◎ 平和じゃ終わりません
今日は楽屋に平和が…。
「ジュニョア〜!」
……訪れるわけ、ねぇよなぁ…。
「なんだよ。」
「素っ気ないジュニョアも萌える!」
仕事だと言うのに、いつも通り楽屋にふらりと現れるなまえ。
こいつが楽屋にするのがもう当たり前になり過ぎていて、メンバーは誰も口出ししたりしない。
それもどうかと思うけど。
メイクを終えてソファーに座って待機していると、アホのなまえが俺の上に乗っかってくる。
ばか、お前が乗っかったせいで飲んでたコーラが逆走しかけただろ。
「で、なんでそこに乗ってんだよ。」
「え、騎乗位って良いよね!」
「お前なに大声で言ってんの!?」
本当にこいつは、もう、なんと言えば良いのか…。
変態なんて括りで終わらせたら、世の変態が可哀想になってくる。
こんな奴と同レベルだなんて、あっちから願い下げだろうし。
なんでそこに乗ってんだよ、と言えば、騎乗位って良いよね!、と大声で言い出す馬鹿なまえ。
こいつって本当、俺と会話する気がまったくねぇよな。
都合が良いときだけ拾いやがって。
「今日はね、お願いがあって来たの!」
「は?お願い?」
「うん、そう!お願い!」
よいしょ、と言いながら俺の上からようやく退いたなまえ。
そしてなまえは俺の上から退いたあと、床の上にちょこんと座った。
…意外と、良い景色かもしれない。
そんなことを思っていると、お願いがあって来た、と言われる。
ロクなお願いではないとは思うが、訊いてやろうとするだけ俺は優しいはずだ。
他の奴らなら無視するだろうし(ヨソプあたりは特に)。
「あのね、○○○を○○で○○○○してみてから、そのあとちょっと○○してみてほしいんだよねー。」
「お前そんなグロいこと笑顔で言うな!しかもそれ女が要望するようなもんじゃねぇよ!モザイクばっかじゃねぇか!」
なまえのお願い、とは。
まあ、案の定ロクなものではなかった。
ここは健全な場所なので、すべてにモザイクを掛けさせたけど、こんなにもモザイクだらけなのもすごいわ。
逆に清々しいと思うよ、俺は、うん。
……こいつのせいで狂ってきたな。
えーお願い、と上目遣いで言ってくるなまえは可愛い。
ああ、確かに可愛いとは思う。
けど、内容が可愛くなさすぎてドン引きするわ(ご想像にお任せします)。
「……大変だね。」
「……もう嫌だ。」
呆れて顔を手で覆う俺に、懲りずにずっと頼んで来るなまえ。
そんな俺を見たギグァンに慰めを言われたが、正直に言う。
俺は今、なまえのお願いをやってみたいと少しでも思ってしまった自分のことを殺してしまいたいんだ。
(あんな言葉何処で覚えたのー?)
(あんな言葉?)
(ほら、あれ。がん)
(ヒョンスナ!!)
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