昔からのふたり
今も昔も変わらないなあ、と思う。
「なまえ!これやるよ!」
「要らない。」
「なんでだよー。」
「裏がありそう。」
「ないから!!」
なまえと光は、俺たちが小さかった頃から赤西くん繋がりで仲が良くて。無表情さながらななまえは解らないけれど、光は昔からなまえのことがだいすきだって言動が語ってる。
俺も赤西くんには昔、よくしてもらってたからなまえと仲は良い。同い年の大ちゃんや、なまえにべた惚れの光には負けるんだけど。
まあ、そんなことはどうでも良くて。何年経っても変わらないふたりは、見ていて微笑ましいな、と思う。よく飽きないよね。
「ひかるくん、寝るの?」
「ん?んー…眠いなって。」
「じゃあ僕も寝る。」
「ん。おいで。」
うそ。さっきの"無表情さながらななまえは解らない"って言ったけど、それやっぱナシ。
さっきまでの騒ぎはひと段落したのか、3人用のソファーに寝転ぶ光。それを見たなまえは光に「寝るの?」と訊いていて、光がそれを肯定すればなまえも光に近付いた。
いつもならソファーを陣取るくせに、なまえが来た途端身体を隅に寄せ、なまえが入れるようにスペースを空ける光。そこに何食わぬ顔で入り込むのは、もちろんなまえ。これでこのふたり、付き合ってないんだぜ。信じられる?
「ん?…こうたくんも寝る?」
「え?なんで?」
「こっち見てたから。寝たいのかなあって。」
「ああ…。いや、寝ないよ。」
ずっとふたりを見ていたからか、視線に気付いたなまえから声を掛けられる。どうやら、見ていたことで俺もあのふたりの中に入りたいのだと思ったらしい。違うけど。
俺が入るスペースを作るつもりなのか、どう考えても3人で入るのは無理なのに光にくっ付くなまえ。光はデレデレしてるけど、デレデレしてるわりに睨んでくる。睨まなくてもその中には行かないってば。
俺が寝ないと言えば納得したのか、「そう」と呟いて光から少し離れ、目を閉じる。離れたら離れたで恨めしそうに見るなよ光。
取り敢えず、この恋人同士のようで恋人同士ではないふたりに振り回されるのは、何も俺だけではない。みんな思ってると思うけど、巻き込むのだけはやめてほしいよなあ。
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