僕の人生を振り返る




ダメなのかなって思った。僕はただ強がりなだけな部分もあるし、強いところもある。あるけど…やっぱりひとりの人間だから、弱い部分が多い。練習生とは馴染もうとしないから、というのも悪いんだろうけど、でもやっぱり、ひとりは少し心細くもなるし、精神だって弱々しくなってしまう。僕は弱虫だ。

僕の居場所は何処にもない。それはデビューしてからだってそう。BEASTとして認めてもらえないし、メンバーとも馴染めない。まあ練習生時代ともに過ごしたメンバーだから、僕が関わっていなかったし冷たくしていたことも大きく関係して馴染めていないんだろうけどね。ドンウン以外の何人かは少し、寄り添って来ようとしてくれているのが解るのにそれを突き放すなんて、僕は本当に子どもだと思う。考えがものすごく、幼かった。

デビューして1年。ファンにも認められたしメンバーとも親しくなった。昔は、友だちごっこなんてくだらない、と思っていたけどそれも必要な過程で。兄だって四六時中一緒なわけではないけどメンバー同士で親しい関係を築いていたし。僕も見習わなければならなかったからドンウンにお願いして、メンバーとの距離を縮めさせてもらったんだ。だから距離はもう、最初の頃ほどまではない。

デビューして2年。恋人が出来た。気付いたら側に居てくれた、大切な奴。知らない間に、僕にとって必要不可欠になっていた。知らない間って怖いものだね。楽しいこともあったし幸せなこともあった。喧嘩だってして、傷付き合って…仲直りして。こんなやり取りをずっとしたことがなかったから、些細なことでも嬉しかった。大切な人が居ると言うのは、心も何もかもが安らぐんだなと思ったんだ。それに間違いはないと思ってる。そして、その幸せには別れだってあるんだと気付かされた。

デビューして3年。すべてが壊れたと思った。だけどそんなことはなかったと思わせてくれたのはドンウンで。やっぱりドンウンは、僕にとって精神を安定させてくれる良い友人であり、失いたくない存在。ドンウンのおかげで笑っていられることが出来た。どんな記事が流れたって、ドンウンがいつもカバーしてくれたから。その優しさは本当に有り難い。ドンウンよりも良い男なんて、きっと居ないと思えるくらいにかっこよく見えた。

デビューして4年。気分を変えた。そして振られた男が考えたリリックを変えてやったんだ。屈辱そうな嬉しそうな微妙な表情を浮かべていた。そして何故かまた、僕に近寄って来る。鬱陶しいし戻るつもりはない、と何度も言ったけど、昔と同じような接し方に戻れたことは嬉しかった。僕だって人間だもの。一度は親身になった人間と関係が疎遠になれば、復縁したときに嬉しさだって感じる。鬱陶しいんだけどね。

デビューして5年。不思議な仕事が来た。これもある意味リアリティー番組。流石の僕も、1年間で2本もリアリティー番組を掛け持ちするとは思わなかった。最初は意味が解らなかったしいろいろと腹を立てたりしたけど、なんだかんだで悪いところなんてない。仮想結婚に至っては全然理解出来なかったけど。まあ、仮想にしろなんにしろ理解は出来なくとも良い経験にはなった…と、思う。それとメンバーは、もう少し僕に興味を持っても良いと思うよ。

そして今。デビューして6年。僕の隣には仮想の旦那が居る。結婚なんてするべき時期なんかではないから、仮想は仮想だけど。いろんな意味では本物になっている。昔より素直な自分に虫唾が走るが、まあ素直になれなくて衝突が多かったあの頃よりはマシだろう。相手だって大人なところもあるからね。まあ、末っ子だから末っ子気質なところがある、とあいつのリーダーが言っていたけど。僕も末っ子だけど、そんなものないよ。末っ子気質っていったいなんなんだい?…それより、僕は今がすごく幸せだと思うよ。忙しいし大変だけど、誰か頼れる人が居ると変わる。ドンウンとあいつのおかげで、忙しさも乗り切れたんだ。



「僕は幸せなんだね。」

「…?…急になんだ?」

「いや…昔は別として、今は幸せだなって。」

「…かわいい。」

「苦しい。離れて。…本当に、キミはすぐにハグする癖、どうにかした方が良いと思うよ。」



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