▼ 欲求不満ではありません
「ジョンオプとチューしたいジョンオプとチューしたいジョンオプとチューしたいジョンオプとチューしたいジョンオプとチューしたい!」
「おーい、誰かこの変態黙らせて。」
「え、無理、気持ち悪い。」
「酷い!それでも親友か!」
はい、しょっぱなからすみません。
ご紹介が遅れました、SMEntertainmentに所属するソロアーティスト、なまえと申します。
冒頭で解ったかもしれませんが、あたしの恋人は、T.S.Entertainmentに所属しEXOと同期でもある、BAPのムン・ジョンオプ。
話を訊いてもらっているのは、同い年で練習生の頃からの親友でもある、パク・チャニョルとビョン・ベクヒョンのふたり(本当ならキム・ジョンデもいるはずなんだけど生憎彼は中国にいるため、ここには不在)。
今、あたしはカムバック中だから忙しくて。
ジョンオプもジョンオプで休みなく働いているらしく、会う暇なんて皆無だった。
ああ…会えない、なんて。
ジョンオプ、姉さんは辛いよ。
キミと何ヶ月キスしてないと思ってるんだ。
「ジョンオパに会えないなら死んでやる。」
「馬鹿言うな。」
「それくらいあたしは重症なんですー!ベクの童貞野郎ー!」
「な!童貞じゃねぇし!」
「ぐぇっ!」
うわぁん!、と泣き真似をするあたしを冷たく見るベクヒョン。
そんな冷たいベクヒョンに、童貞野郎!、と言えば、ベクヒョンから嬉しくもないボディーブローをプレゼントされた。
扱いが手荒過ぎる!
童貞のくせに!、痴女は黙れ!、まあまあ…仲良くしてよー、チャニョルは黙ってて!、チャニョルは黙ってろ!、俺の扱い…。
なんてやり取りを3人でしていたら、マネージャーに呼ばれて3人で馬鹿やってた練習室を出てマネージャーについて行く。
あれ、今日は貴重なオフのはずなんだけど…どこに行くのかな?
日頃から頑張っているあたしに、ご褒美にご飯を奢ってくれるとか?
…いや、ケチなマネージャーだもの、そんなわけないですよねー。
「ねぇねぇオンニ、どこ行くの?」
「んー?まあ、着けば解るわよ。」
「そりゃそうだ。」
マネージャーに何処へ行くのか訊いてみても、曖昧にしか答えてもらえない。
あんまりよろしくないところ、なのかなぁ…。
例えば、今日オフだけど仕事入れちゃった!、とか言って仕事場に連れて行かれたり。
…このマネージャーなら、あり得なくもない。
いろいろと考えてみたところで、マネージャーが言う通り行ってみなければ解らないし行けば解るんだろう。
不安しかないけど、まあ、着いて行きますよ。
あー、恐ろしい。
*
「…へ?」
「日頃から(あたしには)文句を言わずにちゃんと頑張ってるご褒美よ。」
「オンニ愛してるぅううう!!」
連れて来られたのは、大きなビル。
それも見覚えのあるビルだ。
へ?、と馬鹿みたいにマヌケな声を出しながらマネージャーを見ると、マネージャーは楽しそうに笑いつつ、ご褒美だと言った。
ありがとう、本当にありがとうマネージャー。
さっきはケチって言ってごめんなさい。
そう、マネージャーが連れて来た場所は、もはや見慣れてしまったこの事務所。
ジョンオプがメンバーとして居るBAPが所属する事務所、T.S.Entertainmentだった。
あ、ちなみにあたし、今は裏口に居ます。
マネージャーに一回抱き着いてから、ダッシュで事務所に入って行く。
けれどまたすぐにマネージャーの元に走って行くと、マネージャーは驚いたような表情を浮かべていた。
「どうしたの、行かないの?」
「も、門前払いされたぁあ!」
「…あんた、そのテンションで変装してたらそりゃあ不審者に思われるわ。」
マネージャーの元に戻った理由は、警備員さんに追い出された…と言うか、門前払いされてしまったから。
SMEntertainmentのソロ歌手なまえちゃんでーす!、と言ってそのまま通ろうとしたのに、何故か止められたんですよ。
まさか芸能人で、一応有名なあたしが門前払いされるとは思ってもみなかったわ!
マネージャーに哀れな視線を向けられたけど、そんなもの気にしません!
結局マネージャーと一緒に行って、マネージャーが事務所の社員証を見せたことによってなんとか入ることが出来た。
…他の事務所の社員証でよく入れたね。
さて、まあ事務所に入ってからの目標は、ただひとつだけですよね。
何回かお忍びやらで来たことあるんで、お目当ての部屋は解りますよー!
「オンニ!ちょっとジョンオパ襲ってくる!」
「駄目、犯罪。」
マネージャーにジョンオプの元へ行くと言ってすぐ、そこに向かってダッシュする。
マネージャーが何か言っていたような気もするけど…まあ、気にしなくても良いか。
走ること数分(ちょっと迷った)。
お目当ての部屋に辿り着き、ちょっとだけ身なりを整える。
ほら、あたしだって一応、女の子なんでね。
「ジョンオパー!ヌナが来た……………え?」
「え!ヌナ!?ど、どうして…!?」
「お、なまえ久しぶり。カムバックお疲れ。」
身なりを整え終え、いざ出陣!
ジョンオパー!、と叫びながら部屋に勢い良く入ったあと、飛び込んで来た光景にあたしは思わず固まってしまう。
そんなあたしなんてまったく構わず話し掛けて来たのは、言わずもがなキム・ヒムチャンだ。
いやヒムチャンお兄さんはどうでも良いのよ。
そう、どうでも良いのだよ、実際!
違うの、あたしが聞きたいのはね、この光景についてなんです!
「ジョ、ジョンオパが浮気してるぅぅああ!」
「ぬ、ヌナ!?ちょ、落ち着いてください!」
そう、どんな光景かって…ジョンオプが浮気している光景なのです。
あたしが叫べばわたわたと慌てるジョンオプ。
気にしてない他5名(お前ら全員張っ倒すぞ)。
取り敢えず。
どんな浮気現場か、と言いますと…ジョンオプが末っ子ジュノンにカップルの如くバックハグされているんですよ!
しかも何気に空気が甘い!
どんなにあたしが騒ごうと、ジョンオプを離しはしないジュノン。
ヤァジュノン、そこまでいったらあたしはあんたを尊敬するよ。
どんだけ生意気な末っ子なんだ。
あたし、一応先輩なんだからね!?
「最近ジョンオパに会ってなくて欲求不満過ぎてチャンベクに愚痴ったあとマネージャーに此処に連れて来られてジョンオパ襲う気満々で来たあたしはいったいどうしたら良いのよ!?眺めてたら良いの!?それとも3Pするか!?」
「待て、爆弾発言投下し過ぎだろ。」
「悔しいからジョンオパ返せ!」
「ジョンオピヒョンはモノとかじゃないんで、渡せませーん。」
「むっきゃぁあああ!!」
もう一度言う。
どんだけ生意気な末っ子なんだよ!!
胸の内をいろいろと暴露したとき、なんだかヨングクお兄さんが突っ込んでいた気もするけどそれもシカトします。
どうしてジュノンはこんなにあたしがジョンオプを必要としていても、ジョンオプのことを渡してくれないわけ!?
あ、そうか、そうなのね。
ジュノンは反抗期だから言えば言うほど離したくなくなるのね!
なるほど、納得しました!
「じゃねーよ!反抗期とか知らねーよ!あたしもジョンオパに触れたいチューしたい!」
「いや、ジュノンたちは別にキスしてないからな?ジュノンたちもキスしてるみたいに言うのやめてもらえますかネ。」
反抗期なのね、そうなのね。
そう思ってみたところであたしが納得出来るはずもなく、結局は発狂してしまった。
ヒムチャンオッパが冷静に、ジュノンたちはキスしてないからな?、なんて言ってるけど、そんなことあたしだって解ってるわ!
むしろジュノンとジョンオプがキスしてたらジュノンのイチモツを再起不能にまでしてやってるっていうの!
がるるるる、とまるで獣のようにジュノンを睨んでいると、ジョンオプがジュノンから無理矢理離れてあたしを抱き締めてきた。
ちょっと待って、なまえさん急にこんなアクション起こされても胸キュンして混乱しちゃうだけですからネ。
「じょじょじょ、ジョンオパ!?」
「ヌナ、カムバックお疲れ様。僕もなまえヌナに会いたかったです。」
ぎゅうぅっとあたしを抱き締めながら嬉しいことを言ってくれるジョンオプ。
ああ、もう。
ジョンオプは本当に可愛すぎる。
あたしもジョンオプをぎゅうっと抱き締め返すと、ジョンオプは照れ臭そうに微笑んだ。
いやん、ヌナきゅんきゅんしちゃう。
抱き締め合っていると、ちょっとそこ甘過ぎるから余所でやってもらえますかね、なんてヨンジェの声が聞こえてきたけど、そんなのもう知らないです今日はあたしの日なんです。
久しぶりにこうやって甘い空気になれたんだもの、満喫しなくてどうするよ。
ジョンオプとチューすることは叶わなかったけど、まあ、また今度。
今日はジョンオプの温もりを感じれたから、もういいよね。
欲求不満ではありません
ただただ寂しかっただけなんです。
(なまえ、タイムアウト。)
(え、オンニ早いよ!!)
(おー、帰れ帰れー。)
(ヒムチャニオッパは黙ってて!)
(ヌナ、早く帰ってください。)
(デヒョニまでそういうこと言う!!)
(なまえヌナ、連絡しますね。)
(ジョンオパ愛してるー!!)
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