寂しがり屋ボーイ
「なまえ、なまえ…。」
「んぅ…。………おっぱ?」
陽射しの眩しさと、愛しい人の声で眼が覚める。どうしてこの人がぼくの家に?今日は練習や仕事…は、休みか。なるほど。
練習生はほぼ全員事務所寮住まいだけど、ぼくは宿舎じゃなくてグンお兄さんとヒチョルお兄さんが借りてくれた家に住まわせてもらってる。寮だと遅くまで勉強させられないから、と言う理由らしいけど、様子を見てる限りじゃたまに宿舎を抜け出したくなるふたり(主にヒチョルお兄さん)のための家な気がしてならない。まあそのお陰でこうしてジョンウンお兄さんと居られるから良いんだけど。
それより、この人はどうして此処に居るんだろうか。今日がオフとは訊いていたし、特に驚くこともないけれど。でも、出掛ける約束はしていたにしろその時間まではまだある。
「なんで居るの…?」
「貰った合鍵も使ってみたかったし、なまえに会いたかったから。…もうすぐ、簡単には会えなくなるしな。」
起こされたとは言っても、まだ眠い。昨日も自主練で遅くまで事務所に残っていたから、約束の時間に間に合うまでは寝ていたかったのが本音。つまり布団が離せない。
寝たまま「なんで居るの?」と訊けば、ジョンウンお兄さんは困ったように笑みを浮かべながら「会いたかった」と言う。そしてそのあとに続けられた「簡単には会えなくなる」と言う言葉に心が痛んだ。
そうか、ジョンウンお兄さんは、もうちょっとでヒチョルお兄さんと同じ役目を果たさなきゃいけなくなるのか。そう思うとなんだかすごく寂しくて、離れ難かった布団からもすんなりと起き上がれた。
「おはよう、なまえ。」
「ん…。おはよう、おっぱ。」
ぼくが起き上がったと同時に降ってきた、キスの雨。それを甘んじて受けていると、わりと簡単にそれは終わって次はジョンウンお兄さんが布団に倒れこんだ。なんだ?
「やっぱり、もう少し寝よう。久しぶりになまえを抱き枕にしたくなった。」
「…じゃあぼくは、おっぱをだきまくらにするから…ねる…。」
身体は起きてもすべてが起ききれてないぼくは、呂律も回ってなくて。普段よりも下手くそな韓国語で話しながら、ジョンウンお兄さんの腕に抱かれて目を閉じた。