小さな仔犬




ぶるぶる。ぶるぶる。目の前の人物を見て、そんな効果音が付きそうだと思った。

ハンギョン兄さんの妹として紹介された練習生、名前はハン・なまえ。さすが妹と言うべきか、血筋を感じさせられる整った顔立ちとショートヘアーのせいで、女の子なのにまるで美少年のように思えた。



「よ、よろしく、お願いします…。」



13人も居るからなのか、それともただ単に人見知りなのか(たぶん両方だな)挙動不振さながら拙い韓国語で挨拶をされた。ヒチョル兄さんは彼女と知り合いなのか、「おーウリなまえやー」なんて言って頭を撫でている。

そんなヒチョル兄さんに続いて、ジョンス兄さんも「よろしくね、なまえちゃん」と言うので、俺も「よろしく」と言えば彼女は驚いた表情を浮かべた後、微笑んだ。

かわいい。素直にそう思った。年齢はハンギョン兄さんとは離れているみたいで、彼女はまだ中学生の年齢らしい。今日は練習が無いらしいが、彼女の要望で俺たちと一緒に練習をするために呼んだと言う。

ハンギョン兄さんの服なのか、練習着は彼女の身体には合わず、ぶかぶかで。それさえもかわいいと思った俺は、どうやら彼女に惚れてしまったらしい。たぶんだけど。



「俺と一緒に、歌の練習する?」

「!…します。ぼく、歌が下手です。」



惚れたのであれば、この人見知りらしい彼女と距離を縮めていかなければならない。ならば行動に移すのみ、と言わんばかりに声を掛けると、一瞬驚いたあと、彼女はとても嬉しそうに微笑みを浮かべた。

部屋を移すべくさっきまで居た練習室を出ると、彼女もまた、トコトコと付いてきて。そんな彼女がまた、かわいいと思えた。



「俺はキム・ジョンウン。」



今日、俺は王子様のようなお姫様に会った。




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