女神は彼に微笑まない


仮名:翼斗(よくと)

左打ち左投げ
捕手

シニア時代は投手
優勝投手にもなってる
希望は捕手だったが左投げだった為に 許されず投手に
数多の推薦に対して 捕手をさせてくれるなら と伝えている

◇ポジション 捕手(投手)
◇利き腕 左投げ左打ち

●身長:185p(高1測定時)
●体重:75kg
●血液型:AB型
●誕生日:
●出身地:
●趣味・特技:
●尊敬する人:フランツ・カフカ
●好きな教科:国語
●好きな食べ物:


「マウンドへ上がれ」

その指示は 死刑宣告に等しかった。

この男は俺に首をつれと言うのか。
嗚呼、そうかよ。
ここがそんな場所だとは思っていなかった。

「聞こえなかったか」

返事はしなかった。
周りからの視線も無視して マウンドへ向かった。
聞こえる歓声が耳障りだ。
照りつける太陽がうざったい。
なによりも、向かい側に座る彼の顔が 憎い。
なぁ、高島さん。
俺は言ったよな。
チームの為に 俺がそうしたいと思えたなら マウンドに上がってもいいと。
けど それはチームの為に動いてやってもいいと思えるほどのチームであれ、と言ったんだ。
俺は認めちゃいない。
青道のために 誇りを捨ててもいいとは カケラも思えちゃいねぇ。
勝利のためのやむを得ぬ選択か?
笑えるな。
プレートの土を足先で払って、ボールを握りしめる。
御幸先輩が、俺にサインを送る。
そんなもん必要ねぇ。
テメェの指示なんぞ、誰が聞いてやるものか。
俺なら、こう投手に指示を出す。
俺なら、こう打者を抑える。
俺は捕手だ。
テメェがどこに構えようが、関係ねぇ。
俺は俺を信じて投げる。
構えたところとは離れたとこに投げ込まれたボール。
なんとかそれをキャッチした彼は目を見開く。

「おいおい、ガン無視かよ」

荒々しい。
ミットを通して伝わるのは怒り。
3アウトチェンジ。

「なんだあの投球は」
「オナニーだよ。捕手の俺なら、ああやってサインを出す。それを俺で実行しただけだ」

彼は嘲笑する。
握りしめた掌からポタリと赤い雫が地面に落ちた。

「どうせ首吊って死ねってんなら、めちゃくちゃに壊してから死ぬさ。全てを巻き込んで」

赤い雫のついた親指が彼の首をなぞる。

「死刑台の景色をアンタにも見せてやりてぇよ」



沢村の後輩に捕手が多かった為頓挫。
他校で書こうにも ピンとこなかった。
捕手って基本どの学校も変わらないから 原作沿いの場合 入れにくかったけど 翼斗が投手を続けるイメージが湧かなかった…。
東条の投手を諦められない気持ちに最初から気付いて こっそりバッテリー組んで練習させる予定だったりした。
倉持の弟にもしようとしてた気がする。



「諦めたのかよ、」
「…関係ないでしょ」
「そうだな。それは、お前の道だ。お前の好きにすりゃいいよ」
「は?」
「けど。自分の大事なもん諦めて歩む辛さはお前よりも知ってる。だから、もし少しでも諦めきれてねぇなら。諦めないでいたいんなら、俺に協力させろ」
「ちょっと待って。何言ってんのかよくわかんない」
「捕ってやるよ、お前の球」
「…は、?俺のこと、嫌いなんじゃなかったの?」
「別に」
「………かっこいいよね、翼斗はさ。真っ直ぐで。周りが羨むもん持ってるのにそれを捨ててまで自分を貫けるとこ」
「一回折れたからだ。あの屈辱を体に心に刻んだ。だから、もう折れねぇ。誰に嗤われようが、罵られようが 関係ねぇ。俺は俺の道を進む為に妥協はしねぇ」
「投手を辞めることは、逃げかもしれない。それでも俺は上の経験がほしい。レギュラーで活躍する人達の姿を近くで見たい。投手をやるよりも、俺は野球をしたい。試合をしたい」
「そーか」
「けど、投手を諦めるつもりはないよ。今は、その時じゃないけど、これから先。必ず俺は 投手に返り咲く」
「ふぅん?いーじゃん」
「みんなが寝静まった後かもしれない。明かりの届かない暗闇かもしれない。それでも、付き合ってくれるの?」
「ハッ、愚問だな。こちとら、暗闇で生きてんだ。そっちの方が都合がいい」

東条とはこんな感じになってもらう予定だった。


長編の予定で設定組んでいたし、旧サイトで一度公開まで持ち込んだ気もするが、act2の内容やらサイトから離れたこともあって 幻となりました。



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