海へ行こう
あたしたちは今、ビーエイピーとの雑誌撮影でハワイに来ています。
暑い、暑いけど気持ち良い暑さ!
ビバハワイ!
「なまえ!泳ごうよ!海行こう!」
「…ソナでも誘って。」
「ソナはもう誘ってるからなまえも一緒に行こうよー!」
せっかくのハワイだから、休憩時間は遊ばないと損。
それなのになまえはホテルに篭って本を読むばかりで、買い物にも行かなければ海や山にも行かない。
弟であるデヒョンは外であんなに遊んでいるのに、どうして姉のなまえはこんなにインドア派なのだろうか。
海行こう、と誘えば怪訝そうな目をあたしに向けながら、ソナでも誘って、とばっさり切り捨てられる。
そりゃあなまえの見た目とスタイルがあったらナンパされるだろうし、そもそもレオさんが黙っちゃいないとは思うけどー…(意外とレオさんってヤキモチ妬きなんだよね、びっくり)。
でもだからって、せっかく(無理矢理買わせて)持って来た水着を此処で着ないだなんて勿体なさすぎる!
というワケで、無理矢理連行します。
ブツブツ文句を言っているみたいだけど、そんなものあたしは知りません。
「ヒョソンオンニ!ハナオンニ!」
「待たせてごめんねー!なまえがなかなか着替えてくれなくて!」
「遅いー!何人かに声掛けられたからひと蹴りにしてやったわ!」
「なまえそれ似合ってる。綺麗。」
「………嵌められた。」
先にビーチで待っていてもらっていたヒョソンオンニとハナオンニ。
此処はホテル専用のビーチだから普通よりは安全だけど、ハナオンニの顔とヒョソンオンニのスタイルなんかでかなり目立つから、やっぱり声は掛けられていたらしい。
ごめんね、オンニたち。
渋るなまえを無理矢理ビーチにまで連れ出すと、注目が集まる。
シークレットを知っている人が居るのかな?、なんて思ったけど、多分みんな、なまえのスタイルに見惚れているんだろうなぁ。
なまえは出るとこはしっかりと出ていて、引っ込むところはちゃんと引っ込んでいるスタイル抜群な人。
しかも顔立ちも綺麗で凛としているから、すごく大人っぽいのと水着が真っ黒のビキニというのがさらに大人っぽさを醸し出していた。
これはレオさんも心配するよねー。
「なまえー、海に入ろうよ。」
「絶対に嫌。どうしてベタベタする季節にベタベタする海水に浸からなきゃいけないのか、全然理解出来ない。」
まあ、なまえを無理にビーチへと連れ出したのは良いんだけど…。
どうにもなまえは海というか、海水が嫌いらしい。
不機嫌極まりない表情で、どうしてベタベタする季節にベタベタする海水に浸からなきゃいけないのか理解出来ない、なんて呟くなまえ。
確かに普段はベタベタしてるかもしれないけど、ハワイはカラッとした気持ちの良い暑さで丁度良いのになぁ…。
でも何を言っても無駄なような気がしたから、それ以上言うのを止めてあたしたちのビーチパラソルの下に座らせておくことにした。
レジャーシートを持ってて良かった。
しばらく4人で遊んでいると、周りが少し騒がしくなる。
何事かと思ったら弟グループでもあるビーエイピーが来ていたみたいで、それで少し騒がしくなったらしい。
流石アメリカでも人気なだけあって、ハワイでも認知されているのね。
「あ、ヌナたちもビーチに遊びに来てたんですね。」
「まあ、せっかくだし。楽しまなきゃ損だもんね。」
「あれ?でもそっちは年長組が居ないのね…。チャナはビーチなんて一目散に飛び付きそうなのに。」
「あ、ヒムチャニヒョンなら…。」
あたしたちを見付けた途端、駆け寄ってきた可愛い弟たち。
デヒョンのウキウキとした表情を見ると、どうして姉弟なのにこんなにも違うんだか、と驚いてしまう。
ビーチに遊びに来てたんですね、と言うヨンジェの言葉に、楽しまなきゃ損だもんね、と返すとソナがあることに気が付いた。
そう、こんなビーチだなんだと楽しそうなことに一目散に食い付くであろう人物が居ないのだ。
どうしたの?、と訊けば、ジョンオプが指をさしてその方向へとあたしたちの視線を誘導する。
視線の先には、ビーチパラソルに軽く凭れかかって本を読むなまえと、そんななまえに馬鹿みたいに話し掛けているであろうヒムチャンとヒムチャンとは逆隣に横になっているヨングクの姿を発見した。
ヨングク…あれ寝てるの?
ジュノン曰く、俺日焼けしたくないから今日は涼んどく!、なんて言って避難したらしい。
ヨングクがああなのはいつものことだから、全然気にしていないけど…。
世の中不思議なこともあるもんだね。
ビーチパラソル組はそっちでなんとか楽しんでおいてくれたら問題ない。
それになまえをひとりにしておくよりは、あんなのでも横に居るだけマシだろうから…。
結論、あたしは楽しみます!
(なまえ、楽しかった?)
(…本が湿気りました。)
(あんなところで本読めば、ねぇ。)
(そりゃあそうなっちゃうわよ。)
(…ゆっくりするはずだったのに。)
(ゆっくり出来たでしょ?)
(全然、まったく。隣煩かったよ。)
(それはなんとなく伝わってた。)
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