SHOCK - side.BEAST




どうして、こうなった?



「わぁあ…!」

「なまえかわい!」

「…嬉しくない。」



僕は今ソファーに座っていて、BEASTのメンバーに囲まれている。
たったワンシーンを撮るためだけに、無理に女装をさせられている僕。
化粧だって女の子用に変えられて、まるで僕じゃないみたいだった。

納得がいかない。
事務所の女の子でも使えば良いのに、僕の売り方と言うよりも何故わざわざ僕がこんな手間をかけなきゃいけないのかが納得出来ないんだ。

ヨソプを筆頭に、ヒョンスンたちが女装した僕を見て次々と褒めまくる。
女の子女の子した自分はあまり好きじゃないから、かわいいと言われても嬉しくない。

ムスッ…と不貞腐れていると、誰かから優しく頭を撫でられる。
チラリとそっちに視線を向けると、ジュンヒョンが僕の頭を撫でていた。



「これ、カツラ?」

「ウィッグね。当たり前だろ。僕はさっきまでショートだったし、色だって違うんだ。」



これカツラ?、なんて言いながらも撫でる手を止めないジュンヒョン。
最初の頃はあまりスキンシップをしないジュンヒョンのこんな行動にメンバーも驚いていたけど、さすがに今はもう慣れたらしい。

ジュンヒョンのことなんて突っ込まず、「最近のウィッグって地毛みたいだねー」なんてくだらない感想を言っていた。
おい、誰かジュンヒョンを止めろ。
ウィッグの位置がズレる。



「やっぱなまえも、女なんだな。」

「煩いな。そうだよ、女だよ。だからって、こんな格好させなくても良いじゃないか。」

「ばーか。似合ってっからさせてんだろ?かわいいと思うよ、お前の女の姿。」



やっぱり女なんだな、と言うジュンヒョン。
メンバーの感想なんかは相手にせず、僕はジュンヒョンに抗議した。

「僕が女だからってこんな格好させなくても良いじゃないか」と言うとジュンヒョンは、「ばーか」と言いながらデコピンをしてきた。
…地味に痛いんだけど。

「似合ってっからさせてんだろ」という言葉に続いて、「かわいいと思うよ」と言ってくる。
ジュンヒョンは"女装"とは言わず、"女の姿"と確かに言ってきた。
それがなんとなく、なんとなくだけど…嬉しいと思ってしまった自分がいる。

ドンウンから訊いた話しでは、ジュンヒョンはそんなことを言ってくるような人間ではないはず、なのに…。
この目の前の男は本当にジュンヒョンなのだろうか、と疑いたくなる。

ああ、もう。
調子が狂う。

本当ならこの撮影が終わって事務所に乗り込んで、もう女装をさせるな、と社長に直談判でもしようと思っていたのに。
こいつに褒められると、悪い気がしないのが自分で嫌になってきた。






(わ、綺麗に撮れてるじゃーん!)

(女って変わるんだな…恐ろしい…。)

(ねぇドゥジュン、それはどういう意味?)

(うわ!びっくりした!)

(ドゥジュン?)

(悪かったって!本当怖いなおまえ!)



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