GOOD LUCK - side.BEAST




今回の曲も、僕のパートは多かった。
ウギョルにSHOW TIMEにで忙しいから練習時間も短く、乗り気はしなかったけど、僕はメインダンサーだしやれるだけやるしかない。

前回のカムバック以降、伸ばしていた髪を、ミュージックビデオ撮影の前日に切った。
何故か、と言えば、邪魔だったから。

SHOW TIMEまでは普通だったのに、急にバッサリ切ったからなのか周りは驚いていた。
そんなに驚くこと?
まあ、コンセプトとかもろもろもあったのに前日に切られたら、そりゃ驚くか。
マネージャーから話しを聞いた社長は、今回ばかりは呆れていたみたいだけど。



「なまえ、一応今はレオくんの奥さんなんだって自覚持ちなよ…。」

「なんで?」

「いや、奥さんが男勝りショートって…。」

「しかもかっこいいもんね。」

「男は複雑だぞ…。」

「?どういうことなの?」



今の僕は、あのMystery時代を完全復活したような髪型になっている。
あのときは反応が良かったのに、今はあまり反応がよろしくない。

しかもみんなが口を揃えて言うのは、ウギョルのことに関してだった。

テグンの奥さんだからって、ショートにしたのと何か関係あると言うのか?
そう思っていると、ドゥジュンたちはそれぞれの理想を語っていた。

なるほど。
みんなロングの奥さんの方が良いってことか。
よく言うよね、気にしないくせに。



「レオ、驚くんだろうなー。」

「…別に、驚いてなかったよ。いつも通り無表情で、変わりなかった。」

「え、お前いつの間に会ったんだよ!」

「煩いな…。」



レオ驚くんだろうなー、なんて言うヨソプ。
残念ながら、テグンはヨソプが想像しているようなリアクションは取ってない。

いつも通りだった、と言えば、今度はドゥジュンが食いついて来た。
別に今は宿舎を出てひとりで暮らしているんだから、危なくなければ何をしたって平気だろ。
本当に、ドゥジュンは過保護過ぎる。



「俺は今のなまえ、良いと思うけどな。」

「離れて。僕は今、テグンのモノだから。」

「は?え、なに…お前ら付き合ってんの?」

「じゃ、そろそろ女装するかな。」

「ヤァなまえ!逃げるな!」



後ろからギュッと抱き締めて来るジュンヒョンを、冷たくあしらう。
そうだよね、ジュンヒョンはMysteryのときの髪型、気に入っているもんね。
でもだからって、抱き着く必要は無いだろう。

いつまで経っても変わらない、僕へは激しいスキンシップに溜息が溢れる。

離れようとしないジュンヒョンに呆れて「僕は今テグンのモノだから」と言うとジュンヒョンは慌てたように離れた。
何か文句を言って来るけど、気にしていられるほど時間に余裕はない。
僕は女装するために、メイク室に向かった。



「うわぁ…。緊張する…。」

「なんでドンウナが緊張するの?別に、ドンウナがいつも女を抱いてるときと同じ要領で」

「わーわーわーっ!!」



メイクを済ませてから、まずはドンウンと女装した僕の撮影が始まる。
ベッドシーンに緊張しているのか、ドンウンはガチガチになっていた。
童貞じゃあるまいし、今さら何をそんなに緊張する必要があるんだか。

アドバイスとして、「ドンウンがいつも女を抱いてるときと同じ要領でしたら良い」と言おうと思ったんだけど、遮られてしまった。
顔を真っ赤にさせて、何を言っているんだ。

良い歳した大人が未経験なワケないから例えたのに、このドンウンの反応は、まるで思春期の男子高校生みたいで。
そんなかわいいドンウンに腕を伸ばして首に回すと、ドンウンの身体がピクリと震えた。



「あ、あんまり近付かない方が…っ。」

「なんで?欲情でもした?」

「そ、そうじゃなくてっ。レオさん、が…怒ると、思って…。」

「ばーか。僕はドンウナだからやってるの。ドンウナじゃなきゃこんなことしないしドンウナだからこそ、テグンも何も言わないよ。」



照れ臭そうに、僕から視線をズラすドンウン。
ベッドの上に横になって、ドンウンを意図的に自分の上に乗せる。
絵面的にはドンウンが僕を押し倒して、僕がそんなドンウンに応えている感じ。

首に回した腕でドンウンの顔を近付けると、ドンウンの顔はさらに赤くなった。
ドンウンって実はウブなんだろうか。

だけどどうやらドンウンは、テグンの反応を気にしているらしい。
僕たちは仮想の夫婦なんだし(ちょっと距離は近付いて来ているけど)、ドンウンが気にするようなことではないんだ。



「おーい。可哀想だから、あんまりドンウナのことイジメるなよー?」

「イジメるって言うより、ドンウナがなまえに遊ばれてるだけじゃん。」

「それもどうかと思うけど。」



かわいい反応をするドンウンで遊んでいると、撮影を見ていたメンバーに止められる。
ケラケラと笑っているし、本気で注意してるわけじゃなさそうだけど。

僕がリードする、という男としたら恥ずかしい事態になりながらも撮影は終える。
終わったあと涙目になったドンウンから「心臓に悪いからやめて」と言われて、「欲情しちゃったんだね」と冗談で返すとドゥジュンに思い切り頭を叩かれた。






(それくらいにしといてやれって。)

(反応がかわいいのが悪いんだよ。)

(おい。言われてんぞ、ドンウナ。)

(なまえに恥が無さ過ぎるんだってば!)

(失礼な。僕にも恥じらいくらいあるよ。)

(どうなんだか。)



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