閑話休題 ( 4 / 4 )
「ズルい。」
「………突然何を言ってるの?」
ショータイムの収録を控え、スタイリストにメイクや衣装をお願いしていると横からドンウンが現れ、理解出来ないことを言った。
急に現れたドンウンは拗ねてるし…。
何が言いたくて何がしたいのか、さっぱり解らない(いつものことだけど)。
ドンウンが何に対して「ズルい」と言っているのかも解らないし、拗ねている原因だってまったくもって心当たりがない。
どちらかが解ればすべて解るだろうが、今はそれを考えるのすら面倒だと思う。
けれど"これ"を放置したらしたで、もっと面倒なことになるだろうから何を言いたいのか言えと遠回しにドンウンに伝えた。
「レオさんズルい。なんでなまえはそんなにレオさんに対して甘いの?」
「あ、僕もそれ思った。僕たちが日本語で困ってても知らんぷりで助けてくれないのに、レオにはすぐ手助けしてたよね。」
「…何それ。」
気持ちは理解しかねるが、どうにもドンウンはテグンに対して拗ねているらしい。
理由は、僕がテグンに甘いから、だとか。
寝言は寝て言え、と思って無視しようと思ったのも束の間、会話に混ざってきたギグァンのせいで余計にややこしくなってしまった。
ギグァンの「レオにはすぐ手助けしてた」という発言に、激しく同調するドンウン。
確かに、そう言った面ではテグンに対してこいつらよりも甘かった自覚はある。
けれどあれは番組であって、僕が理解出来ることならばカバーしてあげなきゃいけない。
こいつらは、それを解っているんだろうか。
…まあ、解っていても言っているんだろうな。
こいつらはそういう奴らだし。
「やっぱり旦那さんだから甘いの!?」
「叫ばないでよ…。はあ。一度キミたちを甘やかしたら、ずっと僕に頼るだろ。」
「そんなことないっ。」
まったく。
僕が「甘やかせばずっと頼るだろ」と言えば、ドンウンは「そんなことない」と必死な剣幕で否定してくるけど。
日本語がからっきしだったとき、飲食店に立ち寄ったときのメニューを訳してあげたことがあるのを忘れているのだろうか?
あれからしばらく勉強する気がないかの如く、ずっと僕に翻訳を頼ったくせに。
怒ったらさすがに勉強しだしたけど。
あれは僕、忘れてないよ。
「そう言えば、なまえはレオの歌声すっげー褒めてたよな。ヨソパを出して。」
「そうだよ!あれオレ貶されてたし!あ、次ギグァンだから行って。」
どう言ってやろうか、と思っていると、何故かドゥジュンとヨソプまで加わって来た。
もっと面倒なことになって来たな…。
どうやらヨソプはテグンの歌について、僕がヨソプよりも上手いと言ったことが気に入らないようだった(たぶん)。
拗ねるように頬を膨らませる姿は、ただの子どものようにも思える。
こいつ、ホントあざとい。
「オレらにも優しくしてよ!」
「充分優しくしてるでしょ。」
「そんなことない。」
「確かに前よりは優しいけど、レオと比べると全然冷たいじゃん!」
「ヒョンたちの言う通り!」
…疲れた。
前よりも優しくはなった、と自覚はあるらしいが、それでも気に入らないらしい。
ギグァンとヒョンスンとジュンヒョンは撮影で居ないけど、それでもヨソプとドゥジュンが加わったことでさらに面倒になった。
いや、そもそも番組とプライベートで比べること自体間違ってると思う。
あくまでも、ウギョルはウギョル。
仮想ではあるけれど、夫婦なのに冷たくてフォロー出来ないなんておかしな話だ。
どう言ったらこいつらは納得するのやら。
相手にするのも面倒だから、もうこいつらは放置することに決めた。
数分後。
放置してもぎゃあぎゃあと騒ぐ3人(主にドンウンとヨソプ)に僕の怒りが爆発したのは、まあ当然、言うまでもないだろう。
「煩い!!」
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