散らばった星屑
「だめよ!絶対に反対!」
…これで、何回目だろうか。
デビュー組として練習生が分けられた。そこに女の子は、ぼくひとり。デビュー組になれると解っただけで嬉しくなったぼくは、お兄さんも含めてお世話になっている先輩たちの一部に報告したんだけど…。
たぶん、それが間違いだった。
「だめだめ!なまえちゃん!僕は絶対に反対だからね!」
「そうだわ、デビューするなら少女時代に加入で良いじゃない!それが平和よ!」
「それもだめッ!加入ならsuper juniorだよね?ハンギョナも居るし、僕はなまえちゃんならいつでも大歓迎だよ!」
「ちょっと!オッパは黙ってて!」
ぼくがボーイズグループの紅一点として異質デビューすることは、現デビュー組には既に全員に知られていて。休憩時間に少し練習室を出ただけで、先輩である兄さんと姉さんに囲まれてしまった。誰が漏らしたんだろう。
目の前で言い争っているのは、ジョンス兄さんとジェシカ姉さん。この場には他にも兄さん姉さんは居るけど、主にこのふたりが言い争っている。ぼくのことなんかで揉めなくても良いのに、とは思うけれど、何故かこの人たちはいつもそうだ。
「よう、なまえ。困ってんな。」
「……ヒチョルオッパ、グーグ…。」
この状況をどうしようかと慌てていると、ポンと肩を叩かれる。振り返ってみるとそこにはヒチョルお兄さんとグンお兄さんが居て、楽しそうに笑っていた。ぼくからしたら、これは決して笑いごとなんかではない。
「困ってんな」という言葉に頷きで返すと、ヒチョルお兄さんは顎で練習室に戻るように促してきた。つまりはヒチョルお兄さんがどうにかしてくれる、ということなんだろうけど…本当に大丈夫なのだろうか。
ヒチョルお兄さんに任せて大丈夫なのかどうかという不安はあるけれど、こちらには時間制限というものがある。あと数分で休憩時間は終わってしまうから、有り難いと言えば有り難いのだけれど…かなり不安だ。まあグンお兄さんが居るから大丈夫だとは思うけど。
まあ、どのみちぼくひとりではどうしようもないので、やはりヒチョルお兄さんとグンお兄さんに任せることにしよう。(主に)ヒチョルお兄さんが相手なら、ジェシカ姉さんもジョンス兄さんも言うことは訊くだろうし。
偉大な先輩たちに愛されていることは嬉しいけど…ここまで来ると、ちょっと大変。背を向けて歩き出した数秒後にジョンス兄さんの断末魔のような叫び声が聞こえたような気がしたのは…うん、気にしないでおこう。