▼ ランデブー
ふむ、と言葉にならない声を零しながら読んでいた雑誌をパタリと閉じる。
読んでいた雑誌はだいぶ前に発売されたもので少しボロボロ。
そんなボロボロになった雑誌を見ていると、時の流れとは本当に残酷なものなんだなと身をもって痛感してしまった。
「………はぁ。」
「オイ。冷たい視線でこっちを見ながら露骨に溜息零すのやめろよ。」
チラリと近くに居る恋人に視線を移すと、思わず溜息が出て来てしまった。
この人を見ると本当に、時の流れとは残酷で恐ろしいものだ、と思う。
そんなわたしの動作は見られていたらしく、少し怒りながらも恋人であるジュンヒョンはぬいぐるみを投げて来た。
ちょっと、危ないじゃん。
「よくもまあ家畜よろしく豚体型のアイドルが人気あるわよね。これ金返せレベルでしょ。」
「お前は俺を泣かせたいのか?」
「失礼な。あんたを泣かせるくらいならヒョンスンみたいな奴を泣かせる方が楽しいわよ。」
「死んでしまえ鬼畜女。」
飛ばされてきたぬいぐるみを抱き締め、金返せレベルでしょ、と言えばジュンヒョンはさらに嫌そうな表情を浮かべた。
ジュンヒョンを泣かせたいか、と訊かれたら全力で否定させてもらう。
どうせならあのたまにドSな感じのヒョンスンを雪辱で泣かせる方が堪らない。
ぐふふ、と笑みを零しながらそれを言えば、死んでしまえ鬼畜女、と冷たい声で言われた。
ちょっと酷いじゃないか、わたしは鬼畜じゃないわよ(突っ込むとこそこなんだ。byヨソプ)。
「細けりゃかっこいいのに…あ、ウソ。細くて髪の毛まともだったらかっこいいのに、あんたって自分から針山に突っ込むよね。」
「お前はどこまで俺のことを追い込んだら気が済むんだ?」
「え、勝手に追い込まれて死ねば?」
「それが仮にも彼氏に言うことかよ。」
「仮にもって付ける時点でそのレベルだわ。」
この男は何故か髪の毛がレゲェよろしく不思議な髪型になったりする。
あれってスタイリストさんが決めてるのかな?
それならまだ良いけど、あれ自分のセンスで決めてたら全力で言ってあげるわ。
すべてにおいてセンスねぇな、と。
わたしはあまり追い込んでいるつもりはないんだけど、どうやらジュンヒョンの精神は追い込まれているらしい。
ざまあ、なんて思ってないからね。
思ってないからこそ、勝手に追い込まれて死ねば?、と返してあげた。
(なんかそれおかしくない? by ギグァン)
でも、なんでだろう。
どんなにデブでブスで運動音痴でブスでデブでも(大切なことなので2回言いました)、見た目はどうでも良いって思えるんだよね。
彼氏なら彼氏だって威張っていれば良いものを一応とか濁す、その自信の無さも可愛い。
なんだかんだで、わたしはヨソプが言う通り盲目なんだろうなー、とジュンヒョンと言い合いをしながら悟った。
ランデブー
体型とかは二の次で。
(でもダイエットはしなさいよ。)
((でも?)いや、頑張ってるし。)
(どんどんファン減るわよデブス。)
(お前本当、俺を虐めるの好きだな!クソ!)
(言葉が汚いわよジュニョンちゃん。)
(死んでしまえ。)
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