たぶんこれは恋
「はぁ…」
またか、と思わず声が出てしまった。
前にも同じ注意をしたってのにコイツは…。
梅雨明け間近のこの時期、ジメジメした日が続き高専内も至る所の窓が開けてあるがこの共用スペースは風通しが良く、自室で過ごすよりここで過ごす生徒もいる。
テレビとテーブルにソファー、簡単な給湯設備があるここは携帯や漫画など持ち込めば1日過ごせてしまう。
そしてここのソファーは寝心地がいいのかよく昼寝をしてる奴を見かける。昨日は虎杖が気持ちよさそうに寝ていたな。
今目の前にいるこいつも1ヶ月前ここで寝ていた1人だった。
「おい、起きろ。こんな所で寝るなって言っただろ」
「ん〜…ふし、ぐろ…?…なに?」
俺の声に反応した名字は薄ら目を開け此方を見ると少しだけ眉間に皺を寄せた。
普段はしっかり者で周りの人間へのサポートが完璧と言われる名字は寝起きが少しだけ悪い。これはこの間知ったことだが。
「なに?じゃない。前もここで寝るなって言っただろ」
「うん…でも、もーちょっと…」
「あっ…ちょ、おい!」
瞼を重そうに瞬きさせ舌っ足らずに言うと器用にソファーの上で体を小さく丸めて再び眠りだしてしまった。何度目か分からないため息が出て改めて眠ってる名字を見ると無防備に曝け出された白い脚に思わず目が止まった。
普段は制服の下にトレンカを着用したり、何回か見た私服もパンツスタイルだった為脚を出してるのが新鮮だった。
元々白い方だとは思っていたが全く日焼けしてないのが妙に艶かしく見え思わず目をそらす。
「ったく…変なやつに目つけられたらどうするんだよ」
危機感の無さに小言を溢しながら共用スペースに置かれてるブランケットを脚を隠すように掛けた。高専内にそんな奴はいないと分かってるし、コイツ自身も一般人に比べれば強い。だが、いつ何があるか分からないし、なにか起きてコイツが傷つくのも見てられない。
先日の任務だって…と俺の心配をよそに安心しきったように寝息を立てる名字を見ると何故か笑えてきて無意識に手を伸ばし頭を撫でていた。
そして自身の行動にハッとし手を引っ込める。
俺は今何を…?
自分の中に沸き上がってくる感情に名前が付くのはそんなに遠くなかった。
※2021/7/11 Twitter掲載
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