YeY - side.BEAST
『なまえがチャラい…。』
「は?」
今日はYeYの撮影。
どうせ僕の兄のことは世間に広まっているんだから、と言うことで前回からまたしても短いスパンだけど一時期の兄と同じ髪型にしてみた。
やっぱり、短い方が落ち着く。
ヒョンスンが撮影しているところをボーッと見ていると、あとから来たドンウンが僕を見て、驚いたようにチャラいと日本語で言ってきた。
誰だよ、馬鹿なドンウンに余計な日本語を教えた馬鹿な奴は。
「余計な日本語は覚えなくて良いよ。」
「んん…。でも、"チャラい"よなまえ…。」
「良いよチャラくて。僕のロールモデルはジン兄なんだし。曲にも合うだろ。」
「うぅ…」と言いながら、千鳥足で僕に近付いてくるドンウン。
なに、酔っ払いなの?
何度もチャラいとドンウンに言われて、段々取り合うのが面倒になってくる。
だから「それで良いよ」と言えば、「なまえは女の子だからチャラいのは駄目!」と真剣な表情で言ってきた。
なら、どうしたら良いって言うんだ?
「髪の毛もオレンジで僕はなまえの頭皮も心配ですよ…」なんて泣き真似をするドンウン。
やっぱりこいつ、馬鹿なんだね。
いや、ドンウンが馬鹿なのは知ってたけど。
「はぁ…。疲れた…。」
「なまえ、疲れるの早くない?」
「…ドンウナの相手したら、疲れたんだよ。」
遅れて来たドンウンの撮影になり、やっと解放されたら一気に疲れが襲って来た。
ドンウンは悪い奴じゃないし、気に入ってはいるが…ああいう絡みが疲れる。
「疲れた…」と呟きながらソファーでのんびりしていると、撮影を終えたギグァンがやって来て、僕の隣に腰掛けた。
「疲れるの早くない?」とギグァンは言ってくるけど、こればかりは仕方がない。
これから全体撮りもあるのに、ドンウンのせいで早くも疲れたじゃないか。
素直に「ドンウンの相手をしたら疲れた」と言うと、ケラケラと笑うギグァン。
こいつ、ことの重要性を解っていないな…。
「あれ?それ、レオくんに貰った指輪?」
「ん?…ああ、そうだよ。」
ひとしきり笑い終えたのか、僕の指を見て目敏く指輪を見付けたギグァン。
それをテグンから貰ったものかと指摘して来たから、そうだと普通に返すとギグァンはかなり驚いていた。
まあ、ギグァンが驚くのも無理はない。
隠していたとは言え、ジュンヒョンとのときはジュンヒョンから貰ったアクセサリーは絶対にお揃いで着けることはしなかったし、そもそもGOOD LUCKや12:30でもバレないようにと他の指輪と一緒に着けることで目眩まししていたくらいなんだ。
そんな僕が、こうしてテグンからの指輪をひとつだけ着けるということは珍しいことで。
その指輪を見ながら、僕も変わったな、とひとりごちていた。
「なまえは今、幸せそうだね。」
「…そうかもね。ジュニョンと過ごした期間が幸せじゃなかったわけじゃないけど、僕はテグンと居る今が…すごく幸せだ。」
こうして堂々と着けられるのも、BEASTが少しずつ兄に近付き、僕自身も兄さんに近付いているからなんだと思う。
認知が高まって、賞も獲れるようになった。
みんなに、認めてもらえてきている。
それにテグンとはウギョルを通しても公開しているから、逃げ道だってあるからね。
僕は良いにしても、公開恋愛をするにはテグンのグループにはまだ、少し早過ぎる。
指輪を着けている僕を見て「幸せそうだね」と言ってくるギグァン。
ギグァンの言う通り、僕は幸せだと思うよ。
昔のように、何かの陰に怯えることもなく、素直に…吹っ切れたようにテグンと接することが出来るから、なおさらね。
「なまえー!ギグァーン!撮影!始まる!」
「はいはい…。そんな大声で呼ばなくても、ちゃんと聞こえてるよ。」
「ヒョンスナは元気だねー。」
元気よく僕とギグァンを呼ぶヒョンスンは、さしずめ子どものよう。
そんなヒョンスンを笑いながら歩いていくギグァンの背中を見て、僕だけじゃなく、みんな成長したんだなと強く思った。
さて、と…。
僕も頑張るかな、ダンス。
ファンのみんなにもBEASTにも…テグンからのこの指輪、見せ付けてあげなきゃね?
(うーわ、指輪見せびらかしてるよね。)
(レオさんにベタ惚れし過ぎだよー…。)
(解りやすーい。)
(ジュニョンのときとは大違いだね。)
(そこで俺を出すなよ。)
(あのとき若かったし不安定だったから。)
(お前の年齢で若かったとか言うなよ!)
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