撮影スタート


今日はドラマのクランクイン。
撮影期間はザッと一週間程度らしい。

しかも主題歌もOSTもすべてテグンと一緒に歌うということで、わたしの気分はどんどん上がっていく。
一度はテグンと一緒に歌ってみたいと思っていたから、なおさらに。
ボイストレーニング、今よりも増やさないと…メインボーカルのテグンに追い付くとは思えない。



「なまえ、おはよう。」

「あ、おはよう…。なんかちょっと、恥ずかしいね。」

「確かに…。」



ボイストレーニングやらダンスレッスンやらで時間ギリギリに撮影現場へと到着したわたし。
おはようございます、と周りに挨拶を済ませると、テグンがやって来た。

おはよう、と言われて返したけど、どうしてか少し気恥ずかしい。
それに照れていると監督さんがやって来て、ドラマの雰囲気なんかをザッと説明してくれた。

刑事モノのドラマは、テグンが上司かと思いきやわたしが上司で、テグンがクールな部下らしい。
まあ、台本読んだときになんとなく察していたけど。

わたしが演じる役もテグンが演じる役も、それぞれが合っている…と思う。
冷静に事件を解決する女刑事と、クールに周りを見て淡々と解決に導いていく男刑事。
わたしは兎も角、テグンにはぴったりな役だと思った。



「スーツって動きにくいのね…。」

「まあ刑事モノだし…、仕方ない。」

「そうね。」



衣装に着替えて、メイクを済ませる。
わたしの長い髪の毛は後ろで縛り、伊達眼鏡を着けて完成。
テグンは無造作にセットされた髪の毛と簡単なメイクだけで、それだけでテグンのかっこよさを引き出していた。

スタンバイが出来たら、そこから撮影がスタートする。
今日はだいたい30分ぶんの撮影を済ませるらしいけど、ミュージカルをしていたテグンとは違ってほぼ未経験なわたしはミスを出しまくり。
どうして演技初心者のわたしをチョイスしたのか、聞きたいくらいだ。

けれどわたしのミスは予想の範囲内だったらしく、大丈夫大丈夫、と言いながら監督さんは許してくれた。
撮影時間はおよそ3時間ほど。
ドラマの撮影がこんなに大変なものだったなんて、知る由もなかった。

けれど此処からもまた、わたしは大変だったりする。
テグンと歌の打ち合わせをしてから、練習を始めるからだ。

今回の曲はアップテンポ。
メインダンサーを務めるわたしに対しての考慮なのか、ダンスは激しめ。
だけどカップルダンス特有の絡みはお互いの事務所が考慮したのか、ほとんど無かった。
…テグン、大丈夫かな。



「テグナ、ダンス大丈夫…?」

「…あんまり。」

「ダンスならわたし、多分教えられるから…歌はテグナが教えてね。」

「ん。頼りにしてる。」



テグンの事務所でのダンスレッスン。
ハードなダンスについて行くのが必死なのか、あまり振り付けが身体に入っていないらしい。
ダンスなら教えられるから歌は教えてね、と言うと、テグンは微笑んだ。

テグンもヴィクスで激しめのダンスは踊っているから大丈夫だとは思うんだけど…やっぱりメインはハギョンやラヴィくんだからなのか、自分が目立つダンスは少し不得意らしい。
サビはいつも歌っているもんね。

いつもはキツイだけの練習なのに、相手が違うだけでこんなにも気持ちから楽で居られるのは初めてだった。
メンバーにはもちろん悪いとは思っているけど…やっぱりテグンと一緒なのは、素直に嬉しい。

お互いに教え合いをしながらも、今日の練習を無事に終えることが出来た。






(なまえ、変なことしてないー?)

(変なこと…?)

(ほら、エッチなこととか!)

(!?)

(こらヒョソナ、やめなさい。)

(あ、なまえの顔真っ赤。)

(可愛いー。)

(…ハナオンニ以外嫌いっ。)


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