
(ドンウナ、何してんだよ。)
(ジュニョニヒョン…。パシリですよ…。)
(またなまえを怒らせたのか?)
(飽きないねー。)
(たまには勉強しないとー。)
(なまえがワガママなんですもん!)
(なんだって?)
(わあ!!なまえ!!)
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