最期の瞬間まで君を想う

 ――じゃあな、ゼロ。


 引き金を引いた直後、胸に走った痛みと熱さ。それらはあっという間に消え失せた。もう何も感じない。何も聞こえない。何も見えない。
 失われてしまった感覚の中、どこからか映像が流れていく。もう五感も何もないというのに。だが、これは知識としては知っていた。
 ああ、走馬灯というヤツか。
 脳内で駆け巡る思い出たち。まるでドキュメンタリー映画を見ているようだ。


「おい、ライにあまり気を許すなよ」
 これは三人で組み始めた頃の記憶だ。
 ゼロはライに突っかかってばかりだったな。
「なんで? ライっていいヤツじゃん。兄ちゃんみたいで!」
 そう言った時のゼロの顔は、あまりにも面白すぎて忘れられない。


 ――なぁ、ゼロ。
 ライは悪いヤツじゃない。頼りになるヤツだよ。ライ……いや、アカイ捜査官は。
 だからそんな突っかからなくても……。ちょっとは頼ってみろって。
 とはいえ、ゼロは人に甘えるのが苦手だからなぁ。そこだけが心残りかな。
 俺にちゃんと逝って欲しいならアカイ捜査官と仲良くすること。約束だぞ。
 じゃあ、またな、ゼロ。